2009年はバラク・オバマ氏の年だった、ということになるのだろう。1月に米国初の黒人大統領に就任し、12月にはノーベル平和賞を受賞することが決まった
4月にチェコのプラハで「核兵器なき世界を」と演説した。9月には最初のステップとしての決議案を国連で採択に導いた。地球温暖化対策での主導的取り組みも約束した。リーダーが代わればこうも変わる手本を示した
数万発の核兵器が減り始めたわけではない。理想を語っただけ、とみる人もいる。一国の指導者が平和賞をもらうことに対する疑問の声も以前からある。それでも米大統領が選ばれた
困難な取り組みを後押しするのはノーベル平和賞の形のひとつだ。これまで後押ししてきたテーマは民主化運動や貧困救済などだった。核と温暖化は困難さでは群を抜く。後押しのしがいも、されがいもある
悩ましい問題も生じそう。世界はこれから「二人のオバマ氏」を見ていくことになる。たとえば、軍縮の段取りを語る若き米大統領と、対テロとはいえアフガニスタンで戦争を続ける国の指揮官、の図。平和賞を後押しする国際社会はこの図とどう折り合いをつけるのか
2009年に絞っていえば、プラハでの演説を思い起こしたい。核爆弾を使った唯一の国としての道義的責任に触れていた。オバマ氏は11月に唯一の被爆国を訪問する。被爆地も訪れないと「オバマの年」は画竜点睛を欠く。
春秋 西日本新聞 2009年10月11日
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