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命令書への署名をためらわない人「職責」信念に従って署名を拒み続けた人・・・春秋 八葉蓮華

 9年前の夏のことだった。強盗サツ人罪などの被告にシ刑判決を言い渡した宮崎地裁の裁判長は、途中から涙声になって控訴を勧めた。極刑を下す者の苦悩の深さを物語る

 判決が確定したシ刑囚に対する執行命令書との向き合い方は、法務大臣によって違う。職務にのっとって命令書への署名をためらわない人がいた。信念に従って署名を拒み続けた人もいた

 現在の千葉景子法相は後者だろうと思われた。昨年秋に就任するまでは「シ刑廃止推進議員連盟」のメンバーだった。きのう2人のシ刑を執行した。記者会見では「職責」と語った。極めて異例ながら執行にも立ち会った

 波紋は一通りでない。廃止推進役とされた人がなぜ、という驚き、失望がある。千葉氏が先の参院選で落選したことが波紋を複雑にする。微妙な立場を野党から問題にされている人がなぜ、との疑問の声も聞く

 世界ではシ刑廃止・執行停止がすでに大きな流れになっている。数年単位で見ると執行が増加した日本への視線は、国連を中心に年々厳しさを増しつつある。国際社会の批判にこれからも耐えていけるのか

 国内を見渡せば、凶悪事件に対しては厳罰を望む世論が根強い。市民参加の裁判員制度と絡めてシ刑廃止を求める世論も、一方にはある。身をもって一石を投じたらしい千葉法相は、省内に勉強会をつくる方針も併せて示した。まだそんな段階だったのか、という気もするが。

春秋 西日本新聞 2010年7月29日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「キリング・フィールド」忘れてはいけない歴史を裁く特別法廷に時効はない・・・春秋 八葉蓮華

 人間はどこまで残酷になれるかを後世に教えるもののひとつに大虐サツがある。独裁者の名前をかぶせて伝えられるものが少なくない

 ヒトラーのナチス・ドイツがユダヤ人の絶滅を企図したホロコーストは、20世紀の暗部を象徴する。1930年代のソ連におけるスターリンの大規模な政治弾圧は、粛清という名の大虐サツだった

 独裁者の名を冠した大虐サツはアジアにもある。「ポル・ポト政権の大虐サツ」は1970年代のカンボジアで起きた。処刑や拷問、強制労働などで約200万人の命が奪われた。餓シ者も含む犠牲者は自国民だ。人間はどこまでも残酷になれる

 多くの知識人が犠牲になった。将来を担う人材を失ったカンボジアでは今、空白の歳月を経て国の再建が進む。ポル・ポト元首相がシ亡して12年。思い出したくない国民も少なくない。悲劇を直接には知らない世代も増えた

 国内各地に残る刑場跡は「キリング・フィールド」と呼ばれる。同名の英国映画(84年)で世界に知られた。そこで行われたことを裁く特別法廷が首都プノンペンに設置されたのは2006年だった。国連とカンボジア政府が共同で設置した

 67歳の元政治犯収容所長にきのう、人道に対する罪などで禁固35年が言い渡された。元幹部への最初の判決だった。ポル・ポト派の中枢にいた複数の人物の裁判が続くものとみられる。忘れてはいけない歴史を裁く特別法廷に時効はない。

春秋 西日本新聞 2010年7月27日
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縫い物「針あそび」針を手にする機会がほとんどない・・・春秋 八葉蓮華

 薄れていく風景のひとつに針仕事がある。縫い物のことだ。庶民の日常も描いた江戸期の喜多川歌麿は「針仕事」と題した作品も残した。現代は針を手にする機会がほとんどない女性を増やした

 福岡市南区に住むフリーライターの有吉岬さんも、若いころはそんな一人だった。学生時代には家庭科で浴衣やぞうきんを縫ってくる宿題があったが、祖母にやってもらっていたという

 針を持ったのは30代にさしかかるころだった。古本屋を任されたとき、手持ちぶさたの時間が増えたので何げなく針仕事を始めた。それからおよそ30年。職業は替わっても趣味の針は放さなかった

 パッチワーク、布絵、ポジャギ…。約300点の作品集が角川学芸出版から出版された。タイトルは「針あそび」。我流のあそびながら、評価も得た。伝記を読んでつくった布絵の連作「瞽(ご)女(ぜ)の旅」が家庭画報大賞に入選するなどした

 針あそびは「旅に似ている」と有吉さん。旅は、行き先を決めて時刻表などで見たいものや泊まりたいところを選ぶ。針あそびは、作りたいものを決めて布地や糸の具合などを吟味する。過程が似ていて、予期せぬ出会いが待っていたりもするそうだ

 作品の一部30点ほどが、福岡市中央区天神1丁目の商工中金1階ロビーに展示されている。8月6日まで(土日は休み)。あそびが紡ぐ世界の多彩さに驚かされる。針を持ちたくなる若い女性が増えるといい。

春秋 西日本新聞 2010年7月26日
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社会の保水力も低下中、社会の凝縮力、連帯感、共助の精神が弱く・・・春秋 八葉蓮華

 日本の降水量は世界平均の約2倍だ。降った雨の一部は、山間部では森、平野部では田畑などに蓄えられる。森や田には「保水力」がある

 森を削ったり、田を宅地に変えたりすることで日本は戦後の経済成長を加速させた。水害の増加がいわれて久しい。集中豪雨の増加ともう一つ、列島が兼ね備えていた保水力の低下も原因とされる

 社会にも保水力がある、とみるのは元警察庁長官の国松孝次さん。社会の保水力も低下中という。刑法犯が異常な増え方をした2003年に朝日新聞の夕刊コラム「窓」が紹介していた。切り抜きが手元にある

 「警察の責任を回避するつもりはないが」と断って、こう指摘していた。「森に保水力があるように、社会にも犯罪を抑え込んで外に出さない力がある。日本で強かったその力、社会の凝縮力、連帯感、共助の精神が弱くなった」

 近年は犯罪の質も変わった。国松さんの指摘をかみしめ直す。日本には隣近所との関係が濃い時代が長くあった。地域単位でも助け合った。幾層もの関係が、犯罪の芽を小さいうちに摘んで大事に至らせない役割も果たした

 失いつつあるものの大きさを、とくに幼児・児童のギャク待・サツ害事件を知るたびに思う。子どもは地域の宝でもある。「5歳の長女を洗濯機に…」「1歳児を木箱に…」。おぞましい事件が続く。社会の保水装置をつくり直さなければならない。地域力と人間力が問われる。

春秋 西日本新聞 2010年7月25日
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25年前の夏休み、励まし合い支え合って、御巣鷹山と生きる・・・春秋 八葉蓮華

 夏休み。日記を初めて付け始めた子がいるだろう。観察日記も楽しい。アサガオやヘチマなどの観察日記は、日記を付ける子どもたちの成長と重ねて記憶される

 小学3年生の美谷島健君(東京)は学校の庭にあるヘチマの観察日記を付けた。種をまいた春から日記は始まっている。夏が来て〈7月18日 くきが70センチになった。まきひげが8つあった〉

 夏休み。〈ヘチマは120センチの長さになった。ぼうを立てても、どんどんのびるのでこまる。葉のちかくに小さなつぼみが…〉と書いたところで日記は終わる。日付は8月11日。1985(昭和60)年のことだった

 その夏、健君はプールで25メートル泳げた。ごほうびに12日から大阪の親類宅に1人で遊びに行くことになっていた。「ちびっこVIP」のワッペンを付けた健君を羽田空港の搭乗口で見送ったのが、母親の邦子さんが息子を見た最後になった

 美谷島邦子さんは遺族組織「8・12連絡会」の事務局長として励まし合い支え合ってきた。四半世紀をつづった「御巣鷹山と生きる 日航機墜落事故遺族の25年」(新潮社)がこのほど出版された

 「一人ひとりの力は小さいけれど、遺族には強い絆(きずな)があった」と振り返っている。「人は、ミスをするものだ。でも同じことを繰り返して欲しくない」の一心で闘ってもきた。25年前の夏に搭乗口で手を握った時の9歳の息子のぬくもりが今も残っているという。

春秋 西日本新聞 2010年7月24日
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ファンサービス「実力のパ」観客動員数もパの伸びが目立つ・・・春秋 八葉蓮華

 プロ野球の景色が変わった。一昔前までは「人気のセ、実力のパ」と言われていた。同じ言い方を現在もする人は、いたとしても少数だろう

 今年のセ・パ交流戦(5―6月)は6位までをパ・リーグの6球団が占めた。「実力のパ」は変わらない。人気も、セ・リーグだけのものではなくなった。パの球場で閑古鳥が鳴いたのは今は昔

 象徴的な景色を一昨日までの3日間、福岡ソフトバンクホークスの球場で見ることができた。対西武ライオンズ戦は首位攻防ということもあってヤフードームは連日、大入り満員だった

 この3日間は年に一度の「鷹の祭典」だった。ファンサービスに一段と力が入った。今年は観客席が真っ赤に染まった。選手が着る期間限定ユニホームと同じ赤のレプリカが観客全員に配られた。合言葉は「ファンと一体に」。選手が燃えないはずがない

 ファンサービスではパの球団が総じて上を行く。慶大理工学部の鈴木秀男准教授が今年1月、ファンを対象に「ファンサービスは充実しているか」を調べた。満足度が高い上位6球団のうち5球団はパだった。観客動員数もパの伸びが目立つ

 「人気のパ」を先導してきたホークスは、ライオンズ戦を三つとも勝って7連勝で折り返し点を過ぎた。首位とは0・5ゲーム差。交流戦後は失速が続いた昨年までとは雰囲気が違う。人気も実力も、と言わせる完結編を、わが郷土の球団で秋に見たい。


春秋 西日本新聞 2010年7月23日
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「涙は女の武器」ESP1をつくる遺伝子は人間にはない・・・春秋 八葉蓮華

 世界三大珍味の一つ、トリュフの採集には雌のブタも使われてきた。トリュフの独特の香りが、雄のブタの唾(だ)液(えき)に含まれるフェロモンの香りに似ているとか

 動物の体内から放出され、同種のほかの個体の行動や生理機能に影響を与える分泌物質をフェロモンと総称する。昆虫の性フェロモンがよく知られている。ファーブルの「昆虫記」にも出てくる

 哺乳(ほにゅう)類のフェロモンは、ブタやゾウなどのほかは確かなことは分かっていないようだ。人間はどうか。関心はそこに向く。「ヒトにもある」との研究結果が時々発表される。けれども詳しいことはまだ分かっていない

 哺乳類ではマウスにもフェロモンがあることが最近突き止められた。「雄が涙腺から出す物質に性フェロモンが含まれていた」という。東京大の東原和成教授らが英科学誌ネイチャーに発表した

 この性フェロモンは「ESP1」と呼ばれるタンパク質。東原教授らが5年前に発見し、さらに研究を進めてきた。ESP1を染み込ませた綿を雌にかがせたところ、雄を受け入れる態度をとる頻度が、通常の場合と比べておよそ5倍になった

 人間の世界では男も自然に涙を流した時代があったことが古い和歌からも知れる。現代日本は「涙は女の武器」と言う首相も生んだ。男の涙はどうか。関心はそこにも向くが…。ESP1をつくる遺伝子は人間にはないのでマウスと同じ効果は期待できないそうだ。

春秋 西日本新聞 2010年7月22日
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着信ボイス「時代を変えないかんぜよ」よみがえらせたいひと言は・・・春秋 八葉蓮華

 スペインが勝ち進んだW杯期間中のNHK教育テレビ・スペイン語教室で、サッカーとは無関係ながら面白い話を知った。スペイン国王フアン・カルロス1世のことだ。話は3年前にさかのぼる

 南米チリで開かれた中南米諸国との首脳会議に国王も出席した。ベネズエラのチャベス大統領が、イラク戦争参戦を決めたスペインの前首相を激しく、執(しつ)拗(よう)に非難した。腹に据えかねて国王は言った。「黙らないか!」

 一喝にスペイン国民は留飲を下げた。携帯電話の着信ボイスとして商品化されるや約50万人が自分の携帯に取り込んだ。スペイン国内ではあちこちから「黙らないか!」が聞こえたという

 この話を知る数日前、ヒトラーの演説を着信ボイスに使った男のことを、ドイツ発の記事で知ったばかりだった。いろいろあるものだと思った。男は警察に拘束されている。ナチスにまつわる禁止行為に触れた

 演説の言葉は、ナチス時代に好まれた「ジークハイル(勝利万歳)」など。戦時中の日本には「ほしがりません勝つまでは」などのスローガンがあった。その種の言葉をよみがえらせてどうなるものでもない

 よみがえらせたいひと言は、日本の場合はもっと昔にある。坂本竜馬の「時代を変えないかんぜよ」の着信ボイスが何年か前に話題になった。写真から想像するモンタージュボイスだった。今なら大河ドラマの主役の声で、ということになるのだろう。

春秋 西日本新聞 2010年7月19日
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感染確認からもうすぐ3カ月、口蹄疫問題が終息していない・・・春秋 八葉蓮華

 気象庁によると週末から全国的に晴れの日が増える。きのうはセミが鳴きだすのを聞いた。毎年聞くワシワシワシ…が多い。例年通りの本格的な夏がやって来る

 豪雨まじりの長雨にさらされたから、今年はとりわけ梅雨明けが待ち遠しかった。7月も半ばを過ぎ、子どもたちは来週から夏休みだ。海へ山へ、といつも通りの夏の風景が戻ってくるのだろう

 宮崎県民のことを思う。さあ夏だ、と気持ちをすぐに切り替えるのは難しそう。約21万頭をサツ処分した家畜伝染病・口(こう)蹄(てい)疫(えき)問題が終息していない。終息に向かってはいるが対応をめぐる農相と県知事の対立が続く

 「夏の甲子園」を目指す高校野球の宮崎県大会が始まった。感染禍の余波で「無観客試合」の措置が取られた。夏の太陽は戻っても夏の風物詩を代表する熱い応援が見られないのは寂しい。熱い戦いで憂さを晴らしてもらいたい

 ここに至る間、ホッとするニュースもあった。支援の輪が全国に広がった。宮崎に縁があるプロスポーツ選手や歌手らも加わった。宮崎を応援する企画が県外の百貨店でも見られた。ふるさと納税制度を利用した応援寄付金は1億円を超えた

 最初の感染確認からもうすぐ3カ月になる。この数日は民間の種牛のサツ処分をめぐって県と農家が苦渋の決断を迫られた。宮崎の苦悩はいつまで続くのか。梅雨明けの後は間をおかずに「暗雲明け」になるよう願わずにはいられない。

春秋 西日本新聞 2010年7月17日
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「恩」が世の中をグルグル回っていく「恩送り」・・・春秋 八葉蓮華

 ちょっといい日本語、を見つけた。この春亡くなった作家井上ひさしさんの著作のなかにあった。前段が少し長くなりますが、お付き合いのほどを

 山形県で生まれた井上さんは、昭和24年に岩手県一関市に引っ越した。中学3年の春と夏をそこで暮らした。短期間ではあったが「一家、路頭に迷わず、なんとか生き続けることができた」と書いている

 ひさし少年も忘れられない個人的経験をした。書店でおばあさんの目を盗んで国語辞書を持ち出そうとして、見つかった。「あのね、そういうことばかりされると、わたしたち本屋はね、食べていけなくなるんですよ」

 店の庭に連れていかれ、まき割りをさせられた。まき割りを終えると、おばあさんは辞書をくれた。「働けば、こうして買えるのよ」。それだけではなかった。「労賃から辞書代を引いた残り」と言ってお金までくれた

 「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」(新潮文庫)からひろった。14年前に一関で3日間開いた「作文教室」が収録されている。この教室は、かつてお世話になった一関の皆さんに何かお返しを、と思い立った

 井上さんは「恩返し」を一つ進めて「恩送り」と呼んだ。受けた恩を、その人に直接返すのではなく、別の人に返す。その人がさらに別の人にと〈「恩」が世の中をグルグル回っていく〉社会を思い描いた。「恩送り」は江戸時代は普通に使われていたそうだ。

春秋 西日本新聞 2010年7月16日
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「江戸しぐさ」みんなが好き勝手に振る舞ったら、住みにくい・・・春秋 八葉蓮華

 ビルの窓から見下ろす街角は、色とりどりの傘が行き交い、雨に咲いた花のよう。そんな気分にさせる傘も、マナー次第で梅雨のうっとうしさを募らせるからご用心

 「周りを確認せずに傘の水滴を払う」(38%)のが、悪いマナーの典型とされた。インターネット調査会社マクロミルが行ったアンケート(複数回答)の結果だ。「すれ違う際、傘を傾けない」(32%)も多かった

 「傘かしげ」という言葉を思い出す。路地や歩道ですれ違うとき傘を外側にかしげ合うしぐさを指す。数年前に公共広告機構のマナー啓発ポスターにも採用された“江戸しぐさ”のひとつだ

 江戸しぐさには、雨の日でなくても、狭い道ではすれ違う側の肩を後ろへ引いてぶつからないようにする「肩引き」や、すれ違う際に柔らかい視線を交わす「会釈のまなざし」など、往来編だけでも多種多様。袖振り合うも多生の縁、を基本とする

 「『江戸しぐさ』完全理解」(越川禮子・林田明大共著、三五館)に詳しい。古里の遺産として学ぶ中学校が東京では珍しくない。江戸しぐさの精神を社員教育に取り入れる企業も全国的に増加中

 江戸は世界有数の過密都市だった。みんなが好き勝手に振る舞ったら、住みにくさでも世界有数になっていたろう。気持ちよく暮らせる知恵を共有した。過密都市を多く生んだ現代日本も、江戸に学べば、梅雨に限らず日常のうっとうしさが少しは晴れる。

春秋 西日本新聞 2010年7月14日
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無駄遣いを削り、それで足りなければ消費税で・・・春秋 八葉蓮華

 消費税に触れたことが唐突なかたちで国民に伝わった。菅直人首相は民主党敗北の理由をそう語った。「事前の説明が不足していた」とも。首相就任直後の内閣支持率の急上昇で少し天(てん)狗(ぐ)になっていたのだろう

 前首相がへこませた支持率をV字回復させたのだから、鼻が高くなるのは無理もない。再び急降下するのも早かった。官房長官が「左うちわの選挙になると思ったが…」と語ったのは象徴的だった

 鼻高、うちわ、とくればいよいよ天狗の話に近づく。まんが日本昔ばなしなどで描かれる天狗は、鼻が高くて羽うちわを持っている。もう一つ山伏姿を加えれば立派な天狗が出来上がる

 菅氏は国民年金未納問題が報じられた2004年、四国巡礼に出た。首相就任時に小欄でも触れた。お遍路姿と山伏姿はどこかで通じる。などとこじつけ、無礼を顧みず天狗になぞらえて書き進めている

 参院選敗北の理由は首相自身の説明に尽きる。民主党はこれまで「無駄遣いを削り、それで足りなければ消費税で」と言ってきた。前段部分が結果的に軽んじられた。就任時のご祝儀人気に首相が鼻を高くしすぎたようだ

 巡礼を再開したい心境だろう。ちなみに八十八カ所のうち53番札所までは既に回っている。54番目は「延命寺」だ。政権の延命うんぬんはさておき、政権奪取時に党が掲げた公約を1番目から順に点検し直し、必要なら修復することから出直しは始まる。

春秋 西日本新聞 2010年7月13日
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民主党が負けて「リーダーはぶれたらダメ」新たな混迷の始まり・・・春秋 八葉蓮華

 政界「2010年夏の陣」の参院選は、サッカーワールドカップ(W杯)と同時進行だった。大相撲の世界の大スキャンダルも含めた三つの同時進行劇といってもよかった

 W杯で活躍した日本代表への喝(かっ)采(さい)や、名古屋場所の生中継中止などに対する嘆息の前では、参院選への関心は途切れ途切れになりがちだった。名古屋場所初日およびW杯決勝戦と、ほぼ同時に投票が行われたのも巡り合わせというものか

 政治とカネの「改革」や財政「再建」も争点になった参院選は、一からの出直しを迫られた角界の危機と一部ダブって見えた。サッカー日本代表の選手と監督の一体感は、消費税をめぐる民主党内の不統一を際立たせた

 W杯はドイツの水族館にいるタコも有名にした。ドイツ代表の勝敗予想を7試合すべて的中させた。ついでに予想させられた決勝戦はスペインの優勝を予想していたが…。参院選の勝敗はというと、タコの出番を願うまでもなく世論調査が示す通りになった

 民主党が負けて自民党は勝った。みんなの党が新たな勢力になった。昨年夏の衆院選で民主党になびいた票の少なからぬ部分が1年足らずで離れていった。新たな混迷の始まりか

 サッカー日本代表の監督は戦いを振り返って「リーダーはぶれたらダメ」と語った。耳が痛い党首が率いる政党が、角界の出直しに倣ってふんどしを締め直さなければならない。そんなふうにも総括できる。

春秋 西日本新聞 2010年7月12日
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子や孫の時代を考える、目先の党利党略をぶつけ合うのに忙しい・・・春秋 八葉蓮華

 「福沢諭吉、新渡戸稲造、もう1人は…」。明治以降で真に尊敬に値する人物を3人挙げよと言われたら、と小説家で社会教育家の下村湖人は、同じ佐賀県出身の田澤義(よし)鋪(はる)を挙げた

 今年は田澤の生誕125年。出身地・鹿島市の市民会館で今月24日に記念大会が開かれる、と本紙佐賀版が案内していた。「信念を貫いた生涯、毅(き)然(ぜん)たる清節。私は百代にわたって『この人を見よ』と言いたい」。湖人はそう書き残している

 最初は内務官僚だった田澤は、やがて社会教育家として青年教育に情熱を傾けた。政治家として選挙粛正に一身をささげた。併せて政治の理想を追求した。日本の現状を憂う講演中に倒れて逝った

 と書いていくと、思いは、国の新生を信じて逝った大勢の先人に及ぶ。19世紀を疾走した幕末の志士は泉下から20世紀の日本をどう見ただろう。20世紀の戦争で散った人に私たちは21世紀初頭の日本を自信を持って見せることができるだろうか

 言論の府・国会がけなし合う場に半ば変わって久しい。目先の党利党略をぶつけ合うのに忙しい、ように見える人たちもいる。半世紀後、1世紀後の日本を描ける政治家は、いるにしても少ない

 夢や理想を自分の言葉で、政策に包んで語れる人を選びたい。人と政策を大きく育ててくれそうな政党に1票を託そう。郷土の先人に思いを巡らせつつ子や孫の時代を考える。きょうは良識の府・参院選の投票日。

春秋 西日本新聞 2010年7月11日
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祭りを縁取る掛け声は、夏はひときわ華やぐ・・・春秋 八葉蓮華

 博多祇園山笠の飾り山が目の前にある喫茶店での、東京から来た友人とのおしゃべりは自然に日本の祭りに向いた

 途中からは「祭りの掛け声」になった。今は何かと不景気な話が多いから、と友人が切り出したのがきっかけだった。「昔こんな歌があった。『景気をつけろ塩まいておくれ、ワッショイワッショイ…』。気分を変えるにはワッショイが一番だ」

 ワッショイは日本の祭りを代表する。「東京は?」と聞くと、みこしを担ぐ浅草三社祭などの掛け声は「ソイヤ」か「セイヤ」が多いという。戦後しばらくはワッショイだった、とか

 日本は四季折々の祭りを各地に生んだ。祭りを縁取る掛け声は、夏はひときわ華やぐ。友人は「エライヤッチャ、エライヤッチャ」の徳島・阿波踊りや「ラッセーラ、ラッセーラ」の青森ねぶたなどを挙げた

 九州にもいろいろある。「ヤッサヤレヤレ」の小倉祇園太鼓がもうすぐ始まる。一足先ににぎわう博多祇園山笠は、東京あたりでは「オッショイ」で語られることが多いらしい。10日から舁(か)き山が動きだすと「オイサッ」などに変わっていく

 新聞記事には「オイサ」「オイッサ」も出てくる。1トン余の山を舁く息は荒々しいから聞こえ方も一通りではない、と説明しておいた。違っていたらすみません。ともあれ友人が言うには、静から動へ移るのに合わせて掛け声も変わる祭りは、ほかには聞いたことがないそうだ。

春秋 西日本新聞 2010年7月10日
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