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「日本語」ほかの人への迷惑を考える気持ちを一人ひとりの心に生み出していく・・・春秋 八葉蓮華

 東京都世田谷区が小・中学校で「国語」とは別に独自に教えている「日本語」教科の教科書のうち、小学校のものを先日紹介した。中学校も知りたい、との声が寄せられた

 中学校の授業風景は一変する。教科書は3冊ある。日本語を生んだ文化を継承する「日本文化」、文化を踏まえて深く考える態度を養う「哲学」、考えたことを表現する能力を育てる「表現」

 「表現」には新聞を読んで考えるページも設けた。記事は「北九州市モラル条例検討委員会は条例の概要を盛り込んだ提言書を市長に提出した」で始まる。「2007年1月18日西日本新聞朝刊より」とある

 この条例は公共の場での路上喫煙やポイ捨てなどをなくすのが狙い。教科書のなかでは、ある生徒の感想、考えが紹介されている。人が無関心に行き交う街なかでは「つい身勝手な行動になってしまうことがあるんだろうな」

 大人に尋ねると、「法律は粗い網のようなもの」で、そのすき間を埋めるのも市民のモラル、というふうにも言われた。自分の考えをこうまとめた。「条例が、ほかの人への迷惑を考える気持ちを一人ひとりの心に生み出していくことにつながればいいと思う」

 思いやりにあふれた社会が日本にはあった。日本語はそういう時代も滋養にして現在に至る。話を戻す。記事になった翌年春に条例は施行された。北九州のことを教科書で知った生徒たちに、成果も発信したい。

春秋 西日本新聞 2010年5月24日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
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畜産農家の苦悶、感染は広がり、冷たい視線にさらされ・・・春秋 八葉蓮華

 第一報を受けた英国のブラウン首相(当時)は夏休みを打ち切ってロンドンに戻り、首相官邸で緊急閣僚会議を招集した。家畜伝染病・口(こう)蹄(てい)疫(えき)に感染した牛が確認された2007年8月のことだ

 その6年前に英国は口蹄疫で悪夢を経験している。ピーク時には1日に数万頭の家畜をサツ処分する日が長く続いた。感染は周辺国にも広がり、欧州連合(EU)の中で冷たい視線にさらされた

 当時のブレア首相が「感染拡大を抑え込みつつある」と“終息近し”を宣言するまでに、発生から2カ月半かかっている。その後も感染が見つかり、実際に終息するまでにはさらに半年を要した

 最初の感染が確認されたあとの対応の遅れが被害を大きくしたとされる。被害を英国全土に広げたブレア政権は評判を落とした。6年後のブラウン首相の頭に最初に浮かんだのもそのことだったろう。二の舞いにはならずに済んだ

 宮崎県で被害が拡大中の2010年の日本では、感染確認後も外国訪問を続けたとの理由で農相が野党から批判されている。政府内では県の初期対応を批判する声が聞かれる。そんなことをしている場合か。畜産農家の苦(く)悶(もん)を和らげるために何ができるか知恵を出し合うのが先だ

 最悪となった英国の被害を頭に刻んでおこう。処分された家畜は約650万頭を数えた。人の移動が制限され、外国人観光客も減った。被害総額は日本円換算で約2兆円に及んだ。

春秋 西日本新聞 2010年5月22日
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ひげを禁止します「身だしなみ基準」不快感を与える、威厳を与える・・・春秋 八葉蓮華

 初夏。群馬県伊勢崎市は職員の服装をクールビズに切り替えることを伝える文書の中に、こう加えた。「ひげを禁止します」。市民に不快感を与える恐れがあるという

 今春、神戸地裁は郵便事業会社(日本郵便)の男性従業員の訴えを認める判決を言い渡した。男性は「ひげを理由に人事評価を下げられたのは違法」と損害賠償を求めていた。判決は会社側に37万円の支払いを命じた

 「身だしなみ基準」を掲げる会社側に対し、男性は「清潔に整えてきた」と反論してきた。伊勢崎市の場合は、ひげを伸ばした職員に個別に注意したことはあったが、明文化したのは初めて。現在、ひげを生やした職員はいないという

 先手を打ったのかもしれない。ひげを生やす人が世間では増えている。若い層に多い。野球のイチロー選手や水泳の北島康介選手らの影響もあるようだ。無精ひげふうに見せるのが今はカッコいいらしい

 ひげは男の「小道具」の一種といってもいい。政治家や文豪らには威厳を与える。スポーツ選手には粗野でたくましい雰囲気を付加する。普通の人でも変身の小道具になる。気分転換に使える

 公務員については別の議論になる、と伊勢崎市は言う。余談ながら、古い映画にはひげを生やしたお役人がしばしば登場する。ひげを生やして威張っていた人は実際にいたと聞く。今の日本にもいるというのであれば、その世界に限った禁止令も悪くない。

春秋 西日本新聞 2010年5月21日
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月形洗蔵と筑前勤王派「龍馬伝」に洗蔵も出てこないものか・・・春秋 八葉蓮華

 本紙文化面の連載随筆は今は作家の葉室麟さんが書いている。先日まで5回続いた月形洗(せん)蔵(ぞう)の話を楽しく読んだ

 幕末の志士である。薩長連合に道筋をつけた。福岡藩が生んだ傑物の一人だ。知る人は少ない。もっと知ってほしい。福岡県出身(西南学院大卒業)の葉室さんの手になる郷土の志士からは、そんな思いも伝わってきた

 「国定忠治」と並ぶ新国劇の代表作品「月形半平太」(行(ゆき)友(とも)李(り)風(ふう)作)のモデルのくだりも、心地よく読ませてもらった。いつだったか郷土史に詳しい人から月形洗蔵がモデルの一人か何かだと聞いた記憶があった

 全国的には土佐の武市半平太を思い浮かべる人が多い。折よく福岡市総合図書館で企画展示中の「月形洗蔵と筑前勤王派」のコーナー(8月1日まで)でも次のように説明されていた。月形半平太は月形洗蔵と武市半平太を組み合わせて創作された、と

 洗蔵は西郷隆盛と高杉晋作を会わせるなどした。坂本竜馬の仲介で薩長連合が成立する直前に38歳で刑シしている。葉室さんはこう結んだ。「竜馬は新しい時代の幕開けを告げる曙(しょ)光(こう)として、洗蔵は夜陰を照らす月のように時代を駆け抜けたのではないだろうか」

 図書館の企画展の年表を見ながら往時に思いをはせた。竜馬と洗蔵と武市半平太の名は重なるように出てくる。半平太も頑張っているテレビドラマ「龍馬伝」に洗蔵も出てこないものか、などと思ったりもした。

春秋 西日本新聞 2010年5月20日
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予防接種を受けた証明、何十年も前の「母子手帳」を出せと言われても・・・春秋 八葉蓮華

 現代の国民病というと、生活習慣病を代表する糖尿病から、春に列島中をくしゃみさせる花粉症まで、いくつも浮かぶ

 専門家はウイルス性肝炎も国民病と呼ぶ。B型肝炎とC型肝炎の患者・感染者は推定で計約300万人。国内最大の感染症とされる。慢性肝炎を経て肝硬変や肝がんに進行する危険をはらむ。生活習慣病と違って患者・感染者には被害者と呼ばれる人が含まれる

 被害は薬害肝炎訴訟でまず知られた。C型肝炎ウイルスに汚染された血液製剤が原因だった。B型肝炎集団訴訟の原告は「子どものころに受けた集団予防接種での注射器の使い回しが原因」と訴えた

 ともに国の責任が追及された。薬害C型肝炎訴訟は2年前に和解に基本合意し、国は救済に動いた。B型肝炎訴訟でも国は和解協議に入るという。その旨を九州訴訟でも一昨日表明した

 今回は難航が予想される。ここまでの国の態度がそう思わせる。救済の条件の一つとして、予防接種を受けた証明を母子手帳に求めてきた。何十年も前のものを出せと言われても…と原告は戸惑う。予防接種は長く義務付けられていた。受けたと考えるのが自然だろうに

 国は和解の具体案をまだ示していない。肝がんで余命3年と宣告されて1年が過ぎた九州訴訟の原告の1人は、記者会見で「協議が延ばし延ばしになると、私は生存していない」と涙にくれた。鳩山内閣が掲げる「友愛」の看板も泣く。

春秋 西日本新聞 2010年5月19日
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憲法改正の手続きを定めた国民投票法、日本の最高法規のこころ・・・春秋 八葉蓮華

 日本国憲法「前文」の方言訳について、昨年5月の小欄で紹介した。市民がインターネットを通して募った。47都道府県の訳が出そろったそうだ

 例えばこう始まる。〈わしら日本人はのぉ、主権はわしら国民にあるんじゃ言うて宣言してからに、この憲法を決めたんじゃ〉(広島)。列島の北から南に、つないで採録してみよう

 〈政府が持っている力は、国民が政府を信じているから預けてるんだべさ〉(北海道)。前文は長いので、はしょりながらの紹介になる。〈権力は国(こぐ)民(みん)の代表の人(し)達(だぢ)が使って、その利益はおらだが受け取ります〉(山形)

 高知県の41歳の山本明(あ)紀(き)さん(農業)が、自分のブログ上で呼びかけた。憲法を身近に感じたいと思う人の輪が広がった。さっき出てきた「利益の享受」は〈人間として変わることのない原理どす。この憲法はそないなことを基に…〉(京都)

 憲法改正の手続きを定めた国民投票法が、きょう施行される。憲法の理念が詰まった前文を味わい直す。〈日本国民ちゃ、ながさし続く平和を願っとっし〉(富山)。世界に手本を見せて国際社会で〈名誉ある地位を占めちゃをと思おちゅう〉(高知)

 世界中の人々が〈えずかこつやらひもじかこつやらの無かごつ〉(熊本)、等しく〈平和な暮らしをする権利があいんと認めやびん〉(沖縄)。9条と響き合う。方言に置き換えると、日本の最高法規のこころが見えてくる。

春秋 西日本新聞 2010年5月18日
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耳に優しい作り「ラジオ深夜便」静かな語りと、ゆったりと流れる音楽・・・春秋 八葉蓮華

 NHKの「ラジオ深夜便」を知ったのは、深夜勤務を終えて帰宅するまでの車の中だった。年配のタクシーの運転手さんが「これ、いいんですよ」と教えてくれた

 静かな語りと、ゆったりと流れる音楽が、「なるほど、いいな」と感じさせた。各地の暮らしの表情や、聴取者が手紙で寄せる日々の素朴な思いも淡々と紹介される。番組そのものがゆったりと流れているようだった

 番組はこの春「放送開始から20年」を迎えている。思えば、初めて聴いたのは20年近く前のことだ。耳に優しい作りが中高年層に評判になり始めたころだった。「これ、いいですよ」と薦める人を各地で増やしていたころでもあったろう

 番組名は企画段階では「深夜宅配便」などもあったそうだ。心の宅配便・深夜便を受け取りたくて聴く人が、昨年秋の調査では、どの時間帯も70万人いる計算という。放送中の聴取者数は延べ200万―300万人と推定される

 70代前後が多い。眠れない人、暗いうちに目が覚める人…。「眠くなったらお休みください。お目覚めになったらおつき合いを」。そんなふうに語りかけて始めるアンカー(進行役)もいた

 テーマ音楽もいい。その日その日の体のなかにたまったザラザラ感を消すように流れる。和風の曲と思っていた。曲名も作曲者も横文字であることを最近知った。きょう書いたことも、毎日5時間を超える番組のたぶん一部にすぎない。

春秋 西日本新聞 2010年5月17日
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ことばには力があります。日本語は日本の文化とともに受け継がれてきました・・・春秋 八葉蓮華

 春は夜が明け始めるころが一番いいわ、夏は夜よね、という感じのことを清少納言は〈春はあけぼの。(中略)夏は夜。〉と書いた

 秋は夕暮れ、冬はつとめて(早朝)と続く「枕草子」を、東京都世田谷区の子どもは小学4年で習う。区が3年前に小・中学校向けに創設した「日本語」という教科で教わる

 先日、区役所で教科書を買ってきた。小学校は2学年ごとに3冊ある。小林一茶の俳句で始まる「一・二年」用には道元の短歌も。〈春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり〉。孟(もう)浩(こう)然(ねん)の漢詩も。〈春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず…〉

 ページの端っこには「日本語の響きやリズムを楽しもう」と書いてある。「響きやリズムの美しさを味わおう」に変わる「五・六年」用には「平家物語」の名調子が加わる。〈祇園(ぎおん)精舎(しょうじゃ)の鐘の声、諸行(しょぎょう)無常(むじょう)の響きあり…〉

 世田谷区は6年前に政府から「『日本語』教育特区」に認定された。「国語」とは別に小学校では週に1時間教えている。難しい表現も構わずに教える。音読させ暗唱させる。響きとリズムを体で覚えさせる。日本語の力が身に付く基礎になると考えた

 どの教科書もこんな問いかけから始まる。「ことばには力があります。日本語は日本の文化とともに受け継がれてきました。私たちはことばを大切にしているでしょうか」。区役所の窓口の人は「区外から購入に来る人が増えました」と話していた。

春秋 西日本新聞 2010年5月16日
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感染拡大が止まらない「口蹄疫」ブランドを守るために種牛を保護・・・春秋 八葉蓮華

 松阪牛の産地・三重県松阪で肥育される子牛の「約半数は宮崎県産」ときのうの本紙にあった。高級和牛ではほかに佐賀牛などの産地にも宮崎県から出荷されているという

 宮崎で育てられた宮崎牛の評価ももちろん高い。2007年に鳥取で開かれた5年に1度の品評会、通称「和牛のオリンピック」(全国和牛能力共進会)は記憶に新しい。9部門のうち7部門で最高評価を得た

 家畜伝染病「口(こう)蹄(てい)疫(えき)」が宮崎県を襲った。感染拡大が止まらない。サツ処分対象の牛は6600頭を数える。豚は7万頭を超えた。1頭でも感染したら、同じ農場にいる全部が処分の対象となる

 伝染力が強いから拡大防止を最優先せざるを得ない。埋却場所を確保するのも大変らしい。牛であれ豚であれ、手塩にかけて育てた農家の無念を思う。「処分前にせめて腹いっぱい食べさせてやりたい」。悲痛な声が漏れ伝わった

 宮崎県は県家畜改良事業団が飼育する宮崎牛の種牛のうち、とくに重要な働きをしている6頭を域外に避難させた。1頭でも感染すると全部処分しなければならない。ブランドを守るために種牛を保護してほしい、との声が各地から寄せられた

 農家の苦(く)悶(もん)を知った人からの義援金も届き始めた。ふるさと納税制度を利用して「宮崎のために」とお金を寄せる人もいる。個人にできることは限られる。激甚災害に等しい被害を受けた地域の保護は、国にしかできない。

春秋 西日本新聞 2010年5月15日
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サッカー選手を夢見る、ワールドカップ(W杯)でまだ勝ち星がない・・・春秋 八葉蓮華

 この春、小学校に入学した子どもたちに「将来どんな職業に就きたいですか」と尋ねたところ、男の子は「スポーツ選手」が1位だった

 ランドセルの素材も作るクラレが毎年調査している。「スポーツ選手」の1位は12年連続。内訳は次のようになっている。サッカー選手(50%)、野球選手(31%)、レーサー・ライダー(4%)…

 12年間、サッカーと野球の順位も変わっていない。差は年によって違う。今年はかなり開いた。ここからは調査を離れる。サッカー選手を夢見る少年が、野球選手を夢見る少年をうらやましく思うことが、ひとつある

 日本の野球は、世界一をかけたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を連覇した。日本のサッカーは、海外でのワールドカップ(W杯)でまだ勝ち星がない。こんどはどうか。W杯南アフリカ大会が1カ月後に始まる

 日本代表の23人が発表された。少年ファンがあこがれる名前が並んだ。英国で活躍してきた中村俊輔選手がいる。ロシアで活躍中の本田圭佑選手もいる。九州の高校から国内のJリーグに羽ばたいた選手も4人いる

 長友佑都選手が相手から奪ったボールを、遠藤保仁選手と松井大輔選手がつないで大久保嘉人選手がゴールを決める。そんな「九州勢の得点による勝利」も、サッカー選手を夢見る九州の少年たちに見せてやりたい。夢の大きさが野球に少しでも追いつくW杯になればと思う。

春秋 西日本新聞 2010年5月12日
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「岩屋湧水」水もうまいが、新緑でろ過された山あいの空気もうまい・・・春秋 八葉蓮華

 「福岡」ナンバーのほかでは、県境が近い「大分」ナンバーが多い。本州からの車も見た。大型連休に九州を巡り、広島に帰るという家族連れは「こんなお土産もいいかなと思って」と話していた

 福岡県東峰村にある「岩屋湧(ゆう)水(すい)」の小さな駐車場は水をくみに来た車で込んでいた。昨年末から有料になった。行列ができても平気でくみ続ける人がいたりしたためだ。今は1回につき100円で30リットル

 案内板に「硬度30度の軟水」とある。くせがなくてまろやか、との評判が口コミで広がったのが、人気の最初だった。一昨年、環境省の「平成の名水百選」に選ばれて人気が高まった

 JR日田彦山線・筑前岩屋駅の脇にある。駅から見える釈(しゃ)迦(か)岳(だけ)トンネル(4378メートル)の中央付近に水源があり、配水管で引いている。もともと簡易水道の水源だった。7年前に観光資源として水場が整備された。湧水量は1日約1万5千トン

 余談ながら、釈迦岳トンネルは九州に新幹線が通るまでは九州で最長だった。1956年に完成している。掘り進んだとき釈迦岳の豊富な水脈に当たって湧(わ)き出た。岩盤でろ過されて今も湧き続ける

 景色もいい。岩屋湧水の少し先には石積みの棚田が広がる。駅の横には渓流もあって、そのせせらぎと鳥のさえずりを聞きながら味わう「名水」は格別だった。水もうまいが、新緑でろ過された山あいの空気もうまい。村ではもうすぐホタルが舞う。

春秋 西日本新聞 2010年5月11日
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うなる演歌でデビューして「いつまでも」今も元気いっぱいに歌っている・・・春秋 八葉蓮華

 春の褒章受章者に都はるみさん(紫綬褒章)の名前があった。うなる演歌でデビューして、はや46年。歌う世界を広げた62歳の今も元気いっぱいに歌っている

 受章のコメントには「多くの皆さまが私の歌を聴いて、歌って、応援していただいたからこその受章」とあった。「応援していただいている人」にはあの人も含まれているんだろうな、と思った

 故人となったその人のことを語った2005年の記事を見ながらきょうは書いている。ある朝、ケーブルテレビが「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」を放映していたという。話はそこから始まる

 マドンナ役で出た映画を、完成当初は恥ずかしくてまともに見ることができなかった。その日は違った。見ているうちにメロディーが浮かんだ。初めて作曲した。直後のコンサートでも歌った。曲名は「いつまでも」

 この映画に出たころはデュエット曲「浪花恋しぐれ」がヒットし、多忙を極めていた。演じた人気演歌歌手と重なるところがあった。映画では私生活との板挟みで公演先で失跡し、佐渡島で寅さんと出会っていやされる

 ロケ中は寅さん一家が何かと温かく迎えてくれた。渥美清さんは以前からはるみさんのファンで、公演会場にもよく一人で出かけた。「(はるみの)右の肩に歌の神様がついているから、背中を押されて歌わされちゃうんだよ」。人づてに聞いた言葉をいつまでも大事にしているそうだ。

春秋 西日本新聞 2010年5月10日
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英国総選挙「ダウニング街10番地」過半数を取った政党はない・・・春秋 八葉蓮華

 英国の作家ジェフリー・アーチャーさんの小説「めざせダウニング街10番地」が日本でもベストセラーになって20年以上が過ぎた。ロンドンのダウニング街10番地にある首相官邸の主を目指して競う男たちの物語だった

 日本人にとっては英国の政治を理解する手助けにもなった。二大政党のことがよく分かった。下院では剣の長さを隔てて向き合い、議論する様子もリアルに描かれていた。アーチャーさんはもともと下院議員だった

 作中で首相を競うのは、貴族階級から労働者階級まで出身が三様の3人(保守党2人、労働党1人)。総選挙で二大政党の議席が同数になったため、国王が首相を選ぶ。そういうストーリーだった

 2010年の英国総選挙も、国王の出番を考えたくなるような結果になった。第三極の自由民主党を含めた3党党首が競い合った末、過半数を取った政党はない。実に36年ぶり。二大政党のうち、自民党と連立できるのはどっちか

 投票直前に毎日新聞がアーチャーさんにインタビューしていた。連立により自民党が党是とする比例代表制が導入されれば「自民党は10年で政権を取る」と予測する。第1党になった保守党は「今回政権を取れないと今後100年間は無理」とも

 「めざせダウニング街10番地」には意外な結末が後味よく用意されていた。ダウニング街10番地を目指す党が増えた現実の英国には、どんな展開が待っているのか。

春秋 西日本新聞 2010年5月9日
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「ギリシャ悲劇」巨額の財政赤字と政治の怠惰とくればよそごとではなくなる・・・春秋 八葉蓮華

 ギリシャの首都の劇場遺跡では現代でも古代劇が上演される。この国の古代劇は欧州演劇の源流になった。喜劇もあるが悲劇のほうが知られている

 福岡市総合図書館の蔵書検索システムで「ギリシャ(ギリシア)悲劇」で検索すると、50冊近くあった。その一つ「ギリシア悲劇―神々と人間のドラマ」(山内登美雄著、新曜社)にはこんな内容紹介が付いている-

 「文明がいかに発達しても、人間はその能力の限界を自覚せざるを得ない。その限界性ゆえに世界は悲劇に満ちている」。いま世界を不安にさせているギリシャ発の金融危機にダブらせることもできそうだ

 “震源”国の混迷は巨額の財政赤字に起因する。政府は緊縮策に転じた。給与に響く公務員らはゼネストで対抗し、一部が暴徒化して犠牲者も出た。財政再建策は評判が伴わず、ユーロ安と世界的株安も招いた

 古代のギリシャ悲劇は三つの悲劇と一つのこっけいな劇をつなげて上演された。こっけいに通じる光景は現代の政治の世界でも見られた。EUからの補助金がしばしば流用されたという。今回の複数の暗いニュースにそれを加えたら現代版ギリシャ悲劇が出来上がる

 古代ギリシャの哲人は人間の英知を代表した。同じ国の現代の政治家には怠惰や放漫で語られる部分が多かったようだ。巨額の財政赤字と政治の怠惰とくればよそごとではなくなる国もあろう。日本がそうでなければ幸いだ。

春秋 西日本新聞 2010年5月8日
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日本国憲法は前文と103の条文から成る・・・春秋 八葉蓮華

 日本国憲法は前文と103の条文から成る。国のかたちについて一家言持つ放送作家の永六輔さんは、ラジオの深夜番組で、2時間45分かけて全文を朗読したことがある

 永さんは自分を「改憲論者」と呼ぶ。9条を守ろうと呼びかけてきたことを知る人は、少し驚く。改憲論者にもいろいろある。「僕は日本国憲法を9条と99条の二条だけにしろという改憲論者」

 眠るようにシにたいから、と言う。「インドで見かけるような薪の音、風が渡る中で灰になりたい」とも。平和でなければかなわない。平和を守るために改憲を、と全文を朗読した時に確信した(藤原書店刊「いのちの叫び」から)

 9条に書かれていることを知らない人はいない。99条はどうだろう。「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」

 国家をなす者は憲法を守れと書いてある。そもそも憲法は法律とは趣が違う。法律は、こうしなさい、こうしてはいけない、と国民に言っている。憲法は役人や政治家を戒めている。「憲法は聖徳太子の昔から、読ませるべきは役人」と永さん

 全文を朗読した時、聴取者からの問い合わせが絶えなかったそうだ。聞いただけでは理解できない日本語があるらしかった。平易な表現に変えたほうがいいと思った。「改憲」論を突き詰めると「9条と99条だけで十分」ということになったのだろう。

春秋 西日本新聞 2010年5月3日
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スポーツ「囲碁」頭脳を酷使し、目の前の相手と勝ち負けを決する・・・春秋 八葉蓮華

 今年11月に中国広州市で開催されるスポーツの「第16回アジア大会」に、「金メダルを取るつもりで派遣したい」と全日本囲碁連合の大竹英雄会長(日本棋院理事長)が先日、記者会見して語った

 プロのタイトル保持者や賞金ランキング上位者を検討中。報じた記事は、囲碁が昨年春に正式種目に採用されていたことにも触れていた。チェス競技の1種目としての扱いという

 開催国の意向で中国将棋(シャンチー)と一緒に採用された。囲碁の試合形式は男女の各団体戦と、男女が交互に打つ混合ダブルスがある。なんだかテニスのよう。プロも参加できる。選手団は最大10人が見込まれる

 囲碁はスポーツか。疑問に思う人もいるだろう。国語辞典で「スポーツ」を引いてみた。「遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称」(広辞苑)とある。定義を知れば違和感は薄まる

 「頭脳スポーツ」とも言う。西洋ではチェスが頭脳スポーツを代表する。頭脳を酷使し、目の前の相手と勝ち負けを決する。日本の囲碁棋士の場合、対局で1―2キロは体重を減らすと聞く。盤上の格闘技といってもいい

 中国では囲碁の所管官庁は国家体育総局らしい。日本の所管は文化庁だ。囲碁は文化に根差すと考えられてきた。それはそれとして、近年の国際棋戦で日本の成績が悪いのは、かねてしゃくの種だった。メダルがかかった大会で芸が力を制する場面を見てみたい。

春秋 西日本新聞 2010年5月2日
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迷走、国民はひどい船酔いでダウン寸前「移設問題」日米関係に新たな一歩を・・・春秋 八葉蓮華

 子どものころ切手を集めた。よく覚えている絵柄の一つに咸臨丸がある。日米修好通商100周年の記念切手だった。太平洋の荒波を渡る姿が勇ましかった

 勝海舟を艦長とする幕府軍艦咸臨丸が太平洋を往復して今年で150年になる。日本の船としては初の壮挙だった。修好通商条約の批准書を交換するための遣米使節団を乗せた米軍艦に随伴した

 同じ海路を今、大型の練習帆船「海王丸」が米西海岸を目指し航海中。150年を記念して独立行政法人・航海訓練所が企画した。咸臨丸乗組員の子孫も同乗している。19世紀と景色も荒波も変わらぬ航海を想像するだけでも楽しい

 海王丸は出港から1カ月後の今月5日に到着予定。咸臨丸の航海は38日間だった。日数は大して違わないが、当時は難行苦行だった。米国に渡ったことがあるジョン万次郎のほかは、海舟も福沢諭吉もほとんど船酔いでダウンしたと伝えられる

 戯画風に継いで言うなら、あれから1世紀半を経た日米関係に新たな一歩を、と勇んで船出した「鳩山丸」は、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題をめぐって行きつ戻りつの迷走が続く。国民はひどい船酔いでダウン寸前

 3本マストの咸臨丸はオランダ製の頑丈な木造蒸気船だった。目的地もはっきりしていた。翻って鳩山丸は、造りの安普請に加え、航海図を持っているのかどうかさえ怪しい。決着の期限として約束した運命の5月が始まる。

春秋 西日本新聞 2010年5月1日
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「起訴相当」御所柿は独り熟して落ちにけり 木の下に居て拾ふ・・・春秋 八葉蓮華

 幕末。〈泰(たい)平(へい)の眠りをさます上喜撰 たった四はいで夜も寝られず〉。ペリーが率いる4隻の軍艦で大騒ぎとなったさまを風刺した。お茶の銘柄を蒸気船に引っかけている

 詩歌に形を借りて世相や権力を風刺したものを「落(らく)首(しゅ)」と呼んだ。時代をさかのぼって「大坂の役」の前には、家康を柿に例えたこんな落首も。〈御所柿は独り熟して落ちにけり 木の下に居て拾ふ秀頼〉。そうはならなかったが…

 落首と同じ趣旨の文書は「落(らく)書(しょ)」だ。「二条河原の落書」が有名。14世紀の建武新政府下の混乱をやゆして〈此(この)比(ごろ)都ニハヤル物 夜討強盗謀(にせ)綸(りん)旨(じ)〉で始まる。七五調の歌謡形式を基本とした

 風刺の形式は時代とともに変わる。現代では歌は歌でも替え歌の形も取る。政治の激変と混乱の両方の中心にいる小沢一郎・民主党幹事長の秘書問題を扱った替え歌が今、一部ではやっていると聞く

 「捕まってはいけない」「金はうまく作れ、帳簿はきれいにしろ」。さだまさしさんの「関白宣言」の替え歌とか。一昔前には、五木ひろしさんの「よこはま・たそがれ」を元歌にした替え歌があった。「自民党、たそがれ、口利き政治、丸投げ…」

 政治のたそがれた風景に民主党はさよならできたのだろうか。小沢幹事長の資金管理団体の収支報告書虚偽記入事件で、幹事長を「起訴相当」とした検察審査会の議決は、決別できていませんね、と言っているようにも思える。

春秋 西日本新聞 2010年4月29日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

子どものために“いいこと”に変わってびっくり・・・春秋 八葉蓮華

 地球に生命が存在する証しを、宇宙から見て実感できるものが陸と海に一つずつある、と宇宙飛行士の毛利衛さんは言う。お分かりですか。陸は植物、海は動物だ。「森林とサンゴ礁です」

 30年前のヒット曲「青い珊(さん)瑚(ご)礁」が昨年、CMで流れていた。サンゴ礁の色はやっぱりそうでなくっちゃ、と思ったことだった。白化現象が日本でも問題になって久しい

 子どものころに見た美しいサンゴ礁を自分の子にも見せてやりたい、と考えた人がいる。沖縄の金城浩二さん。商売をやめ、借金をこしらえて実行した。やった人がいない方法で挑んだ

 屋内でサンゴを養殖して、海に移植するのだ。技術的困難を乗り越えて産卵させた。漁業関係者との確執も乗り越えた。妻が支えた。金城さんは2007年度の「人間力大賞」(日本青年会議所など主催)を受賞した

 子どものためにと、それだけを思ってやったことが「“いいこと”に変わってびっくりした」と金城さん。現在も続く物語が映画になった。タイトルは「てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡」。てぃだは沖縄方言で太陽を指す。全国で公開中

 ナインティナインの岡村隆史さんが演じる主人公は言う。「山に木を植えるように、海にサンゴを移植したいわけよ」。子どもたちはこう言って励ます。「お父さんが好き! ビン乏でもさあ、海をピカピカにするお父さんが…」。言葉も太陽のようにまぶしい。

春秋 西日本新聞 2010年4月28日
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昔のことのように思ってはいけない「ピーク越え」宣言を見送ったまま・・・春秋 八葉蓮華

 ゴールデンウイークが近い。昨年の大型連休前は、気分はそれどころではなかった。どこに行こうかということより、どうすれば新型インフルエンザにかからずに済むか、を考えるのが先だった

 昨年のきょうは、世界保健機関(WHO)が警戒レベルを引き上げた。その翌日には日本政府が新型インフルエンザ発生を宣言している。成田など3空港での機内検疫開始に伴う騒動を、きのうのことのように思い出す

 昔のことのように思ってはいけない。世界的には感染拡大の恐れがまだあり、WHOは「ピーク越え」宣言を見送ったままだ。日本での沈静化についても「第1波は」(厚生労働省)のただし書きが付く

 この1年を数字で見ておこう。感染は214カ国・地域で確認され、1万7千人以上がシ亡した。日本の患者数は2千万人強で、シ者は200人弱。致死率でみると米国などに比べてかなり低い

 重症化を防ぐために医療現場が適切、かつ献身的に対応したということだろう。国民の意識も高かった。国の対応が万全だったかどうかは検証が要る。病原性の強いウイルスではなかったのは幸運だったと専門家は言う

 第2波以降で毒性を増す可能性が指摘されている。かつてのスペイン風邪は第2波以降で犠牲者が増えた。流行の時期については、夏は通常は流行しにくいのに昨年の日本は違っていたこともこの際思い起こしたい。備えを忘れずにいよう。

春秋 西日本新聞 2010年4月27日
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ジレンマを生きて挑戦せよ「日本の次世代リーダー養成塾」極めないと超えられない・・・春秋 八葉蓮華

 毎年夏になると福岡県宗像市の緑の中で「日本の次世代リーダー養成塾」が開かれる。全国から参加した高校生が2週間、学者や経済人、芸術家らの講義を受ける

 どんな話が聴けるのだろう。一部を新聞で読みながら、もっと聴けたらなあ、と思ったことがある高校生もいるのではないか。そういう人のために、少し詳しく紹介する

 「(現在の岩手県花巻市の)私の実家のすぐそばに宮沢賢治の生家がありました」。講師は宗教学者の山折哲雄さん。若き賢治が農学や地学、天文学などを勉強したことに触れたあと-

 職業的な作家や詩人にならず、教師としても自然科学者としても農業指導者としても自分を定めず、手帳に残した「雨ニモマケズ」のなかでデクノボウと呼ばれたいと書いて逝った賢治は「一体何になろうとしたのでしょう」

 山折さんの講義をまとめた「17歳からのシ生観 高校生との問答集」(毎日新聞社)から紹介している。「すべてのものになろうとしたんだね、賢治は」と講師は言う。ン? という顔の高校生に次のように続ける

 「現代社会では専門家にならなければ諸君は何者でもない」「専門を極めただけの人間であってもつまらない」。極めないと超えられない。「ジレンマを生きて挑戦せよ、宮沢賢治を手本にして」と山折さん。80年前の手帳に残された詩を読み返すと、こんな時代だからこそいてほしいリーダー像も見えてくる。

春秋 西日本新聞 2010年4月26日
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