一国のリーダーを経験した人は世界にあまたいる。リーダーになるまでに獄中生活を、それも不当な投獄生活を経験した人、となると限られる
最初に浮かぶのは南アフリカのネルソン・マンデラ氏だろうか。同国初の黒人大統領に就く数年前までの27年間、往時の政府がとり続けたアパルトヘイト(人種隔離)に抵抗したため、投獄された
韓国の元大統領・金大中氏が強いられた悲惨も世界は忘れない。民主化運動弾圧に対する抵抗が罪とされ、一度ならず逮捕された。投獄・自宅軟禁は約10年に及ぶ。交通事故を装った暗サツ工作に遭ったり、シ刑判決を受けたりした
事故とシ刑判決にはさまれた拉致事件(1973年)も忘れられない。白昼の東京のホテルから当時の韓国中央情報部(KCIA)要員により韓国に拉致された。何度もシ線を越え、4度目の挑戦で大統領に選ばれた
北朝鮮で初の南北首脳会談を実現した時は世界をうれしく驚かせた。経済協力を柱にした柔軟姿勢が、かたくなだった金正日総書記をテーブルに着かせた。イソップ物語にある「北風と太陽」の太陽に例えられたことを思い出す
ノーベル平和賞を受賞したマンデラ氏は「民族融和の象徴」として、現在はユネスコ親善大使などを務めている。マンデラ氏から7年後にノーベル平和賞を受賞し、きのう訃報(ふほう)を聞いた金大中氏は、模索が続く「南北融和の象徴」として記憶されるだろう。
春秋 西日本新聞 2009年8月19日
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