カレンダー

01 | 2010/02 | 03
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 - - - - - -

最新記事

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

源氏物語の世界もかくや、長く伸ばした髪が碁盤に触れそうな打ち姿・・・春秋 八葉蓮華

 「源氏物語」には囲碁を打つ場面が時々出てくる。2人の女性が打っているのを光源氏がすだれのすき間からこっそり見る場面もある

 「そこは持(じ)(セキ)でしょ。こちらの劫(こう)を先に片づけましょう」「ここは何目かしら、どれどれ」。そんな会話も2人は交わす。紫式部も囲碁を打ったという。今で言えば初段クラスだったのでは、とみる研究者もいる

 百科事典などによると、囲碁は遣隋使の時代には伝来していたとされる。「枕草子」を書いた清少納言も打ったようだ。時代を下って江戸時代の有段者一覧表には女性の名も見られる。女性同士が碁盤をはさむ姿は浮世絵にも描かれている

 歴史に教わるまでもなく、現代のプロ囲碁棋士の世界で女性が活躍の場を広げても何の不思議もない。囲碁界では男性も女性も区別しない。女性棋士もすべての公式戦に出場資格を持つ。勢力図では男性のほうが上を行くが…

 先日、女性が記録をつくった。小学5年生の藤沢里菜さん(埼玉県出身)が史上最年少で棋士試験に合格した。プロになる今年4月時点での11歳6カ月は、趙治勲25世本因坊が持つ11歳9カ月を42年ぶりに塗り替える

 父親も現役棋士で、祖父は盤上の芸を追求した藤沢秀行名誉棋聖(昨年没)。伝説の碁打ちの孫は「最年少記録は狙っていました」とあっさり言う。長く伸ばした髪が碁盤に触れそうな打ち姿は、源氏物語の世界もかくや、と思わせる。

春秋 西日本新聞 2010年2月22日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
スポンサーサイト

21世紀のサーカス「シルク・ドゥ・ソレイユ」文明開化の一光景・・・春秋 八葉蓮華

 幕末に外国からやってきたのが日本におけるサーカスのはじまりといわれる。人や動物の曲芸に明治、大正、昭和それぞれの演出を加えてサーカス史を彩った

 明治初めには文明開化の一光景として錦絵に描かれた。文学作品にも出てくる。川端康成が小説家として世に出たのは、大正期のサーカスを書いた作品が菊池寛に認められたのがきっかけだった

 川端の小説のタイトルは「招魂祭一景」(大正10年作)。靖国神社の祭礼に合わせて境内で催されたサーカスに題を取った。サーカスは列島各地の祭礼との結び付きを増やしながら日本的風景の一つになっていった

 「祭礼とサーカス」は今はセピア色に変わった。21世紀、平成のサーカスにはどんな背景が似合うだろう。などと考えながら、カナダに本拠を置く「シルク・ドゥ・ソレイユ」(太陽のサーカス)の「コルテオ」福岡公演(4月4日まで)を見た

 観(み)た、と書きたくなる。舞台上のセットと音楽と衣装は劇を思わせる。「コルテオ」は老いた道化師の回想を中心に物語が進む。福岡に来るまでに東京、大阪、名古屋で計約130万人を集めた

 夜の公演を見て会場を出ると、一帯は新築ビル群の明かりが連なっていた。東区千早の特設会場(JR・西鉄千早駅西口)周辺では大規模再開発が進行中。香椎操車場跡を雑草が覆っていた時代を知る人は浦島太郎になる。21世紀のサーカスの舞台にふさわしい。

春秋 西日本新聞 2010年2月21日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

黒澤明監督、生誕100年、記念館建設、幻と消える・・・春秋 八葉蓮華

 今年は黒澤明さん(1910―98)の生誕100年にあたる。世界的な映画監督をしのぶ企画が国内外で予定されている

 発信地のひとつに九州もなるはずだった。佐賀県伊万里市に黒澤明記念館を建設することが決まって久しい。実現は延び延びになり、「2010年までには」と黒澤明文化振興財団(黒澤久雄理事長)は説明してきた。着工の気配はまだない

 黒澤さんは九州をたびたび訪れた。晩年の大作「乱」のロケ地にも選んだ。佐賀に立ち寄った時、夕日に魅せられた。記念館を造ってもらえるとしたらこういう所がいいと話していた

 夕日が美しい伊万里湾に面した一角に記念館を建設するために財団はできた。親交があった米国の映画監督スピルバーグさんらも役員になった、ともされていた。世界がうらやむ計画のように見えた。幻と消えるのか

 本紙が「企業、個人からの寄付金約3億8千万円が不明」と先月下旬に報じた。それまで財団は全額凍結(保管)している旨を地元に説明していた。怪しげな説明は、黒澤作品「羅生門」で語られる「藪(やぶ)の中」的な状況を思わせた

 きのう、理事長と常務理事が伊万里市を訪れ、「実は」と報告した。「全額凍結」は虚偽だった。市内にある仮施設(黒澤明記念館サテライトスタジオ)の運営経費に大半を使ったらしい。それでも計画の実現には意欲を示した。泉下の大監督をも驚かす脚本があるのだろうか。

春秋 西日本新聞 2010年2月20日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

生活感がにじむ人情仕立て、情を欠きがちな現代社会には心地よい・・・春秋 八葉蓮華

 俳優の藤田まことさんが76歳で亡くなった。ドラマをもっと見たかった。まだまだ楽しませてくれてもよかった

 テレビ史に残るはまり役を複数持つ、まれな役者だった。70年代に始まった時代劇「必サツ」シリーズの中村主水(もんど)役と、80年代に始まった「はぐれ刑事純情派」の安浦刑事役がすぐに浮かぶ。悪を裏と表で懲らす正反対の役柄を藤田流で演じ分けた

 主水と違い安浦刑事は現実にいそうな気がする。撃ち合ったりはしない。罪を憎んで人は憎まず。ドラマの隠れた主役は人情だった。生活感がにじむ人情仕立てが、何かにつけ情を欠きがちな現代社会には心地よい

 現実にいそうな刑事は、いてほしい刑事でもある。歴代の国家公安委員長のなかには「これからの警察はドラマの安浦刑事のような警察官を大切にしていかなければならない」と説いた人もいたそうだ

 藤田さんは私生活では苦労人だった。親族が事業に失敗して巨額の負債を負った。自宅を売り払い、懸命に働いて返済した。その姿を見た債権者が、仕事を世話して応援したり、娘さんの結婚式にそっと祝儀を包んだり…、そんな話が漏れ伝わる

 実人生をダブらせると安浦刑事役は味わいを増す。思えばその役者人生はテレビ草創期の「てなもんや三(さん)度(ど)笠(がさ)」でのお笑いから出発した。主水を経て得た人情刑事の最終回スペシャルが放送されたのはつい最近のことだ。すべてを演じ終えたのだろう。

春秋 西日本新聞 2010年2月19日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

ひらがなで表記「障がい」そのこと自体に意味がある・・・春秋 八葉蓮華

 2006年に施行された障ガイ者自立支援法は13年までに廃止となる。福祉サービス利用時の1割負担がつまずきのもとだった。国が言う「応益負担」は重度の人ほど負担が重くなる、などとして違憲訴訟が相次いだ

 自立支援法に代わる制度については昨年末に政府内にできた会議で議論される。メンバーの半数はさまざまな障ガイ者団体の代表だ。障害者を抜きに議論されがちだったこれまでの流れを反省した

 会議の名は「障がい者制度改革推進会議」。害の字をひらがなで表記したのは政府の会議では初めて。改革推進本部の本部長を務める鳩山首相は「そのこと自体に意味がある」と述べた

 機関紙などで「障がい」と書く団体が少なくない。辞書を引くと、「害」はわざわいの意味を含む。福祉関連の部署名を「障がい」とする自治体もある。佐賀県の古川康知事は一昨日の記者会見で…

 政府の「障がい者制度改革推進本部」に対して、「障碍(がい)」と表記するよう求めていくことを明らかにした。障碍と書いた時代があった。「碍」にはさまたげの意味があるが、わざわいの意味はない。ひらがな交じりは「漢字文化の観点などから好ましくない」と言う

 折しも常用漢字の見直しを議論中の文化審議会・漢字小委員会には、「碍」の追加を求める声が多数寄せられた。障ガイ者をめぐる社会の風景が変わっていくのを感じる。障ガイと書くのがもどかしくもなってくる。

春秋 西日本新聞 2010年2月18日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「屈辱は一生消えない」取り調べの「可視化」実現を・・・春秋 八葉蓮華

 「足利事件」の再審公判が結審した。無期懲役刑で服役中に釈放された菅家利和さんが無罪であることを検察側は認め、謝罪した。来月26日、逮捕から18年後に無罪判決が言い渡される

 6回にわたった再審公判で捜査当局への怒りを口にしてきた菅家さんは、その合間には各地の集会に招かれた。取り調べの「可視化」実現を求める集会だ。冤(えん)罪(ざい)を生まないためには録音・録画するしかないと思っている

 菅家さんと一緒に可視化を訴え続ける人がいる。大阪府枚方市の元副市長、小堀隆恒さん。副市長だった2007年春、市発注の清掃工場建設工事をめぐる談合事件で大阪地検に逮捕された。身に覚えはなかった

 小堀さんによると、検事は「二度と枚方に住めないようにしてやる」とどなり、パイプいすをけ飛ばしたりした。持病があったが配慮してもらえず、おむつをはかされた状態で取り調べを受けたという

 「屈辱は一生消えない」とつづった書簡を昨春、枚方市議会に提出した。その少し前に出された地裁の無罪判決に地検は控訴せず、無罪が確定していた。副市長職を追われた悔しさにも触れた書簡は議会で朗読された

 小堀さんや菅家さんが招かれる集会には政治家の姿もある。民主党は可視化を政権公約に掲げた。同党国会議員の逮捕などで議論が一時ねじれたが、もともと可視化法案は今国会に提出予定だったと聞く。まだ提出されないのだろうか。

春秋 西日本新聞 2010年2月17日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「龍虎図屏風」古来、人は何かにつけ竜と虎に事寄せた・・・春秋 八葉蓮華

 勢いのすさまじいさまを「竜虎の勢い」と形容する。実力が伯仲した強者が相対して戦うさまを「竜虎相搏(う)つ」と言う。古来、人は何かにつけ竜と虎に事寄せた

 対(たい)峙(じ)する竜虎を日本的な風景のなかで描くとこうなる、という絵画を、九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開催中の「京都 妙心寺―禅の至宝と九州・琉球」展(2月28日まで)で見てきた

 風雨とともに舞い降りる竜と、竜に向かって咆(ほう)哮(こう)する虎を、桃山時代を代表する絵師・狩野山楽が「龍虎図屏風(びょうぶ)」(六曲一双)で左右に配した。ポスターなどでは虎の部分が紹介されることが多い。今年は寅(とら)年である

 2010年は竜にも目が行く。大河ドラマは竜馬をやっている。今年は竜虎が相まみえる巡り合わせのようだ。などと思いながら竜虎図の前に立つと、感じるものがあった。感じたのは、一陣の風

 竜が起こす風が熊笹(くまざさ)や竹葉を揺らしている。屏風の前の空気も揺らす。そんな趣。話はそれるが会場では禅について書かれたカードがもらえる。「禅と竜」というのもある。雲を起こし雨を降らせるといわれる竜は「法の雨を降らせ、仏の教えを広める」とされている

 屏風に話を戻せば、竜の下方では梅が枝を広げて揺れている。老梅が竜に変わる故事もあるそうよ、と絵の前で誰かが連れの人にささやいていた。博物館を出ると太宰府天満宮の境内の方からゆるく吹き渡る風が梅の香りを運んでいた。

春秋 西日本新聞 2010年2月16日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

サラリーマン川柳、エコライフ行かず動かず何もせず・・・春秋 八葉蓮華

 〈ただいまは犬に言うなよオレに言え〉(さらば地球)。先日発表された第23回サラリーマン川柳コンクール(第一生命保険主催)の入選作で日々のあれこれを笑いにまぶそう(カッコ内は雅号)

 ただいまを言った夫が〈帰宅してチューはされずにシューされる〉(バイキンマン)のは今や珍しくない。〈おかえりと笑顔で言われ身構える〉(窮(きゅう)鼠(そ))人もチラホラ。そんなオレに誰がした

 新型インフルエンザはこんな光景も生んだ。〈手抜きしてマスクの下はノーメイク〉(別人28号)。夫は〈インフルで会社を休むも支障無し〉(名ばかり管理職)。部下は〈マスクして咳(せき)して上司遠ざける〉(小林一緒)

 新型インフルは世界的にピークを過ぎたようだが、リストラ風はまだやみそうにない。〈ほめ上手君なら他社でがんばれる〉(紙風船)。ものは言いよう。〈「先を読め!」言った先輩リストラに〉(山悦)

 目を移せば政界には寒風が吹く。〈膏薬(公約)はツボを外して効き目なし〉(春が来た)はいまに始まったことではないけれど…。それにつけても〈仕分け人妻に比べりゃまだ甘い〉(北の揺人)

 政府以上に厳しい家計の仕分け作業はまだまだ続く。こんなはずではなかったわと〈遠き日の密約メモを探す妻〉(おくの細道)。夫は〈エコライフ行かず動かず何もせず〉(後始末)、じっと手を見る。〈つきつめて理想の父が犬になり〉(いじまろ)

春秋 西日本新聞 2010年2月15日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

人々に慕われながら活動中、豊かな水がこの国に平和をもたらす・・・春秋 八葉蓮華

 20世紀前半の台湾と朝鮮半島で人々に慕われた2人の日本人について2回続けて書いた。世紀が替わった同じアジアの一角で、人々に慕われながら活動中の日本人のことを書きたくなった

 アフガニスタン東部で井戸を掘り続け、水路を巡らし続ける中村哲さんだ。掘った井戸は1500を数え、巡らした農業用水路は25キロに及ぶ。先日の水路完工式には州知事ら約200人が出席した

 非政府組織(NGO)ペシャワール会(事務局・福岡市)の医師として、無医地区での活動を目的に1980年代半ばに赴いた異国で、干ばつと戦火で乾き荒れた大地を前に「水が先だ」と思い立って10年になる

 もとより土木は知識も経験もない。独学で勉強しつつ専門家の知識を借り、現地の人々に労力を与えてもらった。2003年から取り組む用水路建設では、取水堰(ぜき)に筑後川での伝統的工法を採り入れた。中村さんは福岡県出身だ

 仲間の伊藤和也さんが拉致・サツ害される事件も起きた。中村さんは日本人として一人残った。完成した水路は約3千ヘクタールの田畑をよみがえらせ、15万人が暮らせるようになったという。日本から輸入した種でスイカの産地になった地域もある

 命を奪う戦争では平和はもたらせない。その信念で井戸を掘ることから始め、多くの命を潤してきた医師の、水路完工式での言葉から-。「豊かな水がこの国に平和をもたらすという模範になることを望む」

春秋 西日本新聞 2010年2月14日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

頌徳碑「朝鮮で聖者と呼ばれた日本人」徳を語れる人が日本にいない・・・春秋 八葉蓮華

 帯書きに「朝鮮の“八田與(よ)一(いち)”の熱誠・無私の半生」とある新刊本が送られてきた。台湾で銅像が立つほど敬愛された土木技師八田についてきのう書いた。同じような日本人が同じ20世紀前半に朝鮮半島にもいた、という

 書名は「朝鮮で聖者と呼ばれた日本人」(田中秀雄著、草思社)。日本統治時代に、農民のための朝鮮金融組合の理事として派遣され、寒村の振興に尽力した重松〓(〓は左が「高」右が「昇」)修(まさなお)(1891―1975)の物語だ

 主舞台は戦後北朝鮮になった平安南道。貧しい村の副業として養鶏を試みることから始めた。私財を投じた。最初は冷笑していた人たちも、卵の代金を貯金すれば牛や豚が飼えることを学んでいく

 「卵の貯金」で購入できるものに農地などが加わった。結婚資金や就学資金としても役立てられるようになった。1936(昭和11)年、村の人々は重松の名を刻んだ頌徳碑(しょうとくひ)を建てた

 京城(現ソウル)で終戦を迎えた重松は、多くの日本人官公吏と同様に逮捕された。彼を取り調べた検事は、書記に用事を言いつけ、2人だけになった部屋で言った。「私を覚えていませんか。先生の『卵の貯金』で学校に行った○○ですよ」。間もなく帰国し、郷里の愛媛県で暮らした

 金融組合で教えを受け、戦後の韓国で成功した実業家は、重松の徳を語れる人が国内にいないことを嘆いているという。70年以上前に建てられた頌徳碑はその後どうなっただろう。

春秋 西日本新聞 2010年2月13日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「八田與一賛歌」台湾で広く語り継がれる日本人・・・春秋 八葉蓮華

 海外ではまれな日本人の銅像が台湾にある。銅像周辺が記念公園として整備されることになり、おととい着工式があった

 地下足袋姿の銅像の主は土木技師・八田與(よ)一(いち)(1886―1942)。日本統治時代に派遣され、10年かけて当時アジア最大級の烏(う)山(さん)頭(とう)ダムを造った。水路も巡らせた。不毛の嘉南平原を台湾一の穀倉地帯に変えた

 危険な現場にも足を運び、多くの人に慕われたという。銅像は地元の人々が地元で集めた寄付金などをもとにダムの近くに建てた。戦後、日本関係の碑や像は壊されたが八田の銅像は農民らが守り抜いた、とも伝えられる

 銅像の近くに墓も建てられた。太平洋戦争のさなかにフィリピンに向けて乗っていた船が米軍の魚雷で撃沈された。命日の5月8日には墓前で慰霊祭が開かれる。昨年の慰霊祭には馬英九総統が出席し、記念公園の建設を発表した

 着工式では地元の小学生が「八田與一賛歌」を合唱した。記念公園は約5ヘクタール。日本円換算で3億円近い予算をかけて整備される。住居や職員宿舎を復元し、家具や関係文物、史料などを展示する。庭園もできる。新しい観光施設として来年の命日に開園予定

 ダムは現在も農地を潤し続けている。その恩が台湾で広く語り継がれる日本人のことを、日本で知っている人はどれくらいいるだろう。本紙にもあった公園着工のニュースが、一人の日本人を思い起こすきっかけになればいい。

春秋 西日本新聞 2010年2月12日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「能力給」「日当制」議員報酬のあり方を見直す動き・・・春秋 八葉蓮華

 熊本県五木村議会は議員報酬に「能力給」を導入する。月額約21万円のうち、手始めに2割を能力給に充て、活動実績を総合評価して支給額を決める。4月実施を目指す

 町村議会での能力給導入は全国で初めて。福島県矢祭町議会が2年前に始めた「日当制」も全国初だった。日当は3万円。議員活動日数は限られているため、最初の1年は総額約120万円となった。それまでの4割弱

 能力給の狙いは議会の活性化にある。日当制は財政削減が主眼だ。事情は違っても「町や村が変わるには議会から」との思いは同じ。もちろん町村だけの問題ではない。市でも議員報酬のあり方を見直す動きがいくつか出始めている

 話の流れとして矛先は永田町にも向く。国の経営を任された人たちは収入(歳費)に見合う働きをしているのか。100年に一度と言われた危機にしては国会は政策の応酬よりヤジの応酬に忙しい

 歳費をおさらいしておく。年額は2200万円。日本が何かと手本にする英国下院は1千万円を切れるらしい。日本ではほかに月100万円の文書通信交通滞在費も付く。こんなにもらっている国はほかにあるのか

 定数削減と歳費減額を同時に進めてもらいたい。能力給を先行導入するという手もある。五木村の場合は一般質問の内容や政策提言などを外部の有識者たちが評価する方向のようだ。国会もその線でいこう。雰囲気が少しは変わるだろう。

春秋 西日本新聞 2010年2月10日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

アクセルは控えめに、危機管理という名の「ブレーキ」は早めに・・・春秋 八葉蓮華

 米国での自動車運転免許取得は「アクセルとブレーキの違いが分かればOK」と極端な言われ方をするくらい一昔前までは易しかったらしい。本紙ワシントン支局が以前書いていた

 翻って、GMやフォードのブランドマークが付いてさえいれば車は自動的に売れると言われた時代も、一昔前まではあった。経営のアクセルとブレーキを踏み間違えたか何かして、自動車大国が過去の話になって久しい

 代わって販売台数が世界一になったトヨタ自動車が、米国を中心に突然のピンチに見舞われる展開を誰が予想しただろう。そもそもの発端は「アクセルペダルの不具合」というから具合が悪い

 アクセルペダルの不具合によるリコール(回収・無料修理)は欧米や中国などで計400万台を超える。ペダルの根元の部品が原因とされる。該当する部品は米国メーカー製だ。海外生産急拡大という名の「アクセル全開」に問題があったのか

 日米での「ブレーキの不具合」発覚で不安が増した。看板車種の新型プリウスが対象だからますます具合が悪い。幹部は最初「ドライバーの感覚の問題」などと説明した。社長が記者会見に現れたのは不信が募ったあとだった。危機管理という名の「ブレーキ」の踏み遅れが、事態を最悪にした

 自動車教習所で教わったような気がする。「アクセルは控えめに、ブレーキは早めに」。経営にも通じる。自動車メーカーだけに限らない。

春秋 西日本新聞 2010年2月7日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「悲運の横綱」指導の仕方によっては、心技体を兼ね備えた大横綱に・・・春秋 八葉蓮華

 大切な人を聞かれて親を挙げない人はいない。日本人は親を大切にする気持ちが薄れたのか。日本でそれを強く感じたという趣旨の話を、大相撲解説者の舞の海秀平さんは数年前に横綱朝青龍から聞かされた

 「なぜだ。おれは許せない」と怒っていたそうだ。朝青龍とは角突き合わせてもきた舞の海さんだが「感銘を受けた。日本の教育のあり方を考えさせられた」と書いている(ペルソン社のホームページにある連載コラムから)

 そんな横綱に土俵上では物議をかもす振る舞いがあったのはなぜか。舞の海さんは思う。「入門以来、厳しく師匠から叱(しか)られたことがないのではないか」。当たっていそう。師匠って何だろう

 きのう引退を表明した。酔って知人に重傷を負わせた、とされる暴行問題で揺れ続けるなかでの突然の表明だった。これまで問題とされた言動の多くは、大相撲の伝統に背く性格のものだった。今回は質が違う

 けれども舞の海さんの指摘はあてはまる。場所中の未明の出来事だ。師匠は許していたのか。注意しても聞かなかったのか。どっちにしろむなしい。師匠といえば角界では親と同じなのに…。そのことを朝青龍も知らずに去る

 昨年11月に書かれた舞の海さんのコラムは「悲運の横綱かもしれない」と続く。こう締めている。「指導の仕方によっては、心技体を兼ね備えた真の大横綱になれたのでは…」。うなずくファンもいるだろう。


春秋 西日本新聞 2010年2月5日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

権力は腐敗する。人の世はさまざまな法則に支配されている・・・春秋 八葉蓮華

 賄賂(わいろ)の歴史は古い。8世紀初めの大宝律令に賄賂罪の規定がある。時代を下って20世紀には、贈収賄事件の急増を背景に「飲まセル、食わセル、握らセル…」など「五セル」の流行語を生んだ

 地方公共団体も例外ではない。近年だけで見ても毎年30件前後の収賄が発覚している(総務省調べ)。一昨日は福岡県の前副知事が収賄容疑で、福岡県町村会長(添田町長)が贈賄容疑で逮捕された

 後期高齢者医療制度の運用をめぐって「副知事が県町村会に便宜」「見返りに現金100万円」の疑いが持たれている。2人とも大筋で認めているという。「握らセル」のほかにも県町村会側からは「セル」があった、と報じられた

 人の世はさまざまな法則に支配されている。次のようなのもある。「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」。19世紀の英国の歴史学者にして思想家・政治家でもあったアクトン卿の言葉

 中島孝之・前副知事は昨年暮れまでの10年間その職にあった。知事の「懐刀」と呼ばれてきた。山本文男・県町村会長は1992年からその職にあった。99年からは全国町村会長も兼任。添田町長としては現在10期目を数える

 汚職事件が絶えないこの国では、「おまえもワルよの―」と言いながら商人から賄賂を受け取る悪代官が最後は断罪される時代劇などで国民はうっぷんを晴らす。今回のような「官官贈収賄」を裁く編も加えてもらいたい。

春秋 西日本新聞 2010年2月4日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

太巻きを丸かぶり「立春」 1年の始まりも立春から・・・春秋 八葉蓮華

 〈梅一輪一りんほどのあたゝかさ〉。松尾芭蕉の門人・服部嵐雪の句が寒風のなかに暖を一輪咲かす季節になった。あすは二十四節気の最初に来る「立春」

 1年の始まりも立春から、と旧暦では考えられていた。茶摘みの季節の八十八夜も台風がよく来る二百十日も、立春から数えてのこと。暮らしのなかで生き続けるあれこれを、教え継ぐパイプは時代とともに細っていく

 立春に新春気分を味わい直す人もいる。2010年の滑り出しがここまでうまくいっていなくても、リセットは可能だ。そう思えば、一輪ほどのあたたかさ、の味わい方もまた違ったものになる

 立春前日のきょうは季節を分ける節分。立春を1年の始まりとするなら節分はさしずめ大みそか。年を送って迎える雰囲気の行事などが昔からあった。鬼を追い払って福を呼ぶ豆まきもそのひとつ、と物の本にはある

 調べついでに書き足せば、節分の恵方巻きの「恵方」は縁起の良い方角を言う。年ごとに異なる恵方を向いて太巻きを丸かぶりしながら願い事をする。そうする人が、政治と経済がさえないご時世だから今年もたぶん多い

 恵方巻きはともかく、恵方は古来、その年の福徳をつかさどる神がいる方角を指した。大勢の人の願い事を聞く歳(とし)徳(とく)神(じん)をおもんばかったわけではなかろうが、江戸期の小林一茶の句-。〈足の向く村が我らの恵方かな〉。こういうリセットの仕方があってもいい。

春秋 西日本新聞 2010年2月3日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

世界一大きなタイヤ「情熱の足あと」久留米の玄関口を飾る・・・春秋 八葉蓮華

 会社は誰のものか。株主のものとする声がひところ、いびつに幅を利かせた。「社会のものだ」と言ってその通りにやってみせた人が、かつていた

 まれな人を生んだ福岡県久留米市のJR久留米駅前に、「直径4メートルの世界一大きなタイヤ」が来年春に飾られる。九州新幹線の全線開通に合わせて、久留米の玄関口を飾るにふさわしい象徴的なモノを、と市が要請した

 世界の三大タイヤメーカー・ブリヂストンの創業者石橋正二郎氏(1889―1976)が故郷に残したモノはさまざまだ。美術館や日本庭園などがある石橋文化センター、久留米大学創設時の用地と建物…

 そんな遺産も含め、生誕120年にあたった昨年、手前みそながら本紙の久留米総局は正二郎氏の足跡をたどり直した。故郷に向けられた熱い思いと行動力を、「情熱の足あと」というタイトルでこのほど本にまとめた

 久留米市内の子どもたちから数千もの作文や絵が寄せられたことがあったそうだ。筑後川で寄生虫が見つかって水泳ができなくなったとき、ブリヂストンが小中学校21校にプールを贈ったことに対するお礼だった

 「ゆめにまでみたプールのかんせい。わたしはとびあがってよろこびました」などと書かれていた。絵には笑顔で泳いだりシャワーを浴びたりする子が描かれていた。数千枚をとじた約20冊の冊子を、正二郎氏は自宅書斎の棚に並べて終生宝物として扱ったという。

春秋 西日本新聞 2010年2月2日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

“卒業”思い出の横綱2人によって縁取られる、めぐり合わせ・・・春秋 八葉蓮華

 日本相撲協会の横綱審議委員会(横審)で女性初の委員として鋭い意見を述べ続けた内館牧子さんが、5期10年を務め終えた。思い出に残る横綱として「貴乃花と朝青龍」を挙げていた

 貴乃花はけがで休場が続き、復活優勝を決めた時に土俵上で見せた鬼の形相などは今も語り草。朝青龍については「アスリートとしては150%認めるが、横綱としては断固認めない」と話していた

 内館さんの“卒業”が、思い出の横綱2人によって縁取られることになったのは、めぐり合わせというものか。朝青龍の「泥酔したうえでの暴行」問題と、貴乃花親方の「協会理事選立候補」だ

 暴行事件は先月の場所中の未明に起きた。横綱側は「相手は個人マネジャーで、けがもしていない」と説明していた。相手は実は一般の知人男性で、しかも鼻の骨を折る重傷と分かった。報道によると警察は横綱から事情を聴くことも検討中

 朝青龍は土俵上の振る舞いで物議をかもしてきた。大目に見る空気もあった。土俵外での暴行となると「そうはいかない」と横審の委員長は話している。横審としての意見を近く協会に伝えるという

 協会理事の顔触れは、一騒動あった貴乃花親方の立候補に伴い、きょう8年ぶりに投票で決まる。朝青龍問題への対応が新理事会の最初の仕事となる。思い出の2人が自身の退任時にこんな絡み方をするとは、脚本家内館さんの脚本にもなかったろう。

春秋 西日本新聞 2010年2月1日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

新しい空気は若者を引き寄せ、元気な地域に変えた・・・春秋 八葉蓮華

 ブドウ畑と風車があったモンマルトルが、近代的風景の先頭に躍り出たのは19世紀の末に近い後半のことだった。丘から見るパリの中心部にエッフェル塔が加わったころのことでもある

 丘のすそに次々に出現したナイトクラブやカフェ、サーカス劇場などがモンマルトルをパリで最も元気な地域に変えた。新しい空気は若者を引き寄せる。吸い寄せられた人のなかには若い画家たちもいた

 ゴッホ、ゴーギャンらと並んでロートレックの名もある。同じ時代を呼吸し、交遊を通してジャポニスム(浮世絵などの日本美術愛好)の影響も共有した。やがてパリを離れたゴッホは南フランスで、ゴーギャンはタヒチで自分の世界を探し…

 ロートレックはフランスの都で36歳の生涯を完結させた。都会の風俗と哀歓をリトグラフ(石版画)などに切り取った。一言でいえば「売れっ子のポスター作家」。街角に張るポスターを芸術にまで高めた

 「ムーラン・ルージュ」に代表されるナイトクラブなどのポスターが多い。踊り子や歌手らが登場する。小説家の注文で作った新作宣伝ポスターもある。英国企業のパリ支店開設や、国際ポスター展開催を知らせるポスターも

 小倉城から近い北九州市立美術館分館で「ロートレック・コネクション パリを彩った画家たち」展が開かれている(2月7日まで、会期中無休)。1世紀以上前のパリの街角に立ったような気分になれる。


春秋 西日本新聞 2010年1月31日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「ロッキー」約600キロを旅してこのほど飼い主と再会した・・・春秋 八葉蓮華

 飼い主の帰りを駅で待ち続けた忠犬ハチ公、置き去りにされた南極で1年間生き抜いたタロとジロ、盲導犬サーブや介助犬シンシア…

 犬と人間の物語には外国の文学作品も加わる。老犬パトラッシュと少年ネロらの物語「フランダースの犬」は19世紀に書かれた。「名犬ラッシー」の原作小説が出版されたのは1940年だった

 名犬ラッシーは英国のヨークシャーやスコットランドが舞台の物語。金持ちの家に売られていったコリー犬が、別れた幼い少年の元に約800キロの苦難の旅を経て戻ってくる。何度も映画化、テレビドラマ化された

 モデルとなった話が1920年代の米国にあるという。飼い主と一緒の旅行中にはぐれ、半年後に帰ってきた。児童向けの本「5000キロを旅した犬・ボビー」があると聞き、福岡市総合図書館で調べると「2冊あるが貸出中」となっていた

 飼い主の元に帰ってくる本能・能力を信じる人には、やっぱりね、となる実話がひとつ加わった。ロッキーという名のジャーマンシェパード犬が、イタリア南部から中部まで約600キロを旅してこのほど飼い主と再会した

 報道によると、中部カラーラに住む人に5年前に飼われ、3年前に旅行先の南部サレルノで誰かに連れ去られた。新たな飼い主宅を昨年11月に逃げ出し、約2カ月かかって帰ってきた。汚れてやせ細り、足を痛めていた。「名犬ロッキー」と呼ぶメディアもある。

春秋 西日本新聞 2010年1月30日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

知っちゅうかや、列島各地で方言が復権を目指す、よかよ・・・春秋 八葉蓮華

 家族や友人との会話に「知っちゅうかや?」などの土佐弁を交ぜる女性が増えているとか。女性に特に人気がある福山雅治さんが坂本竜馬を演じる大河ドラマのせいらしい

 土佐弁に限らず方言に引かれる人が増えるのは結構なことだ。自分の古里言葉にも関心が向くきっかけになれば、なおいい。「国の元気は地方から」とも言う。方言復活は日本再生のキーワード

 本紙の元日別刷りのひとつに「九州方言図鑑」があった。次のような詩で始まっていた。「九州は楽しか。/おもしろか。/九州はいろいろやけん。/(中略)個性があるから、九州は豊か。/それでよかよね。」。見出しは「よかよ」だった

 列島各地で方言が復権を目指す。名古屋では河村たかし市長が陣頭指揮中。きのうは「どえりゃあ、うれしいがや」などを公開で録音した。飲み物を買うとそれが流れる自動販売機が市内にお目見えする

 国会議員のころから名古屋弁を全開させた市長は「もっと古里言葉を」と市民に説く。市が実施した調査で「名古屋弁は使わない」と回答した人が6割もいたことに驚いた

 先週、討論会が開かれた。名古屋市出身の浅田真央さんに一役買ってもらえたらなあ、の声も聞かれた。聞いて市長いわく「五輪で真央ちゃんが『トリプルアクセルがねぇ、うみゃあこといったもんで、金メダルになったがね』と言ってくれたら、ええねえ。頼んできます」。よかよ。

春秋 西日本新聞 2010年1月29日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

全国を見渡せば「渚百選」歴史のロマン、喜怒哀楽を伝える・・・春秋 八葉蓮華

 島国日本は白砂青松その他種々の風景を列島各地に生んだ。14年前に選定された「渚(なぎさ)百選」には九州からも虹の松原(佐賀)などが入っている

 全国を見渡せば、紫式部が「源氏物語」の光源氏にほろ苦い青年期を過ごさせた須磨海岸(兵庫)や、坂本竜馬の銅像が太平洋を望んで立つ桂浜(高知)など、歴史のロマンを伝える渚が少なくない

 恋路ケ浜(愛知)も有名。ヤシの実が流れ着いた話を友人の柳田国男から聞いた若き日の島崎藤村は詩を書いた。〈名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実一つ…〉。曲となって歌い継がれている

 歌い継がれる悲劇もある。〈真白き富士の根 緑の江の島 仰ぎ見るも 今は涙…〉。湘南の七里ケ浜(神奈川)沖でボートが転覆し、旧制・逗子開成中学の生徒ら12人が遭難シした。1910(明治43)年1月23日、ちょうど100年前のことだ

 歌は追悼大法会で鎌倉女学校の生徒によって初めて歌われた。米国の作曲家インガルスが作っていた曲に、鎌倉女学校教師の三角錫子が詩をつけた。タイトルにも「真白き富士の根」と「根」を使った(逗子開成中学・高校のホームページから)

 「みね」を意味する「ね」の項の漢字は、広辞苑には「峰・嶺・根」とある。「根」には大地に根を張ったイメージが加わる。歌い継がれて1世紀。渚近くの悲劇も抱き包むようにして富士の根は昔も今も霊峰の威容でそびえ立つ。

春秋 西日本新聞 2010年1月23日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

大きな災害時一つだけ持ち出すとしたら・・・春秋 八葉蓮華

 目が覚めてうつらうつら聞く枕元の早朝のラジオが「大地震発生時に持って逃げたい物」のアンケート結果を伝えていた。携帯電話と財布の順にこの二つが圧倒的に多い。それはいいとして…

 とラジオが言うには「10位までにラジオが入っていません」。携帯ラジオもお忘れなく、という感じで伝えていた。出勤してから調べると、民間調査会社がインターネットを通して行った調査結果のことらしかった

 「一つだけ持ち出すとしたら」という設定だった。そう尋ねられるとラジオは分が悪い。通帳・印鑑が3番目に多く、以下、眼鏡類、非常持ち出し袋、水・食料、身分証明書などが続く

 15年前の阪神・淡路大震災の際、放送局が被災者に「持ち出した物」を尋ねた調査結果では、ラジオは上位と大差なく4番目に入っている。被災直後の情報の多くはラジオから得た人が多かったことも種々の調査で分かっている

 携帯電話でも情報は収集できる、と特に若い人は言う。自在に収集できればいいが、被災直後は輻輳(ふくそう)して通じにくいし、通じない状態も珍しくない。ままならない状態が4年前の新潟県中越地震では約6時間続いた

 ハイチ大地震の被災地でも今「携帯ラジオが重要な役割を果たしている」とニュースは伝える。家族らへの伝言を仲介したりする光景は日本でもおなじみ。携帯といえば電話を指す時代だが、大きな災害時はもう一つの携帯も携えよう。

春秋 西日本新聞 2010年1月22日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

 ホーム 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。