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「新型インフルエンザ」感染症との闘いには恐らく終わりはない・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 「世界的大流行につながる可能性がある」という。感染が拡大中のメキシコ発の豚インフルエンザについて、世界保健機関(WHO)は警戒水準を1つ引き上げた

 つまりは新型インフルエンザと認定された。人から人への感染を広げる新型インフルエンザは20世紀には3度発生している。世界で数千万人が死亡したスペイン風邪(1918-19年)のことは一昨日の小欄で触れた

 死者約200万人のアジア風邪(57-58年)、約100万人の香港風邪(68-69年)が続く。長くとも40年後には新型が発生している。「次」はいつ発生してもおかしくなかった

 ウイルスは間をおいて「進化」を繰り返す。ほかの動物のインフルエンザウイルスがまず人に感染する。人の体内で増殖・変異し、人同士での感染力を備えた新型となって出現する。そういうことのようだ

 次の新型インフルエンザウイルスは「鳥インフルエンザウイルスが変異して出現する」と専門家の多くはみていた。感染症の謎を種々解明してきたうえでの人間の予測は、しかし外れた。ウイルスの進化能力は人知の及ばぬところなのだろう

 生物の発生と起源を一にする感染症との闘いには恐らく終わりはない。人間の能力が試され続ける。できることを謙虚に行う。それだけでも相当なことができる。無知から起きる無用のパニックは戒めたい。そのための心得は新聞やテレビが繰り返し流す。

春秋 西日本新聞 2009年4月29日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
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「どえりゃあ」税金を払っとるほうは苦しいが、税金で食っとるほうが極楽・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 地方が面白い。地方の指導者のことだ。期待を持たせる人が近年、あちこちで誕生している。国政が物足りないから目は自然に話題の首長に向く

 宮崎や大阪、千葉などが生んだ知事がやる気を競っている。市長ではおととい名古屋市長に当選した河村たかし氏が面白そう。民主党衆院議員時代は名古屋弁で包装した独自の主張が相当に個性的だった

 国政の場では国会議員の特権をやり玉に挙げ続けたことで知られる。今回は批判のほこ先を市会議員らに変えた。論理は一貫している。「税金を払っとるほうは苦しいが、税金で食っとるほうが極楽」

 自分で敵の壁をつくって体当たりするやり方も一貫している。かつての自称「総理をねらう男」は壁にはね返された。「古紙屋の長男」(自著から)をどえりゃあ差で勝たせた市民の支持を背に、故郷で壁に挑み直す

 「市民税10%減税」を公約した。本当にそんなことが可能なのだろうか。減収分は市役所の無駄を省いたりして補う計画と聞く。簡単に事が運ぶはずはない。それでも市民は思った。「やらせてみよう」

 やらせてみよう、と国民にひところ強く感じさせた民主党はといえば、主要首長選での連敗が止まって一安心らしい。当選者の個人人気を考えれば、のんきすぎないか。総じて、国民の期待を力にする回路が民主党の場合は肝心な部分で不具合を起こしているようだ。話が変な方向に行ってしまった。

春秋 西日本新聞 2009年4月28日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

世界保健機関を中心にした“人類防衛軍”あわてず騒がず冷静に・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 70年ほど前、米国のラジオが突然「火星人襲来」を告げた。SF小説「宇宙戦争」を基にした番組だった。真に迫りすぎて大騒ぎになった

 地球外生物の襲来はSF小説・映画の題材になってきた。人間の想像力は、タコのような火星人からヒトもどきの異星生命体まで、さまざまな姿かたちの恐怖を生み出した。創造力というべきか

 お化けも怪獣も姿を現すまでが怖い。人それぞれの想像力が恐怖心を膨らませる。その伝でいえば目には見えない危険な生命体が一番怖い。地球外微生物の恐怖を描いた米映画もあった

 人類の現実的な敵は無論、地球内にいる。最大の敵は、顕微鏡でしか見えない病原微生物ではないか。地上に再三もたらした感染症の災禍を顧みて、そう思う。人類の歴史は細菌やウイルスとの闘いの歴史でもあった

 目下の敵にはインフルエンザ・ウイルスがまず挙がる。進化を重ねて新型を時々出現させる。前世紀前半に世界で数千万人を死亡させたスペイン風邪もそうだった。世紀が替わって久しい今は新型がいつ現れてもおかしくない

 メキシコで多数の死者が、米国でも感染者が出た豚インフルエンザがそうなのか。人から人への感染を含むという。豚ではなく鳥が想定されていたが備え自体が無に帰すほどではない。あわてず騒がず冷静に、と言う世界保健機関(WHO)を中心にした“人類防衛軍”がちゃんと対応してくれる、はずだ。

春秋 西日本新聞 2009年4月27日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

JR福知山線脱線事故「4月25日」が巡ってくるたびに・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 電車が大好きな少年だったという。小学生時代から日曜日には1人で電車に乗りに行った。親は心配したが、いつも夕方には帰ってきて体験を話してくれた

 乗った電車の切符を持って帰った。「きょうはこんな切符をもらったよ」と楽しそうに話していた。家族で秋田県に旅行に行ったとき、息子が駅員さんに「この切符をください」とお願いしていたのを母親は覚えている

 二十数年を経た2005年春、就職して家庭も持っていた息子の名を、両親は、兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で亡くなった107人の中に見なければならなかった。その人、斎藤満さんは37歳になっていた

 事故現場からのニュース映像に日本中が凍り付いた「4月25日」が巡ってくるたびに、107人にはそれぞれの日々があったことを、種々の報道であらためて知らされる。斎藤さんの少年時代のことは産経新聞で知った

 集めた切符は100枚を超えていた。事故後に探したが見つからず、昨年夏に空き巣被害に遭った自宅倉庫を整理しているとき不意に出てきた。小さな箱に電鉄ごとに分類されていた。国鉄時代の福知山線の時刻表と一緒に

 こんなに好きだった電車で、よく乗った福知山線で、どうして? 遺族は悲しみと怒りと無念を新たにした。自宅を訪れるJR西日本の幹部たちに両親は切符の束なども見せるそうだ。息子からのメッセージを感じてもらえると思うから。

春秋 西日本新聞 2009年4月26日
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「俳句は3尺の童子にさせよ」はなびはね ひらいたあとで へんじする・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 「きょうは俳句の話をします。みなさん声をあげて読んでください。〈なのはなが 月のでんきを つけました〉」

 「教師のための俳句読本」(蝸牛新社、2002年)は語り口調で書かれている。もう少し続ける。「菜の花畑の上にまんまるの月が出ています。月が菜の花畑を照らしていて、それを『月のでんき』と表現したのです」

 「BS俳句王国」を担当していた元NHKアナウンサー八木健さんが書いた。子どもたちの総合学習の俳句の指導書として出版された。春のうららに誘われてページをめくってみた。いい気持ちにさせられる

 さっきの〈なのはなが…〉は、この本にはそこまで記述はないが、出版元が同じ「小学生の俳句歳時記」を見ると小学1年生の句と分かる。〈わらびたち 空にむかって グーチョキパー〉は3年生。幼稚園児もつくれる。〈はなびはね ひらいたあとで へんじする〉

 幼心は花火とだって話ができる。「俳句は3尺の童子にさせよ」と言ったのは、俳句の世界で一番有名な松尾芭蕉だ。芭蕉の言葉に教わって児童に俳句をつくらせている学校の話も聞く。八木さんは言う。子どもは「『対象になりきる』ことができる」

 動物になれる。1年生〈いなごとり だんだんねこに なるわたし〉、植物にもなれる。2年生〈しかられた みたいにあさの バラがちる〉。風にも。6年生〈そよ風が 花びらひとつ ぬすんでく〉

春秋 西日本新聞 2009年4月25日
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8850キロ「万里の長城」宇宙からも見える・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 紀元前に書かれた中国の文献に「うさぎは明月の精なり」とある。月では「うさぎが薬を搗(つ)いている」とも(諸橋轍次著「十二支物語」大修館書店、1968年刊)

 そういう記述がなされた時代に築城の起源を見ることができる世界文化遺産に「万里の長城」がある。「月からも見える」という言い方をされてきた。見た人がいるわけではない。うさぎから聞いたわけでもない

 何はともあれ・ともすれば、などの意味で使う「とかく」は漢字では「兎角」と書く。うさぎに角(つの)はない。兎角はもともと「あり得ない」ことの例えだ。「月から見える」もそのたぐいかと思われた

 中国では小学校で「宇宙からも見える」と教えていた、と聞く。2003年に怪しくなった。中国初の宇宙飛行士・楊利偉さんは「見えなかった」。翌年、米国人宇宙飛行士が撮った写真(180ミリレンズ)には写っていたらしいが…

 話を戻す。ものの例え方にもお国柄が出る。「兎角」を生んだ国は表現のスケールが何かと大きい。唐代の国民的詩人・李白の詩には「白髪三千丈」「千里を1日で」「万重の山」などが出てくる

 「万里の長城」は8850キロ、と中国政府は先週発表した。明代の長城を対象に塹壕(ざんごう)などを含めて総延長を調べ直していた。これまでより2500キロ長い。中国の現在の1里は500メートルだから「1万7700里」となる。従来の長さでも「万里」を超えていた。

春秋 西日本新聞 2009年4月24日
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DNA鑑定「逃亡者」たどりつける可能性がある犯人を許すのは時代に合わない・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 「逃亡者」と聞くと年配者のなかには米国のテレビドラマを懐かしく思い出す人もいるだろう。妻殺害容疑をかけられた医師が真犯人を捜して逃亡する物語だった

 モデルとなった事件が1954年に起きている。医師は嫌疑が十分に晴れないまま病死した。93年の同名の映画化をはさんで息子が父の無念を晴らす。無実が証明されたのは98年のことだった

 決め手になったのはDNA鑑定だ(福島弘文著「DNA鑑定のはなし」裳華房)。日本の警察も90年代初めに導入した。現在では「4兆7000億人に1人」の確率で識別可能になったという。もっとも、導入当初の鑑定精度は低かった

 90年、栃木県足利市内で女児が行方不明になり、河川敷で遺体で見つかった。警察は1年半後に殺人の容疑者を逮捕している。犯罪捜査に活用し始めたばかりのDNA鑑定が決め手とされた

 無期懲役が確定した受刑者は再審を請求中。一審途中で否認に転じていた。先ごろDNA再鑑定の結果が出た。決め手とされたものが受刑者のものと一致しないことが分かった、と先日報道された。再審開始の可能性が高まりそう

 DNA鑑定の進化は捜査の風景を一変させた。凶悪事件の公訴時効を見直す動きもそのひとつ。鑑定で犯人のDNA型を特定できた場合は時効を停止する案もある。たどりつける可能性がある犯人に、時効制度で「永久逃亡」を許すのは時代に合わない。

春秋 西日本新聞 2009年4月23日
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「極刑判決」裁判員は、迷いや苦痛にかかわっていく・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 米国の裁判には裁く側の席に陪審員がいる。ドイツやフランスなどには参審員がいる。日本では凶悪事件の審理に裁判員が加わる日が近い

 裁きへのかかわり方でいうなら裁判員は参審員と似ている。有罪か無罪か、有罪の場合は量刑を、いずれも裁判官と一緒に決める。米国の陪審員は、通常は有罪か無罪かだけを裁判官抜きで評決する

 犯罪統計に従えば日本の裁判員は死刑判決にもかかわっていく。参審員などとはそこが違うようだ。独仏には死刑制度がない。米国には死刑制度がある州が少なくないが、量刑の判断は通常は裁判官が行う

 職業裁判官でも迷いや苦痛なしに死刑判決を下すことが難しいのは洋の東西を問わない。一種神聖な職業意識があればこそ、と日本では考えられてきた領域に市民が入っていく。裁判員制度はそんな一面も持つ

 ことし1月に毎日新聞が行った全国世論調査では、市民が死刑判決に関与することへの反対が6割を超えていた。死刑求刑事件の裁判員になった自分を想像してみよう。例えばきのう最高裁でも死刑判決だった和歌山の「毒物カレー事件」

 動機が不明なうえに状況証拠だけでもプロの裁判官は1審から断罪してきた。それを可能にする高度な知識も判断力もない裁判員は多分うろたえる。そもそも、市民に極刑判決への関与を国が強いることはできるのか。以前からある疑問は、開始が1カ月後に迫っても消えない。

春秋 西日本新聞 2009年4月22日
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「日本に学べ」種々の評判をとっていることは案外知られていない・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 「日本に学べ」とオバマ米大統領は就任直後に言った。日本で喜んだ人はいない。1990年代に経済を沈没させた日本に「反面教師として学ぼう」という趣旨だった

 当時から日本政府を批判してきた1人、米プリンストン大のクルーグマン教授は先週「日本に謝らなくてはならない」と語った。米国の現状に照らせば日本のほうがましだった、のニュアンスが感じられる

 批判されることには慣れっこだからか、この種の報道にもホッとさせられる、と続けるのも悲しいが、近年の日本は実は種々の評判をとっていることは案外知られていない。以下、ざっと挙げてみよう

 中東の産油国カタールでは「日本に学べ」が合言葉だ。日本語のほかに礼儀、しつけなども日本式に教える学校の設立準備が進行中。北欧スウェーデンでは55歳以上での起業支援を「日本に習って」推進中と聞く

 先の地震で大きな被害が出たイタリアの新聞は、同規模の地震でも日本なら被害は少なくて済んだはずと報じた。もう1つ、キューバのカストロ氏が世界一連覇の日本野球を「厳しくて体系的」と評したことも加えておこう

 国際オリンピック委員会(IOC)は2016年の夏季五輪・パラリンピック招致を目指す東京での現地調査を終えた。「感銘を受けた」と話す委員もいた。「環境」などの理念に裏打ちされた計画が日本を見直す国際的流れを加速してくれれば、と思う。

春秋 西日本新聞 2009年4月21日
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「手紙付きの風船」手紙を植物の種などを添えて飛ばす・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 4月の青空には風船が似合う。そよ風に乗って高く舞い上がる風船は、いったいどこまで飛んでいくのやら、と想像を巡らすのも楽しい

 風船が日本にお目見えしたのは明治元年、と物の本にある。中国商人が横浜で売り出した。数年後に東京の物理教師が赤ゴムの小球に水素ガスを詰めて飛ばしたのが国産風船の最初とされる

 文明開化の風に乗ってやってきた風船は、空に舞い上がるさまで子どもたちの夢に羽をつけた。大人たちは、太平洋戦争中に米国本土攻撃用の「風船爆弾」を飛ばした。爆弾をつるした和紙製気球を偏西風に乗せたのだ

 風船は戦争も平和も映し出す。のどかな光景のひとつに「手紙付きの風船」がある。子どもたちが夢を書いた手紙を植物の種などを添えて飛ばす。遠くで拾って読んだ人が児童らと交流を始めるのも今ごろが多い。風船は春の物語もはぐくむ

 朝鮮半島では季節を問わず韓国から北朝鮮へ飛んでいく巨大風船が見られるという。北朝鮮の民衆向けの数万枚のビラ付き。脱北者らによる民間団体やキリスト教信者の人権団体などが、金正日総書記の私生活や健康悪化などを伝えようとしてきた

 先日は「ミサイル発射に要した費用で国民のための食糧がこれだけ買えた」と刷って飛ばしたそうだ。かの国で手にした人がどう思うかは知るよしもない。「手紙と種」のように、春の物語が芽吹くきっかけになる日は来るのだろうか。

春秋 西日本新聞 2009年4月20日
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「旭山動物園」知恵の出し方で地方も大都市に負けない・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 年度替わりの4月は3月までの各種データが発表される。東京・上野動物園の2008年度入園者は60年ぶりに300万人を割り、約290万人だった。前年度に比べて60万人も減った

 昨年4月に「最後のジャイアントパンダ」リンリンが死んだのが大きかった。上野に中国から初めてカンカンとランランの2頭が贈られたのは37年前。パンダがずっと主役を務めてきた

 パンダ人気で沸いたころは年間760万人を集めたことがある。ピークを過ぎても首都東京の施設として1882年の開園以来「入園者数日本一」は譲ったことがない。譲る日が近いのだろうか

 北海道旭川市の旭山動物園が十数万人差に迫った。近年遠方からも来園者を増やし、08年度も夏までは上野を上回っていた。秋以降の不況で再逆転された。レジャー施設は地方のほうが景気の波を受けやすい

 それにしても旭山動物園の名は広く知れ渡った。高速で泳ぐペンギンを水中トンネルの下から間近に鑑賞したり、ほかでは体験しにくい「行動展示」を年々増やしてきた。携わった1人、小菅正夫園長は先月末で定年を迎えた

 飼育係長だった1980年代は「動物園への予算は市民の税金をどぶに捨てるようなものと言われました」と振り返る記事を見て、思った。「何」を「どう」見せるか、知恵の出し方で地方の1施設も大都市のそれに負けないものになる。動物園に限らない。

春秋 西日本新聞 2009年4月19日
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思い出案内役「野球は芸術だ」芸術的な打撃術で安打数を増やす・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 野球で「安打製造機」と呼ばれた人は大抵、渋くて確実な打撃スタイルで語られる。通算安打数の日本記録を持っていた張本勲さんの「広角打法」は格別だった

 荒々しさも兼備していた。通算本塁打数が日本球界で上位の長距離砲でもあった。繊細で豪快。そんな打者がいたことを、安打数を日米通算で追い抜いたイチロー選手があらためて思い出させた

 安打数が並んだ日、大リーグの全選手は背番号「42」でプレーしていた。「42」で大活躍したジャッキー・ロビンソンが、黒人初の大リーガーとしてデビューしたのが62年前の同じ日だった。そんな選手がいたことをイチロー選手の記録挑戦を通して知った

 イチロー選手が思い出させてほしい選手はほかにもいる。テッド・ウィリアムズもその1人。「打撃の神様」とまで言われた。J・ロビンソンがデビューする6年前に4割六厘の打率を残している

 「4割打者」はその後いない。挑戦した人はいるが投球術の進化に阻まれてきた。新たな挑戦者が現れるとすれば日本から渡ったサムライ然とした男も候補、との声を数年前から日米双方で聞く

 T・ウィリアムズは「野球は芸術だ」と言い残した。芸術的な打撃術で安打数を増やす日本人選手が、打率の高みに挑戦する時、日本のファンも「最後の4割打者」のことを知る。いつかは自分も入る“世界野球博物館”の、イチロー選手は今は案内役でもある。

春秋 西日本新聞 2009年4月18日
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今の日本は「変」疑問符の付く事を拾うだけでもきりがない・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 日本人が日本語にさよならしようとしたことがある。本当の話だ。明治維新の前、幕臣前島密が将軍に漢字廃止を建言したことに始まるという(高島俊男著「漢字と日本人」文春新書)

 明治時代には英語を国語に採用しようと提唱、主張する人たちが出てきた。文部大臣も含まれる。西洋に倣え、の1つだった。日本語を捨てないまでも難解な漢字は廃止しようという声は、昭和の敗戦直後にもあった

 自国民にも評判が悪かった、と歴史が教える漢字の復権に一役買ったのが「漢検」、漢字能力検定だ。京都の日本漢字能力検定協会が1975年に始めた。年間の受検者は300万人に近づいていた。利益も膨らんだ

 膨らませすぎた。辞任に追い込まれた理事長と副理事長の親子には、協会の「私物化」も指摘される。税法上の優遇措置を受ける公益法人としてあるまじき事の数々。「公益」という漢字の意味を理解する能力に欠けていたとは、皮肉がすぎよう

 漢字復権を目指した人にしてそうだから、世間一般は推して知るべし。たとえば選挙チラシに「完全無所属」と書いて千葉県知事選に勝ち、看板に偽りありと刑事告発された森田健作氏の場合は? などと疑問符の付く事例を昨日今日の新聞から拾うだけでもきりがない

 年末恒例の「今年の漢字」について4月にうんぬんすると笑われるだろうか。昨年と同じ「変」が早くも浮かぶ今の日本はいよいよ変だ。

春秋 西日本新聞 2009年4月17日
地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

生還を祈るメッセージの束「生きていて」と祈る電子メッセージ・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 中国・四川大地震から来月で1年になる。発生翌日に廃虚から遺体で発見された女性がいた。天井の下敷きになった女性は4つんばいの格好で息絶えていた。体の下で赤ん坊が生きていた

 女性は携帯電話に「私のかわいい子よ」で始まる書き込みを残していた。命を振り絞ってキーを押し続けたらしかった。「もしあなたが生きられるなら、ママを忘れないで。ママはいつまでもあなたを愛しているのよ」

 状況はぜんぜん違うが、「生きていて」と祈る電子メッセージを、現代はさまざまな場面で生む。昨年2月、広島県の雪深い恐羅漢山でスノーボード中の7人が遭難した時もそうだった

 42時間後に全員救出された。圏外だった携帯電話がつながると、たまっていたメールが数十通入ってきた。「読んで涙が出た」という。家族や友人の励ましを、送信された時点では読めなかったけれど力はもらっていたのだろう

 生還を祈るメッセージの束が、おととい平戸沖で沈没した第11大栄丸の乗組員にも力を与えてほしい。行方不明者12人のうちの1人(31)が入っているネット上の会員制サイトには「帰ってきいや」などの書き込みが次々に、と本紙にあった

 その乗組員は「今日からまた海の上に行ってきます」と書き残していた。奥さんの友人らしき人はこんなメッセージを寄せている。「結婚するとき幸せにするけんって言うたやろ。帰ってこにゃ許さんよ」

春秋 西日本新聞 2009年4月16日
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「思いやり予算」引っ越し費用まで面倒を見る国は相当に珍しい・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 サケが川を上る際に起こす波動を、1メートルごとに立てたセンサーがとらえて電気に変える「サケ発電」が実現へ、と英紙が先日報じた。サケが100メートル泳ぐとやかん6杯分の湯を沸かせるとか

 同じ日に別の英紙はイングランド・サッカー界の新ルールを紹介した。試合で険悪な雰囲気にならないよう、ファウルした選手は相手選手にキスをし、昼食をおごることが義務付けられたという。日付は今月1日、といえば、もうお分かりですね

 そう4月1日恒例の「うそ記事」。今年も楽しませた。米国ではエープリルフールでもないのに昨年11月にこんな見出しが躍った。「イラク戦争終結」「社長の報酬制限法が成立」…

 14ページの偽新聞がマンハッタン地区で無料配布された。自由主義者団体が準備に半年かけ約120万部を印刷した。体裁はニューヨーク・タイムズ紙そっくりで、“報道”内容は願望を膨らませた空想だった

 次は日本。最新ニュースの1つ「在沖縄の米海兵隊グアム移転費用、負担法案が成立確実」を他国の人が見聞きしたら、おそらく「うそー」と言う。移転費用のうち28億ドルを上限に日本側が負担するという内容だ

 顧みれば「思いやり予算」の名で在日米軍駐留経費を肩代わりして30年になる。引っ越し費用まで面倒を見る国は相当に珍しい。「日本政府、打ち出の小づちを獲得か」と米国以外の海外紙がまじめに報じても不思議ではない。

春秋 西日本新聞 2009年4月15日
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春の高校バレーは九州勢(男子)都城工(女子)東九州龍谷が優勝・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 先月東京で開かれた高校バレーボールの全国大会(春の高校バレー)は九州勢が強かった。男子は宮崎県の都城工が優勝し、福岡県の東福岡が準優勝。女子は大分県の東九州龍谷が優勝した

 2回戦で敗退した沖縄県代表の伊良部・男子チームのことも知ってほしい。県立伊良部高は宮古島の西隣の伊良部島にある。沖縄本島から南西に約300キロ離れている。生徒数は県内で一番少ない

 部員も少ない。10人ちょっとと以前聞いた。平均身長は171センチとバレーボールでは小柄なほうだがジャンプ力では負けない。砂浜で子どものころから鍛えている。小さな島が培うチームワークも自慢の1つ

 一昨日のNHKテレビ「にっぽん紀行」が離島ゆえの困難を含めて紹介していた。監督は宮古島から通っていて、船便の関係で練習時間が限られる。生徒が自分たちで考えて練習することもある。近所の人たちが黒糖や料理の差し入れなどで応援してきた

 攻撃するためのトスを上げるセッター前原君と、エースアタッカー上地君(共に現在3年)の呼吸はぴったり。家が隣同士だ。一緒に遊び、一緒にバレーを始め、一緒に全国大会を夢見てきた

 沖縄予選の決勝では第1セットを落としている。上地君が徹底的にマークされた。前原君はほかのアタッカーにボールを散らして2セットを連取した。最後は上地君が決めた。「最後のトスは上地君に上げると決めていた」そうだ。

春秋 西日本新聞 2009年4月14日
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有名な山に登る人の集中「オーバーユース」山は“泣いている”らしい・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 山々は生きている。秋は「山粧(よそお)う」、冬は「山眠る」と擬人法で日本人は表現してきた。「山笑う」は木々がウフフと芽吹く春の季語。〈故郷やどちらを見ても山笑ふ〉(正岡子規)

 春は登山家でなくてもリュックを背に出かけたくなる。作家の深田久弥さんが「日本百名山」を雑誌に連載し始めたのはちょうど半世紀前のこと。単行本の後記に深田さんはこう書いた。「日本人ほど山を崇(たっと)び山に親しんだ国民は、世界に類がない」

 尊び親しむ心が荒(すさ)んできたのだろうか。日本山岳会の報告書「山の環境意識調査」を読んでの感想だ。ゴミ捨てや高山植物の盗掘などを嘆く人が多かった。山は“泣いている”らしい

 調査は昨年行われ、山岳会会員の3割強約1900人が回答した。問題の根っこには「オーバーユース」があるという。「過剰利用」。有名な山に登る人の集中を指す。混雑すればゴミなどもおのずから増える

 トイレの問題も含め、環境問題が深刻な山域では何らかの入山規制を求める人が7割を超えた。姿の美しさで世界に知られる富士山の世界遺産への道が険しい「悲しい現実」を憂える声もあった

 諸問題の背景には登山の大衆化がある。山を楽しむ人が増えるのは山国の必然といってもいい。尊ぶ気持ちが伴っていれば嘆く声も憂える声も聞かずに済む。日本に「海の日」があるのに「山の日」がないのはおかしい、という声も調査では聞かれた。

春秋 西日本新聞 2009年4月12日
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赤字国債頼み「花見酒の経済」勘定は合っている。無駄はねえや・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 きのうの福岡市内は葉桜に初夏のような日が差していた。ことしは花見に行けなかった、という話を多く聞く。古典落語で気分だけでも-

 「長屋の花見」がまず浮かぶ。長屋の連中に大家さんが花見の宴をプレゼントする話だ。ただし、お酒の代わりにお茶けで、とはさえない。景気がさえない2009年向きだったかもしれない

 「花見酒」という落語もある。たる酒を柄杓(ひしゃく)で売ろうとした男2人の話。運ぶ途中で1人が一杯飲む。相棒に払うお代は釣り銭用に1枚用意した硬貨を使う。そのうち相棒も「おれも」と、同じお金が行ったり来たり…

 花見の場所に着いたときには2人ともへべれけで、たるも空になっていた。財布の中は硬貨が1枚だけ。なんか変だな。酔った頭で考えた。「おれが買い、おめえが買って…」「勘定は合っている。無駄はねえや」

 このオチをもとにした「花見酒の経済」という言い方をよく耳にした。福岡出身の故・笠信太郎さんが朝日新聞論説主幹時代に高度成長の実体を危惧(きぐ)して書いた本のタイトルだ。経済用語ふうにバブル経済の際も使われた

 花見の季節に与党が打ち出した経済対策にも、落語のオチからは離れるが、危うさがにおう。財源の多くは赤字国債頼みだ。いぶかる声には「100年に一度の経済危機」を掲げて“控えおろー”とくる。選挙対策を兼ねて総選挙に勝ち、いずれ消費税増税で勘定を合わせようという腹か。

春秋 西日本新聞 2009年4月11日
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金婚式「感謝状を」国民の幸福を願い続けられた半世紀・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 結婚25年、一般に言う銀婚式を迎えられたときの記者会見から-。「妃殿下に妻、母親として何点くらいおつけになりますか?」「点数はつけられないが、努力賞をあげたい」

 会見場は笑いに包まれた。それを受けて美智子さまも「私も差し上げるとしたら、お点ではなく感謝状を」。記者たちはまたまた笑いをこらえきれず、両殿下も一緒にお笑いになったという(「天皇家のユーモア」光文社)

 お2人の何が皇室を変えたかがよく分かる。その5年後に即位した天皇陛下は、皇后陛下とのきずなをそれ以上は望めないくらい強いものにし、国民との距離もさらに縮めて、きょう結婚50年を迎えられる。金婚式

 国民の幸福を願い続けられた半世紀だった。地震などの被災地では人々を慰め励ます両陛下の姿があった。福祉施設でお年寄りの話にうなずくお2人を、特別な光景としてではなく思い出すことができる

 1970年代の沖縄訪問時の出来事も忘れられない。ひめゆりの塔の前で過激派が投げつけた火炎ビンが至近距離で炎を上げた。その日の訪問先に変更はなかった。「何があっても受け入れる」と話しておられたそうだ

 憲法に言う国の象徴になるため即位前から国民と苦楽を共にしてこられた。皇室内でのご心痛が多すぎないか。漏れ伝わる不協和音がそう思わせる。笑みに包まれた記者会見での両陛下をもっと見たい。国民の心からの願いだ。

春秋 西日本新聞 2009年4月10日
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色とりどりの真新しいランドセルを背負った新一年生・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 〈仲よし小道はどこの道…〉。童謡「仲よし小道」は昭和14年に作られた。〈いつも学校へ みよちゃんと ランドセル背負(しょ)って 元気よく…〉

 幕末に外国から入ってきた背のうをルーツとするランドセルは、明治以降に箱型になった。呼称は、背のうを意味するオランダ語のランセルからきている(日本かばん協会ランドセル工業会)

 背負い式の通学かばんは欧州で見られるが、日本にあるようなものはほとんどないという。色とりどりの真新しいランドセルを背負った新一年生が、今週は大勢、小学校の校門をくぐる

 旅を待つランドセルもある。児童と一緒に仲よし小道を通い続けたランドセルたちだ。頑丈だからまだまだ使える。押し入れで眠らせておくのはもったいない。呼びかけて3カ月余で約1万個が全国から寄せられた

 アフガニスタンの青空教室などの子どもたちに送られる。ノート、鉛筆、クレヨンをいっぱい詰めて…。ランドセルなどの素材メーカー・クラレや日本のNGO・ジョイセフ(家族計画国際協力財団)などが5年前に始めた。これまでに約5万個を送った

 日本の学童の思い出も詰まったランドセルが、異国の学童の夢を膨らませる手伝いをする。想像するだけで楽しい。来月上旬に船で海を渡る。子どもたちの元に届くのは例年通りだと秋ごろになる。国は何10年も戦火にさらされてきた。ランドセルと一緒に希望も届くといい。

春秋 西日本新聞 2009年4月9日
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「首脳会議G20」参加国が増えるほどに日本の存在感は薄れていく・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 先週ロンドンで開催された「金融サミット」は世界同時不況の克服策を話し合った。首脳が出席した国・地域の数を取って「G20」と呼ばれる

 グループを表す「G」の次の数字がいつの間にか大きくなった。最初は「G5」だったように記憶する。米英独仏と日本の5カ国だ。主要国首脳会議(サミット)はイタリアを加えた「G6」で1975年にスタートした

 サミットを提唱したフランスは「日本抜きでもいい」と考えていたふしがある(嶌信彦著「首脳外交」文春新書)。西ドイツの首相が、同じ敗戦国の日本の参加を主張したという

 サミットはカナダを加えて「G7」、ロシアを迎えて「G8」となって現在に至る。経済のグローバル化は8カ国では解決できないテーマを増やした。南米やアフリカからも参加する「G20」は、世界が抱えた問題の大きさを物語る

 参加国が増えるほどに日本の存在感は薄れていくのか。中国の存在がそう思わせる。「G20」のプレスセンターには主要都市の現地時間を示す時計が3つ掛かっていたそうだ。その1つはこの種の会議では通例の「東京」ではなく「北京」だった

 中国のあとにはインドやブラジルも控えている。サミットの「G8」も数を増やしていくはずだ。日米欧の三極構造も変わるのか。アジアの極は「ずっと日本だ」と世界に言わせたい。そう思って政策を語る政治家が日本にはどれくらいいるだろう。

春秋 西日本新聞 2009年4月8日
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「核のない世界」いつになるかは分からないが見果てぬ夢ではない・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 「私には夢がある」とキング牧師は半世紀近く前に演説した。「子どもたちが肌の色の違いによってではなく、中身で評価される国に住める日が必ず来る」という夢は、現実になった

 夢を体現したオバマ米大統領は5日、訪問先のチェコで演説し、夢を語った。「核のない世界を」。外交の柱にしていくという。世界で唯一、核を使用した国としての道義的責任にも触れている

 演説した日に極東では怪しげな物体が日本を飛び越えた。飛ばした国は弾頭ミサイル技術への自信を深め、その脅威に米国もさらされることになった。米大統領の演説は地球上にまた1つ加わった脅威にも向けられる

 世界にある核兵器の効果を全部確認しようとしたら地球が何個も要る。21世紀を人間の愚かさを証明する世紀にしてはならない。核廃絶は「私が生きている間は無理だろう」と言うオバマ氏は「しかし」と続けた。「見果てぬ夢ではない」

 キング牧師が夢を語った時ははかない夢物語かと思われた。オバマ氏の夢も「夢のまた夢」と今は誰だって思う。困難さを数え上げてばかりいたのでは何も変わらない。最初の一歩を省いて達成される夢など存在しない

 50年後か100年後か、いつになるかは分からないが、「核のない世界」を実現したあかつきには、かつて米国の指導者が演説したのがすべての始まりだった、と未来の地球人が2009年を振り返る時が必ず来る。

春秋 西日本新聞 2009年4月7日
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「軍優先」弾道ミサイル開発の陰で飢えに泣く国民・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 北朝鮮では「間もなく」が丸一日を指す場合があることを、きのうの「北朝鮮による飛翔体」打ち上げは教えてくれた

 などと悠長なことを言っている場合ではない。北朝鮮が「人工衛星ロケット」と言う飛翔体は日本列島を飛び越えて行った。先端部分が周回軌道に乗れば人工衛星ということになるのだが、さて

 日本を飛び越えたといえば、1998年の「テポドン1号」を思い出す。あの時は事前通報はなく、事後に「人工衛星を打ち上げた」と発表した。直後に新代議員による最高人民会議が招集されている。「祝砲代わり」の声を多く聞いた

 最高人民会議は国会に相当する。代議員の任期は5年で先月投票があった、と報じられた。会議の開催が近い。「祝砲代わり」説が、なるほどと思えてくる。お祝いの方法も国それぞれらしいことを教えてくれる

 ちなみに最高人民会議はお飾りでしかない。こんどの招集も金正日総書記の国防委員長再任が目玉という。だから「前祝い」にも力がこもる。北朝鮮は98年に憲法を改正して「軍優先」に転換した。その“成果”とやらを教えたくて仕方がないのだ

 教えられるまでもないこともある。弾道ミサイル開発の陰で飢えに泣く国民がいる実態を世界中が知っている。成果を1人の人間が独占する国は相手にされないことを、世界がひとつになって教えてやる番だ。そっぽを向いている隣国があるのが腹立たしい。

春秋 西日本新聞 2009年4月6日
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北朝鮮による飛翔体「誤認」水鳥の羽音に驚き慌てふためいた・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 「飛翔」と言うと大空を舞う鳥が浮かぶ。羽ばたいたり滑空したり…。自由に宙を行く鳥たちを大昔から人間はうらやましく思ってきた

 人間は鳥にもなれる。ライト兄弟が実際にやってのけてみせてから100年余が過ぎた。複葉機を地上から少し浮かせたときに人間が獲得した「翼」を、その後の歳月は、人間を宇宙に何カ月も滞在可能なまでに進化させた

 二足歩行動物のすることを今は鳥たちがうらやましく思っているかもしれない。うらやましがられるほどのことでは、じつはない。文明の利器の多くは功罪が一緒に語られる。「翼」に関する技術も例外ではない

 人工衛星などを打ち上げる技術は、一方で兵器の効果の及ぶ範囲を飛躍的に広げた。弾道ミサイルが先端を行く。核を搭載すれば、標的が別の大陸であっても、着弾地域一帯を消滅させることができる

 「北朝鮮がミサイル搭載用核爆弾の小型化に成功」と先月末に報じられた。「東京を火の海に」などと脅すのが好きな国のことだから、のんきに構えてはいられない。「ミサイル技術と北朝鮮」は、いまの世界で考え得る「最悪の組み合わせのひとつ」といっていい

 打ち上げを予告した北朝鮮が「人工衛星用ロケット」と主張するものを、日本政府は「北朝鮮による飛翔体」と呼んでいる。きのうの「飛翔誤認」はみっともなかった。水鳥の羽音に驚き慌てふためいたという平家の故事を思い出した。

春秋 西日本新聞 2009年4月5日
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小さな佐々町「春の甲子園」長崎県勢では初めて優勝した清峰高・・・春秋(nishi) 八葉蓮華

 「春の甲子園」と呼ばれる選抜高校野球は、時々、春風を思わせる学校の活躍に沸く。懐かしい校名の1つに四国の池田高がある

 準優勝した1974年の池田は部員が11人しかいなかった。「さわやかイレブン」と評判になったのを思い出す。80年代には「やまびこ打線」で優勝した。学校は徳島県の山あいの池田町にあった

 同じ徳島県の海南町が送り出した海南高(現在は海部高)が初出場で優勝したのは64年のこと。プロゴルファーになった尾崎将司さんが中心選手だった。海辺の小さな町が生んだ学校の全国制覇としても記憶される

 おととい、春夏を通じて長崎県勢では初めて優勝した清峰高がある長崎県北松浦郡佐(さ)々(ざ)町は人口1万4000人弱。春の優勝校の所在地としては「海南町に次ぐ小さな町で、池田町が三番目」という(日刊スポーツ調べ)。ちなみに3校とも県立である

 3年前の春には決勝まで進んだ清峰高が、0-21で負けたのは記憶に新しい。悔しさをバネに、自分たちで山から切り出した丸太を抱えて走り込んだ。練習後は地元漁協提供のいりこをもりもり食べる。古里の山と海から元気をもらって優勝した

 池田町と海南町はその後の過疎化で周辺町村と合併し、3年前にそれぞれ三好市、海陽町となった。かつて石炭で栄えた佐々町は長く続いた沈滞期を脱して人口も増加傾向にある。地域のパワーも選手たちを後押ししたのだろう。

春秋 西日本新聞 2009年4月4日
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「桜前線」夢いっぱいの子どもたちの笑顔が春には似合う・・・春秋 八葉蓮華

 ソメイヨシノの開花前線は関東・甲信地方を抜けた。これから東北にさしかかる。一番早かった九州もそうだったが、開花時期は例年より10日前後早いところが多い

 一昨日の本紙地域版に桜の写真がいくつか載っていた。博多湾に浮かぶ能古島では桜と菜の花の「競演」が見ごろという。佐賀県嬉野市内では、小高い丘の上の「100年桜」と丘の周りの茶畑が、絵のように美しい

 菜の花の黄色、茶の葉の緑…。ほかにもさまざまな色との組み合わせを、列島各地で見ることができる。桜の開花前線は土地土地の春の花や葉と競演しながら北上していく

 桜前線のかなり前を北上中の、もうひとつの前線がある。「梅前線」だ。例年、北海道の中央部で桜前線に追いつかれる。梅と桜を一緒に楽しめる地域もあると聞く。花見も2倍楽しそう

 北海道の余市宇宙記念館に植えられた「宇宙桜」ももうすぐ咲く。毛利衛さんと一緒に宇宙を旅した種から育った。宇宙飛行士といえば、先月から宇宙に滞在中の若田光一さんは先日、福岡の小中学生とも交信し、夢を持ち続けることの大切さを伝えていた

 夢いっぱいの子どもたちの笑顔が春には似合う。なかでも小学1年生のぴかぴかの笑顔が、桜にはやっぱり一番似合う。満開になるのも早かった福岡市内の桜の様子を、きのう小学校で見てきた。前夜の雨と風で花びらはかなり散っていた。入学式まで保(も)ってくれるといいが。

春秋 西日本新聞 2009年4月3日
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バスガイド「少女車掌」七五を口ずさめば日本語の味が湧き出る・・・春秋 八葉蓮華

 〈祇園精舎(しょうじゃ)の鐘の声 諸行無常の響あり…〉。朗読暗唱の定番「平家物語」は日本語のリズムを代表する。島崎藤村は〈まだあげ初(そ)めし前髪の 林(りん)檎(ご)のもとに見えしとき…〉と詩に詠んだ

 日本語のリズムは七五調を基本の1つとする。古典詩歌に始まり、歌舞伎のせりふでもおなじみだ。〈春のうららの隅田川…〉などと歌う唱歌の時代を経て、現代では標語のたぐいを含め、種々にぎやかな七五の調子が私たちの周りにはある

 大分県別府温泉では、「地獄めぐり」の亀の井バスのガイドさんが七五調で案内してくれるそうだ。〈ここは名高き流川 情けもあつい湯の町の(中略)旅館商店軒並び…〉と始まる名調子

 実業家の油屋熊八翁が昭和初期にスタートさせた。別府観光の礎を築いた熊八翁は行く先々で「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」と五七五で宣伝した。バス事業も手がけ、遊覧バスを発車させた

 ガイド役の女性は「少女車掌」と呼ばれた。日本で初の女性バスガイドとされる。1期生の1人、村上アヤメさんが先日亡くなった。98歳だった。約50通りある七五調の案内を晩年もそらんじることができた

 〈緑滴る絶壁を 背景とせる谷あいに…〉。七五調は古来、軽快優美を旨とする。別府のガイドからは一時消え、11年前に復活した。〈深くたたえし熱湯は 色紺ぺきの海に似て〉。七五を口ずさめば日本語の味が湧(わ)き出る。湯のように。

春秋 西日本新聞 2009年4月2日
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「支え合う輪」不安な時代には、実力があって職人肌の上司が好まれる・・・春秋 八葉蓮華

 4月。ワクワク感とドキドキ感を洗いざらしの気持ちできっぱり包み、新入社員・職員が新たなスタートラインにつく

 職場ではどんな上司が待っているのか。などと思うほどにワクワク、ドキドキは募る。どんな上司が理想なのだろう。著名人に例えたアンケート結果は、年によって違うらしい。ことしは、さて

  明治安田生命保険が男女約1000人に尋ねた。男性上司では野球のイチロー選手、女性上司は女優の真矢みきさんが共に初めて1位に選ばれた。同社は「なにかと不安な時代には、実力があって職人肌の上司が好まれるのでは」と分析している

 一昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」でイチロー選手がWBC大会をしみじみと振り返っていた。絶不調から脱したキューバ戦の試合前に次のようなことがあり、ジンときたという

 ストッキングをひざ下まで見えるようにした選手が何人かいた。「イチロースタイル」だ。独り苦しみ、一番先に球場に来て練習するチームリーダーを支えたい、と若い選手が思い立ち、ベテラン選手も加わった。気持ちをひとつにしてWBCを連覇した

 くだんのアンケートはWBC前のもの。1位に選ばれたイチロー選手の一時の悩める姿は、どんなに有能な上司でも常に結果を残せるわけではないことを教える。組織力の大切さも教えてくれる。支え合う輪には中堅社員も新人もない。ワクワクドキドキの新世界へ、ようこそ。

春秋 西日本新聞 2009年4月1日
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治安維持法がもたらした“生き地獄”戦時下最大の言論弾圧・・・春秋 八葉蓮華

 「おい地獄さ行(え)ぐんだで!」。暗示的な一言で始まるプロレタリア文学の代表小説「蟹工船」を、小林多喜二は1929(昭和4)年に雑誌「戦旗」に発表した

 劣悪な船上作業と労働者の団結を描いた。実際に起きた事件がもとになっている。若者の非正規雇用と新たな格差が社会問題になった昨年来、80年前の小説が再評価されてベストセラーになった

 「蟹工船」ブームは多喜二の悲惨な最期も思い出させた。特高警察の拷問で急死している。時代を支配した治安維持法を抜きに語れない。作家の非業の死から9年後の昭和17年に起きた「横浜事件」もそうだ

 雑誌「改造」に掲載された論文を、特高警察は共産主義の宣伝だとして出版社社員ら約60人を逮捕した。政治的謀議を行った、などの虚偽の自白を拷問で強要された被告たちは裁判で有罪判決を受けた。拷問で獄死した人もいる

 戦時下最大の言論弾圧とされる。被告遺族は名誉回復の無罪判決を求めて再審を請求してきた。再審は実現したが、判決は有罪無罪を判断しない「免訴」ばかり。同じ判決が昨日また1つ加わった。裁判所は先輩たちの過ちを認めたくないようだ

 治安維持法がもたらした“生き地獄”の中で死んだ多喜二の無念は、代表作の再評価などによって晴らされたように見える。同じ地獄を知る横浜事件の犠牲者・被告と遺族たちの無念は、晴らされないままに終わるのだろうか。

春秋 西日本新聞 2009年3月31日
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