きのうはサッカー日本代表の話を書いた。サッカーにうとい人から「オウンゴールって何ですか?」と聞かれた
誤って自陣のゴールにボールを入れてしまうことを言う。味方チームの失点になる。比(ひ)喩(ゆ)的な使われ方もする。ぴったりの事例を最近の政界でも見てきた。鳩山由紀夫首相が見せ続けてくれた
試合でのオウンゴールは懸命なプレーの結果だから責めるわけにはいかないが、首相の場合は責めを負う。内閣支持率低下の原因が自分にあると知りながら半ば開き直り、結果的に自陣に何度もボールをけり込んだ
きのう退陣を表明した。昨秋「日本チーム」の新主将として登場したときは、政治の風景は一変するかと思われた。退陣に至る8カ月余は、自身の「政治とカネ」の問題と普天間移設問題での「約束違反」で、期待の多くを幻想に変えて幕を閉じる
退陣表明では民主党の名を繰り返した。「民主党のため」ということらしい。「日本のため」と言ってくれたら、もっとよかった。こんどこそ日本は変わるだろうと期待した海外の評も、やっぱりね、に変えてしまった。対外的な罪も小さくない
陰の首相のようだった民主党の小沢一郎幹事長も一緒に辞任する。「政治とカネ」がつきまとった小沢氏もオウンゴールの責めを負う。2人のトップ、サッカーで言う「ツートップ」がこれでは体を成さない。ついでながら、政権チームはワントップに限る。
春秋 西日本新聞 2010年6月3日
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