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沈下比べ「ゲームチェンジ」支持率の下降が続く、支持率が回復しない・・・春秋 八葉蓮華

 2008年米大統領選での「今だから書ける」あれこれを米誌記者2人が書いた本「ゲームチェンジ」が話題になっている、と共同電は伝える

 共和党候補との本選中、オバマ氏の選対本部は毎晩、電話会議を開いた。副大統領候補のバイデン氏には内緒だった。この人が加わると困った事態が予想されるらしかった

 「自分のほうが大統領にふさわしい」と記者に語ったことがある。「就任から半年たたないうちにオバマの気性が試される」と集会で話したことも。それでもつつがなく副大統領になれる。自由に物が言える国だから、だろうか

 「今だから言える」式の話を、麻生太郎首相時代に財務相だった与謝野馨氏が近著の中で「実は、あの時」と明かしている。首相が衆院解散・総選挙を決断した昨年7月、新首相で臨むのが最善と判断した与謝野氏は…

 当時の農相石破茂氏と一緒に官邸で直接迫った。首相は「そんなこと言ったって後の首相をいったい誰がやるんだ」と譲らず、ならばと2人が提出した辞表も受け取ってもらえなかった(「民主党が日本経済を破壊する」文春新書)

 政権を失っても「どこかの政党とは異なり、自由に物が言えることは、自民党に残されている数少ない取りえのひとつ」と与謝野氏。物は言えても党勢は回復しない旧政権党と、自由に物が言えなくて内閣支持率は下降が続く現政権党の、奇妙な沈下比べはどこまで続くのか。

春秋 西日本新聞 2010年1月26日
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「堅実一路」じっくり構えて計算しながら打ち回す・・・春秋 八葉蓮華

 乱世の武将は一般に囲碁を愛した。盤上に「治乱興敗の跡を寓(ぐう)する」ところなどが「武人の賞玩に適した訳であろう」と作家の村松梢風は書いた(作品社刊「日本の名随筆」別巻11「囲碁2」)

 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康はいずれも本因坊に対して5目(ハンディで置く黒石の数)で打ったという。秀吉は豪放、家康は用意周到な碁だった。戦国武将では武田信玄、真田昌幸らも相当な腕前だったらしい

 乱世模様の現代政界に事寄せて、囲碁が好きな小沢一郎民主党幹事長の話に持っていくのは変か。米国の調査分析会社が「今年注目すべき世界の指導者」として中国首相、米大統領の次に挙げたばかりだから、著しく釣り合いを欠くとも言えまい

 小沢氏は先日、日本棋院で井山裕太名人に3目置いて引き分けている。先月は韓国のトッププロとも打った。このところ囲碁をめぐる話題が多い。近年腕を上げ、政界最強級と聞く

 剛腕のイメージそのままに盤上でも大石(たいせき)を狙って暴れたりするのだろう、と思いきや、専らの評は「堅実一路」。じっくり構えて計算しながら打ち回す。そんな碁風のようだ

 土地購入問題をめぐって事情聴取を受けた小沢氏には対局気分もまじったろう。進めて言えば、側近の衆院議員が逮捕されたころから「対局」は始まっていた。じっくり構えた布石は終わって、既に中盤。東京地検特捜部は“大石”を狙っているように見える。

春秋 西日本新聞 2010年1月25日
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「命の大切さ」追悼する心のなかで生き続ける・・・春秋 八葉蓮華

 きのうの小欄に誤りがあった。旧制・逗子開成中学校の生徒ら12人が遭難シした神奈川県七里ケ浜沖でのボート転覆事故が「1910年2月23日」とあるのは、正しくは「1月23日」でした。おわびして訂正します

 22日に逗子開成中学・高校で行われた「百年忌追悼式」の話で継がせていただく。神奈川新聞のホームページで記事を見た。遺族代表の松尾靖彦さん(佐賀市、72歳)が「命の大切さを考える機会にしてほしい」と生徒に呼びかけた

 袴田潤一校長は追悼誌を14年かけて作ったそうだ。全国に散らばる出身地を訪ねて墓所の所在も調べた。2003年の同校創立100周年記念誌の刊行時に墓所が分かっていたのは6人で、その後2人分かった

 同校ホームページにある「学校の歴史」のなかで、袴田さんは次のような言葉を引いている。「シ者をシせりと思ふなかれ、生者あらん限りシ者は生きん」。追悼する心のなかで12人は生き続ける

 14―21歳の旧制中学生11人と、10歳の児童1人だった。児童と中学生3人は兄弟でもあった。4人を失った徳田家の墓所に平成に入って新たに建立された詩碑には、悲しみを歌い継ぐ「真白き富士の根」の歌詞が刻まれている

 「百年忌追悼式」では鎌倉女学院の生徒たちが「真白き富士の根」を歌った。前身の鎌倉女学校の生徒が1世紀前の追悼大法会で初めて歌ったときと同じように、すすり泣きが漏れたという。

春秋 西日本新聞 2010年1月24日
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ありがとう お世話をかけた 恩返し あなたの姿 私の宝・・・春秋 八葉蓮華

 介護の専門家になる道を選んだ時、大変だよと親は反対したという。両親が介護を必要とした時に支えたい、と思って決めたことだった。短歌にした。〈親ともめ何で介護と言われたがお世話をかけた恩返しだよ〉(谷口穂菜美、19歳、宮崎県)

 2009年度の「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」の「介護部門」の優秀作の一つだ。これまで小欄では介護される高齢者の作品を中心に紹介してきた。今回は介護する側の作品を紹介する

 家族。〈デイケアに妻を託して縁側の日向に運ぶ布団重たし〉(三島清文、83歳、岐阜県)、〈食べたこと忘れていいよ母さんの頭記憶でいっぱいだから〉(丹下恵美子、79歳、愛媛県)

 福祉施設の職員・ボランティア。〈この細い体に何をして来しかホームの老人の背中流せり〉(三浦恒子、54歳、大分県)、〈利用者のぬくもり感じ母思う西の空にて故郷を見る〉(倉崎友理子、34歳、埼玉県)

 主催者の宮崎県社会福祉協議会が、応募者全員の作品を収録した短歌集(タイトルは「老いて歌おう 2009」鉱脈社)を先ごろ出版した。介護福祉士などを目指す宮崎県内の若者の作品で締めたい

 〈「ありがとう」その一言が嬉(うれ)しくて軋(きし)む腰でも笑顔零(こぼ)れる〉(蕪信吾、22歳)。実習を通して多くのことを学ぶ。〈最終日気づいてみると涙するあなたの姿私の宝〉(谷口奈美、18歳)。これからの社会を支えていく人たちだ。

春秋 西日本新聞 2010年1月21日
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「ジェットストリーム」経営再生ではどんなメロディーが聴けるだろう・・・春秋 八葉蓮華

 私事ながら学生のころ「兼高かおる世界の旅」というテレビ番組をよく見た。ジャーナリストの兼高さんが日曜日の朝、海外に連れて行ってくれた

 映画「八十日間世界一周」で使われたビクター・ヤングのテーマ音楽を、番組でも使っていた。「外国に行ってみたいなあ」という気持ちにさせるメロディーだった。今でもこの曲を聴くと当時を思い出す

 メロディーと一緒に思い出す「翼の地球儀のマーク」は今はもう見ることができない。番組のスポンサーでもあったパンアメリカン航空が経営破(は)綻(たん)して久しい。世界の空を駆け巡った翼の消滅は、航空業界の危機を象徴した

 20世紀につくられた各界の地図は、21世紀に入って次々に塗り替えられようとしている。自動車業界しかり、航空業界しかり。日本ではきのう日本航空が裁判所に会社更生法の適用を申請し、国の管理下で一から出直す

 話を最初に戻す。海外旅行へのあこがれを膨らませる番組がラジオにもあった。「ジェットストリーム」。甘い声の城達也さんが「ミスターロンリー」の音楽に乗せて各国に連れて行ってくれた。番組は現在も続く。スポンサーは当時も今も日航だ

 経営再生ではどんなメロディーが聴けるだろう。ここまでの序曲には不協和音も交じった。国の指揮は大丈夫か。ジェット気流に乗れなければツケは税金で、なんてこととは無縁の、快適な再生飛行に国民をいざなってほしい。

春秋 西日本新聞 2010年1月20日
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お互い大変だったな「エガワる」ドラフト会議前日の「空白の一日」・・・春秋 八葉蓮華

 「ピカピカの一年生」のテレビCMが茶の間で話題になった1978(昭和53年)は、街には山口百恵さんが歌う「いい日旅立ち」が流れた

 この年、王貞治選手の通算800号本塁打にわいたプロ球界では事件も起きた。マスコミは「江川事件」と名づけた。名前をもじった「エガワる」という言い方が翌79年の流行語になっている

 ドラフト会議前日を「空白の一日」と解釈し、新人の江川卓投手とドラフト外で契約した巨人のやり方が非難を浴びた。江川投手も悪役とみなされる展開になった。曲折を経て巨人がエースの小林繁投手を出すかたちで決着したからだ

 「同情されるのはごめんだね。阪神での活躍を見てほしい」。小林投手の言葉に救われた。最初の年の対巨人戦は8勝0敗だった。計22勝を挙げて最多勝も獲得した。「あっぱれ」と世間は拍手喝采(かっさい)した

 小林投手と江川投手は現役時代は親しく言葉を交わしていない。話をしたのは29年後にCMで共演した時のことだった。伝える機会がなかった謝罪を口にした江川さんは、「君が謝ることはない。お互い大変だったな」と言ってくれた小林さんの言葉に救われたという

 小林さんは阪神に5年いて引退している。31歳だった。「引き際を大切にしたい」と話していた。きのうの新聞に訃報(ふほう)が載っていた。まだ57歳。ことしは日本ハムの1軍投手コーチとして巨人からの日本一奪回を目指すはずだった。

春秋 西日本新聞 2010年1月19日
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米国発のマネー万能主義「キャピタリズム マネーは踊る」世界同時不況を生んだ・・・春秋 八葉蓮華

 大手銀行の玄関で「奪ったカネを返せ」と叫ぶ映画監督は珍しい。この人、警察が事件現場で使う「立ち入り禁止」テープでニューヨーク証券取引所を囲い、「犯罪者を逮捕しに来た。出てきなさい」とマイクで叫ぶ

 公開中のドキュメンタリー映画「キャピタリズム マネーは踊る」の監督マイケル・ムーアさんだ。世界同時不況を生んだ米金融危機で浮上した「容疑」をつなぎ合わせると、ちょっとした“犯罪映画”が出来上がった

 冒頭で「心臓の弱い方は観賞をご遠慮ください」と“警告”が入る。なるほど見ていて怖くなる。こんな語りも入る。「米国では『大銀行、大企業に国を奉仕させる』システムが構築されようとしています」

 そこでは「1%の最富裕層が底辺の95%より多い富を所有する」社会が想定されている。庶民は職や家を失い、そうさせた投資銀行などは税金で救われたうえに幹部は巨額のボーナスを得たのは、その一部…

 といった調子で映画は進む。「今の米国に民主主義はない。あるのは狂った資本主義」。ムーア監督の論の進め方は、米国が民主主義のお手本だった時代の保安官を思わせて小気味がいい

 「国が奉仕させられる」システムづくりでは一部の政府幹部・ジャーナリストらも一役買ったらしい。米国発のマネー万能主義をありがたがる空気があった日本はその辺はどうだったのか、と考えると、映画を見た後に怖さが増す。

春秋 西日本新聞 2010年1月18日
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「頑張ろうね」明日が与えられる限りは明日を歓迎しよう・・・春秋 八葉蓮華

 神戸市に住む62歳の平井恵美子さんが、念願だった神戸ビーフ専門の店を夫婦で開いたのは40歳を過ぎたころのことだった

 隣には小さなスーパーがあり、働き者の夫婦が切り盛りしていた。気安く言い合えるお隣さんになった。毎朝「きょうも頑張ろうね」とあいさつを交わしてそれぞれの一日がスタートした

 「頑張ろうね」は15年前の1月16日が最後になった。翌17日早朝に発生した阪神・淡路大震災で平井さんの店は全壊した。家族に犠牲者はいなかった。お隣さん夫婦はシ亡した。崩壊した家屋の布団の中で即シに近かった

 「生き残った者の罪悪感」が、60歳を過ぎても平井さんの心の底でくすぶり続ける。第6回「60歳からの主張」(全国老人福祉施設協議会主催)で入選した平井さんの随想は、しかし読む者をホッとさせる

 102歳の女性と出会ったそうだ。「今もデイサービスに教えに行ってるの」と言うその元社交ダンス教師は、お孫さんが言うには「うちのバアチャンシぬのん忘れてるんや」。明日を突然奪われた人が忘れられない平井さんは、与えられる明日を生き続ける人もいることを知った

 明日が与えられる限りは明日を歓迎しよう。そう思えた時「生き残った者の罪悪感」から解き放たれたという。〈いつかお隣さんに会えたら「あなたの分も生きといたよ」「あなたも一緒だったんだよ」と言ってあげたい〉。平井さんの切なる思いだ。

春秋 西日本新聞 2010年1月17日
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政治とカネ「コンクリートから人へ」を象徴する政治資金問題・・・春秋 八葉蓮華

 次から次に驚かせてくれる。総選挙での大きな勝ち方でアッと言わせ、鳩山由紀夫首相が「友愛」の看板を掲げて驚かせた辺りまではよかったが…

 ガッカリさせられる驚きが増えた。発信者が民主党の中心人物であることが落胆を大きなものにしている。しかも、というべきか、やっぱりね、というべきか、事は「政治とカネ」にまつわる

 首相は自身の献金偽装問題で実母からの資金提供が分かり、あたふたと贈与税約6億円を納税した。マスコミの目は今は小沢一郎幹事長の資金管理団体による土地購入資金疑惑に向き、幹事長の億単位の「たんす預金」らしきものも報道された

 「国民目線の政治」を強調する政党の首脳の、あまりに世間離れした姿が庶民の驚きをさらに膨らませる。土地購入疑惑で強制捜査に着手した東京地検は幹事長の元秘書である衆院議員らを逮捕した。どういう決着が待っているのやら

 民主党は2010年度予算を「コンクリートから人へ」の理念で語ってきた。従来の公共事業重視の政治からヒト重視の政治へ、と誰しも読む。幹事長周辺の疑惑は皮肉にもコンクリートを象徴するダム建設で浮上した

 首相と幹事長の政治資金問題は「総選挙の前から出ていた話だ」と首相は言う。こう続く。「問題があるにもかかわらず多くの国民から民主党を選んでいただいた」。物は言いよう。ガッカリさせる驚きはこの辺でやめにしてほしい。

春秋 西日本新聞 2010年1月16日
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寄ってたかって食い物にした連中の「事実は小説より奇なり」・・・春秋 八葉蓮華

 小説「沈まぬ太陽」(山崎豊子著)が原作の映画を見た知人が言っていた。モデルにされた日本航空にとっては「何とも間の悪い時期に公開されたものだね」と

 公開されたころの日航は経営再建問題がヤマ場を迎えていた。描かれた社内の報復人事や旧運輸省官僚らへの利益供与などは「作り話」として、「法的手段」を辞さない構えも見せた。やがて、それどころではなくなった

 日航自体が「法的整理」に追い込まれた、といってしまえば身もふたもないが、経緯をはしょっていえばそうなる。日航再建問題で現政権は一時「私的整理」も考えた。政府も迷走した

 顧みれば四半世紀前のジャンボ機墜落事故直後、社内の立て直しのため会長に迎えられた関西財界人は改革できずに去った。今回の法的整理に当たって政府は関西財界から京セラの稲盛和夫氏を会長に迎えて再生を託すことにした

 再び外部から人を充てて再生を目指す。こんどもダメだった、では済まない。おおかたの期待は稲盛氏のカリスマ性に向く。将来像を描いて組織を束ねる力に秀でている。社員には「親方日の丸」意識との決別が待つ

 法的整理が始まると改革の逐一が国民の視線を集める。「ナショナル・フラッグ」を色あせさせた外的要因もこの際、法的に国民の視線にさらせないものか。寄ってたかって食い物にした連中の「事実は小説より奇なり」的な話がゾロゾロ出てくるはずだ。

春秋 西日本新聞 2010年1月15日
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満身創痍。笑われてもいい。もう一度挑戦する・・・春秋 八葉蓮華

 同じ日に明暗を分けた二人を一緒に書くことにはためらいもあるが、郷土をそれぞれ代表して切磋琢磨(せっさたくま)し合ってきた仲だから、と思いつつ書く

 福岡県出身の魁皇と大分県出身の千代大海。少年期は二人とも巨漢ながら片や気は優しくて力持ち、片や悪童・ツッパリ少年として広く名を知られ、角界入りしてからは共に個性そのままの相撲で時に人気を分け合った

 37歳の魁皇と33歳の千代大海。大関昇進後はそろって故障に泣き続けた。満身創痍(そうい)。33歳は37歳を親しみを込めて「おっさん」と呼び、37歳は33歳がかど番の時はけいこの相手を買って出るなど助け合ってもきた

 魁皇は言う。「少年時代にやった空手と柔道はどっちも中途半端で、角界入りした時も『なんとなく』だった。引き際だけは自分で決める」。歴代1位の在位記録を持つ大関から陥落した千代大海は「笑われてもいい。もう一度挑戦する」

 一昨日の初場所3日目で二人は対戦した。幕内54度目という対戦数に、相まみえた歳月の長さを思う。勝った魁皇は千代の富士が持っていた幕内最多勝(807)を追い抜いた。負けた千代大海はその日のうちに引退を決めた

 最後の対戦は一方的な内容だった。怪力を出し切った勝ち方に対戦相手への敬意が感じられた。一夜明けて引退届を出した千代大海は「最後が魁皇関でよかった」と話した。お疲れさまでした、千代大海。まだまだやれるぞ、魁皇。

春秋 西日本新聞 2010年1月14日
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「負けに不思議の負けなし」ゴタゴタにつけ込めないふがいなさ・・・春秋 八葉蓮華

 きのうの朝刊に政党支持率などの全国世論調査結果が載っていた。「民主党は取りあえずホッと一息、自民党はガッカリ」の内容だった

 自民党の支持率大幅減により、両党の差は昨年末の前回調査時の2倍近い21ポイント差に開いた。年末年始の雰囲気では一気に接近しても不思議でなかった。民主党のゴタゴタにつけ込めない自民党のふがいなさを映している

 先週の「仕事始め」で谷垣禎一総裁は一致結束を呼びかけた。同じ日、次のリーダー候補の一人と目される舛添要一前厚生労働相は政界再編に意欲を見せた。てんでに別のことを考えているようでは党勢は上向かない

 昨年11月、党の政権構想会議で党名変更の話が出たことを思い出す。「自由新党」「和魂党」などが候補に挙がったと聞く。10日ほどして「党名変更より組織再生が先」という当然の結論に導かれて立ち消えになった

 組織再生は党名変更より難しい。党幹部は一計を案じた。プロ野球東北楽天球団の野村克也前監督を今月24日の党大会に招く。野村さんは埋もれていた選手や弱い球団をよみがえらせたりして「野村再生工場」とも呼ばれた

 「野村語録」に「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」とある。自民党の再生は衆院選惨敗の原因を総括し直すことから始まる。ついでながら語録には「戦いに勝つは易し、勝ちを守るは難し」もある。民主党からも声がかかるかもしれない。

春秋 西日本新聞 2010年1月13日
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日米同盟の将来、日米政府の戦略、忍耐強く、戦略的交渉を・・・春秋 八葉蓮華

 米国のハーバード大学は世界的に有名な教授を何人も生んだ。世界の八大文明のひとつに日本文明を挙げたS・ハンチントン氏をはじめ、日本をよく知る人が少なくない

 日本で生まれ、1960年代に駐日大使を務めたE・ライシャワー氏も忘れられない。79年に出版された「ジャパン・アズ・ナンバーワン」がベストセラーになったE・ボーゲル氏の名前も挙がる

 この大学には日本研究所がある。講義や会議で語られ、研究されるテーマは多種多様。官僚の「天下り」や産業界の「系列」から、軍事面では核兵器保有の可能性にまで及んだ(相馬勝著「ハーバード大学で日本はこう教えられている」新潮OH!文庫)

 「日本の米軍基地」もテーマに加わっていくだろう。著名教授の一人、J・ナイ氏が沖縄の普天間飛行場の移設問題でホワイトハウスに注文を付ける論文を、このほどニューヨーク・タイムズ紙(電子版)に寄稿した

 「日本の新政権に対して強硬な姿勢をとりたがっているが、思慮が足りない」「忍耐強く、戦略的交渉を」…、そんな内容だったという(朝日新聞)。知日派のナイ氏はオバマ政権発足時に駐日大使候補として一時有力視された

 13日にハワイで日米外相会談が開かれる。普天間問題で生じたもつれをほぐすのが狙いのようだ。忍耐が試される。日本政府の戦略も問われる。ハーバード大学では日米同盟の将来をどう教えるのだろう。

春秋 西日本新聞 2010年1月12日
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「二十歳のころ」選択を迫られながら、選択ができない時期・・・春秋 八葉蓮華

 二十歳(はたち)の誕生日のころ何をしていましたか? 1996年に東京大学教養学部で立花隆さんが開講したゼミの学生が71人にインタビューした

 「徴兵検査が成人式の代わりのようなものだった」(萱野茂さん)。「歌舞伎を3階席でよく観(み)ましたね」(曾野綾子さん)。「二十歳の誕生日にはウオツカの正式な飲み方を教わりました」(加藤登紀子さん)

 98年に「二十歳のころ」の題で出版された。「自分を発見する時期。生き方を発見する時期。一番悩み多い時期」と立花さん。「選択を迫られながら、選択ができない時期」とも(新潮文庫から)

 「なんにも自分の将来が見えなくて、当時アルバイトでやっていたトラック運転手や土木作業員にそのままなっちゃおうか、それとも数学を続けようか…、なんて思ってましたね」(秋山仁さん)

 覚えていません、と言う人もいる。「誕生日に大きな意味を感じたことはない。とくに社会が二十歳ということに大きな意味を与えていることにいつも(二十歳になる前から)反発を感じていた」(坂本龍一さん)

 何かを見つけ、悩み、反発する時期を経ずに成立する人生などない。「今の知恵で二十歳に戻れば効率のいい生き方をすると思うけど、効率のいい生き方が幸せとは思わない」(山藤章二さん)。「二十歳のころは何をやってもいいんですよ。何もやらない、というのが一番問題なんだよな」(筑紫哲也さん)

春秋 西日本新聞 2010年1月11日
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環境保護を掲げる「シー・シェパード」国際条約で認められた調査捕鯨・・・春秋 八葉蓮華

 日本の調査捕鯨船と米国の環境保護・反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の抗議船が南極海で衝突した。双方が「向こうが突っ込んできた」と主張している

 調査捕鯨船と抗議船の衝突のニュースを初めて聞く人は「南極海版の『藪(やぶ)の中』か」と思うかもしれない。初めてではない人は、SSの主張を「またか」と思うだけだ。昨年の今ごろもあった

 SSによれば、日本の調査捕鯨は「密漁」で「違法行為をやめさせるため」に抗議しているのだそうな。これまでの抗議の仕方といえば、接近して薬品入りの瓶を投げ込んだり、船ごと体当たりしたり、いろいろあった

 整理しておこう。調査捕鯨は国際条約で認められた正当な活動だ。地球環境問題に絡む調査捕鯨を、環境保護を掲げる団体が海賊まがいの暴力で妨害する。そんな不可思議な構図になっている

 今回の抗議船は大破し、えい航される途中で沈没した。沈没前の写真を新聞で見て驚いた。小型だが3胴式の黒塗りで最高時速90キロ以上。映画「バットマン」に出てくるバットマンカーを改造して海に浮かべたような感じだ

 「正義の味方」を気取るのは自由だが、船費が1億数千万円と知れば、そうも言っておれない。資金は献金で賄われた。海賊的行為を支持する向きが、一部とはいえ海外にはある。反捕鯨国では日本製品不買を呼びかける人も出てきた。じれったくても地道に理を説くしか方法はない。

 春秋 西日本新聞 2010年1月9日
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ワントライ差まで追い詰め、スコアが最も接近した試合・・・春秋 八葉蓮華

 今季公式戦で一度も負けたことがない。きのう行われた全国大会決勝で連勝を30に伸ばした。全国高校ラグビーを2年ぶりに制した東福岡高(福岡県代表)のことだ

 決勝戦の前日に谷崎監督は言っていた。「決勝というイメージはない。ゲームをするだけ」。よほどの自信がないと、そこまでは言えない。言わせる選手たちがすごい。信頼されるにふさわしい得点を選手たちは重ねた

 全国大会で積み重ねた得点274は史上最多。一方的な試合内容が多かった。スコアを振り返ってみる。61対0、92対0、23対7、67対12、そして桐蔭学園(神奈川県)との決勝は31対5

 スコアが最も接近した試合は実は県大会にあったことを、福岡のラグビーファンは知っている。県大会決勝で東福岡に17対12で負けはしたがあと一歩のところまで迫った学校があったことを、全国のファンは知らない

 その学校、筑紫高は全国大会に4度の出場経験がある。この5年間は県大会決勝で東福岡と戦い、涙をのみ続けた。自分たちがワントライ差まで追い詰めた学校の圧倒的な全国優勝を、監督と選手は祝福していることだろう

 福岡県の出場枠を増やせないものか、と考える関係者、ファンも少なくないだろう。大阪は3校、東京などは2校の枠を持つからそう思いたくもなる。ちなみに今回の大阪大会の出場校は49、東京大会は55で福岡大会は41だった。福岡は2校の時代もあった。

 春秋 西日本新聞 2010年1月8日
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地震から5年余「1000年の山古志」元気、笑顔、復旧、復興、交流・・・春秋 八葉蓮華

 新年の小欄でマリの話を書いたことがある。犬のマリだ。新潟県中越地震が発生した日の朝に3匹の子犬を生み、全村避難で誰もいなくなった山古志村(現長岡市)で子を守り抜いた

 地震から5年余が過ぎた。子犬はそれぞれ新しい飼い主に引き取られ、マリは最初からの飼い主のもとで8歳になった。報道によると歩くのがつらそうな時期もあった。今は元気に暮らしている

 山古志にも元気が戻った。故郷に戻れる日が来るかどうか危ぶんだ人たちにも笑顔が戻った。村の歴史を踏まえた復興の記録が「1000年の山古志」という映画になり、各地で自主上映中

 昨年末には東洋大学(東京)学生ボランティアセンター主催の上映会もあった。この大学からは山古志に延べ約4千人の学生が入り、復旧・復興に携わってきた。被災当時の村長が大学の先輩ということもあったようだ

 東洋大と山古志地域の関係は年々深まる。建築学科の学生グループは復興と結びつけた新地域づくりを提案し、国際学生コンペで最優秀賞を受賞した。体育会の一部は夏休みの合宿地に山古志を選び、交流も深めている

 一昨年から山古志の山道で鍛えている陸上競技部は、先日の箱根駅伝で昨年に続き総合優勝した。山上り区間での柏原竜二選手の、前回同様の快走が象徴的だった。特別な力が加わったかのような走りだった。山古志を応援する気持ちもたすきでつないだのだろう。

 春秋 西日本新聞 2010年1月6日
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「あれ、虎ですかい」2010年は虎の出番が各方面で増える・・・春秋 八葉蓮華

 「御慶(ぎょけい)」(「富八」とも)「かつぎや」「初天神」…。新春に演じられることの多い落語をCDなどで聴いた。正月ものでなくても今年のえとと結び付く噺(はなし)もある-

 「おじさん、旅の人でしょ? どっかへ泊まるんでしょう? うちに泊まってくださいな」「ホゥ、坊やは宿の客引きさんか?」。訳ありげな様子に「じゃあ泊めてもらおう」となって噺は始まる

 旅人の名は左甚五郎。日光東照宮の眠り猫などで語り伝えられる甚五郎は、古典落語にもいくつか登場する。きょうの「ねずみ」もその一つ。子(ね)年ではないが、紹介する理由はすぐに分かります

 泊まった宿は障子も破れた「鼠(ねずみ)屋」で、向かいには仙台一の「虎屋」がある。聞けば鼠屋の主人は元は虎屋の主人だったという。体が不自由になり番頭に店を乗っ取られた。甚五郎は朝までかけて彫った鼠を一匹残して旅を続けた

 その鼠、まるで生きているようだと評判になり、見たさに客が急増した。客をとられた虎屋は負けてなるかと、甚五郎の好敵手の彫物師に虎を彫らせて店先に置く。それを見て鼠は動かなくなった。伝え聞いて仙台を再訪した甚五郎と鼠の会話。「あんな虎が怖いのか?」「え? あれ、虎ですかい、あっしは猫だと思った」

 2010年は虎の出番が各方面で増える。ただ、えとに倣って力み返ると、虎のつもりが何とやら、のような具合になってかえって良くないのかもしれない。

 春秋 西日本新聞 2010年1月5日
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酒のさかな「勧酒」詩人と呼ばれることを好んだ井伏鱒二・・・春秋 八葉蓮華

 お酒はぬるめのかんがいい…、と演歌は言う。〈酒はあついのがよい〉と詩で言ったのは井伏鱒二。さかなは蛸(たこ)のぶつ切りを、塩で、とも

 「山椒魚」などで知られる小説家の井伏鱒二と詩は結びつきにくいが、〈…ハナニアラシノタトヘモアルゾ/「サヨナラ」ダケガ人生ダ〉を思い出せばいい。「ああ、そうだった」と合点がゆく

 サヨナラダケガは唐代の詩人、于武陵の「勧酒」の訳詩である。〈コノサカヅキヲ受ケテクレ/ドウゾナミナミツガシテオクレ〉が先にあって、ハナニアラシと続く。古今の名訳とされる

 太宰治に「おれは勉強しだいで谷崎潤一郎にはなれるけど井伏鱒二にはなれない」と言わせた小説家井伏は、詩人と呼ばれることを好んだ。漢詩の訳詩も収めた詩集がある。「自分の厄除(よ)け札の代わり」に出したという。タイトルは「厄除け詩集」

 「つくだ煮の小魚」という詩がある。〈ある日 雨の晴れまに/竹の皮に包んだつくだ煮が/水たまりにこぼれ落ちた〉で始まる。7行があって〈生きて返らなんだ〉で終わる。マズしい若いころに書いた詩が多い

 次は「冬」。〈今年の寒さは格別だ/寒さが実力を持つてゐる/僕は風邪を引きたくない/おまじなひには詩を書くことだ〉(以上、講談社文芸文庫から)。読む者の厄除けにもなるか否か吟味すべく向き合えば、どこか塩味も利いていて冬の酒のさかなになる。この場合は熱かんに限る。

 春秋 西日本新聞 2010年1月4日
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丸い餅が入った「年明けうどん」で角張らず軟らかく・・・春秋 八葉蓮華

 年越しそばを食べた翌日は雑煮をいただく。大みそかから元日にかけて多くの日本人はそうする。雑煮はともかく、年越しそばの習わしはどれくらい定着しているのだろう

 アンケートの結果が毎年のように出る。「食べる」人の割合は80―90%台が多い。中高年層を除いた20―40歳代で80%近いものもあった。やはり日本人の年の送り方・迎え方は年越しそばと雑煮を抜きには語れない

 うどんが加わるのか。名づけて「年明けうどん」。香川県の「さぬきうどん振興協議会」が2年前から提案し、スーパーやコンビニなどがこの正月から商品を並べ始めた、とテレビが伝えていた。紅色かまぼこや金時にんじんなど紅色の具材入り
 
 うどんは昔から「太く長く」長寿を願う縁起物ともされてきた。具材の紅色とうどんの白との取り合わせで「紅白」が出来上がる。新年を祝う気分が食卓でも増す、ということのようだ

 思えば雑煮に入れる餅(もち)も白だった。これも一緒に、という手もある。餅入りのうどんは力うどんと言って珍しくないが、正月だと紅白の白の援軍になるし、紅色の具材を梅などで足せばいっそう華やぐ

 年明けうどんの推奨期間は「1月15日まで」と長めに取られている。正月の主役である雑煮の顔を立ててのことと推察する。立てつつ「丸い餅が入った年明けうどんで角張らず軟らかく」、人間関係もそうありたい、との願いを添えれば味わいが増す。

 春秋 西日本新聞 2010年1月3日
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あけましておめでとうございます。寅年の幸せはこの寅におまかせを・・・春秋 八葉蓮華

 あけましておめでとうございます。わたくし生まれも育ちも葛飾柴又です。…姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅(とら)と発します

 「おォさくら、元気か?」「あ、お兄ちゃん、どこから掛けてるの?」「九州の△□○」「お正月なのに帰ってこないの?」「正月は稼ぎ時だい。不景気の正月は参道がどこもすごい人出でな」

 「博ンとこも不景気か?」「きのうまで社長さん大変だったわ」…「電話、代わったよ」「よっタコ社長」「なんかいい話ないかい、寅さん」「そういや九州で知り合った先生が言ってたな、景気は西から上向くって。労働者諸君によろしく」

 「僕だよ」「満男か、シューカツ、その後どうだ?」「就活、知ってんだ、おじさんも」「満男が頑張っていることもちゃんと知ってる。いい初夢を見るんだぞ。ところで、おいちゃん、おばちゃんは忙しいのか?」

 「お待たせ、寅ちゃん。お店、てんてこ舞いなの」「おばちゃん、忙しくて元気なのはなによりだ」「ありがとう」「おいちゃんもおばちゃんも、長生きしてくれよな」「お芋の煮っころがし、うんと作って待ってるから、早く帰っておいで」

 初詣でにお出かけの皆々さま、ここに並べましたるは幸せを呼ぶ鶴亀でございます。鶴は千年亀は万年あなた百まであたしゃ九十九まで…、この際だ、商売繁盛も学業就職成就もぜーんぶ面倒見ちゃう。寅年の幸せはこの寅におまかせを。

 春秋 西日本新聞 2010年1月1日
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人の世を紡ぐ情景が薄れる風潮に、大切なものは目には見えにくい・・・春秋 八葉蓮華

 あすの天気が気にかかる。初日の出の少し前に西の空に浮かぶ月も拝んでみたい。満月のお月さんが月食で少し欠ける

 国立天文台によると元日の月食は明治以降初めて。日本が太陽暦を採用したのは明治5年のことで、月を基にした太陰暦の時代は元日を含め各月の最初の日は必ず新月だから、月食は起きない。したがって「元日月食」は日本では初めてとなる

 午前4時22分ごろ最大で1割弱欠ける。初詣での行き帰りにも見る人がいよう。円い月がちょっぴり欠けるさまに何かを重ねたくなる。一年の計は元旦にあり。国の2010年は「少々陰りはしても丸く運ぶ」と占うこともできる

 大みそかから元日にかけての列島の空は、天気予報では雲にさえぎられる地域が多い。九州も芳しくない。しかし、と思う。古来、月の満ち欠けと暮らしを共にしてきた日本人は、見えなくても月を思い…

 「無月(むげつ)」と呼んでもきた。とくに陰暦8月15日の名月についてそう言った。誰も見たことがない元日の特別な月に同様の興趣を持って何の不都合があろう。仮に雲や雨や雪に隠れたとしても、だ

 大切なものは目には見えにくい。思いやり、助け合い、などが社会の雲に隠れがちな昨今に思いは及ぶ。人の世を紡ぐ情景が薄れる風潮に、不況が追い打ちをかける昨日今日でもある。たとえ見えずとも想(おも)いは寄せられる元日月食に、行く年来る年を重ねながら除夜の鐘を聴く。

 春秋 西日本新聞 2009年12月31日
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2009年の十大ニュース、良いニュースと悪いニュースがあります・・・春秋 八葉蓮華

 「良いニュースと悪いニュースがあります」で始まるジョークが数通りある。悪いニュースが先に語られる場合が多い

 米国の国務長官もジョークの世界では悪いニュースからブッシュ大統領に報告した。「イラクが核兵器を開発しています」「良いニュースは何だ」「核の運搬手段はラクダです」(名越健郎著「ジョークで読む国際政治」新潮新書)

 機内放送も悪いニュースから先に告げる。「機長です。当機はただいまハイジャックされました。良いニュースは、彼はディズニーランドに着けるよう要求しています」(松田道弘編「世界のジョーク事典」東京堂出版)

 2009年の十大ニュースがきのうの本紙に載っていた。国内編の悪いニュースから先に拾ってみる。「政府がデフレ宣言」「失業率最悪で雇用不安」…。デフレ克服の期待も担った民主党政権がトップに選ばれた

 話を戻す。イラク編には次のような変型もある。「良いニュースと悪いニュースがあります。良いニュースは、イラクがわれわれのものになったことです」「悪いニュースは何だ」「イラクがわれわれのものになったことです」

 ことしの流行語大賞の「政権交代」は、むろん、良いニュースと信じる人々によって選ばれた。70%を超えて始まった内閣支持率が50%を割ったところで年が替わる。良いニュースが悪いニュースに替わって語られる年に来年がならないようお願いします。

 春秋 西日本新聞 2009年12月30日
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牝馬「男なんてなにさ」女性が活躍する人の世を映し見る・・・春秋 八葉蓮華

 初めて競馬場に行った時のことを、エッセイストの木村治美さんは「五月の風に誘われて」と題して書いている。阿佐田哲也編著「競馬狂想曲」(廣済堂文庫、1989年)から再録する

 東京競馬場が女性でにぎわうオークスの日だった。競馬のことは何も知らないのでレースの説明から受けた。〈オークスというのは4歳になったばかりの若い牝馬の競走です…

 1週間後にあるダービーも4歳ですが、牡馬でも牝馬でも構いません。オークスは牝馬だけ…〉。「ああ、女子大みたいなものだと思いました」と木村さん。「なぜか男をこばむのですね」

 馬の年齢は数え方が変わって当時の4歳は今は3歳になった。女子大生に例えられた3歳牝馬にも、近年は「男なんてなにさ」がいる。一昨年のダービーを牝馬で戦後初めて制したウオッカの名は、競馬ファンでない人にも知られた

 きょう行われるグランプリ・有馬記念は3歳牝馬のブエナビスタが1番人気に推されている。勝てば3歳牝馬では49年ぶり。有馬記念と牝馬、でいえば昨年は4歳のダイワスカーレットが牝馬として37年ぶりに勝っている

 きょうの結果がどうであれ、女性が活躍する人の世を競馬の世界に映し見る昨今ではある。と言うと寺山修司さんが泉下で笑うだろう。残した言葉の「人生」を「人の世」に置き換えると味わいが増す。「競馬は人生の比喩(ひゆ)ではない。人生が競馬の比喩なのだ」

 春秋 西日本新聞 2009年12月27日
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