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使命感。時代は変わっても時代が求めるものは変わらない・・・春秋 八葉蓮華

 その昔、日本でも大騒ぎになった感染症にコレラがある。初めて流行したのは江戸時代で、明治時代にはおびただしい数の患者を列島各地で繰り返し生んだ

 人が次々に倒れていくなかで職務に殉じた人の話も語り継がれる。佐賀県の唐津署に配属された熊本県出身の警察官が、犠牲者を多く出した入野村(今は唐津市)に派遣されたときの話を、小欄で紹介したことがあった

 その人、増田敬太郎巡査は1895(明治28)年、住民が恐れおののくなか、1人で遺体を背負い、不眠不休で埋葬に当たった。自分も感染して25歳で亡くなった。警察官になって7日目のことだったという

 同じような警察官の話を本紙福岡版が紹介していた。増田巡査の7年後、香春署(現田川署)に配属されていた中山長太郎巡査が、門司で殉職している。防疫活動を志願して派遣され、患者宅などを回っているうちに感染した。26歳だった

 明治時代のコレラ禍は数年に一度の割合で各地を襲ったといわれる。開通して間もない文明の利器・電話が「コレラ菌も運ぶ」とうわさされ、電話が鳴ると逃げ出す人もいた。そんな時代の話だ

 使命感。時代は変わっても時代が求めるものは変わらない。そのことを思い出させる1人、中山巡査は現在の福岡県篠栗町出身。町内に墓碑がある。知らない人が増えた。語り継ぎ直そう、と地元の粕屋署が先週、墓碑前で慰霊祭を開いた。

春秋 西日本新聞 2009年3月30日
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「定説」「新説」隠れていたエピソードも掘り起こされ・・・春秋 八葉蓮華

 知識を競うことの多い昨今「日本で最初に新婚旅行をしたのは?」程度の問題では、物知りでなくても「坂本竜馬とおりょう」と答えが出てきそう

 1866(慶応2)年のことだ。京都で薩長同盟を成立させた翌日、寺田屋にいるところを捕(とり)方(かた)に襲撃されて負傷し、温泉療養を兼ねて薩摩まで行った。高千穂峰にも登っている。これが新婚旅行のはしりとされる

 旅の様子を姉の乙女に手紙で書いている。よほど楽しかったのだろう。「真説の日本史 365日事典」(楠木誠一郎著、文春新書)によると、高千穂峰に登ったのは旧暦3月29日で、弁当の中身はカステラだった

 新婚旅行第1号の定説に対して新説が、と鹿児島に出張した知人が言うには-。竜馬たちより10年早く、薩摩藩家老の小松帯(たて)刀(わき)と妻お近が、定説のカップルも行った栄(え)之(の)尾(お)温泉に結婚直後に滞在したらしい

 竜馬とじっこんの間柄だった帯刀は「明治維新の陰の功労者」といわれる。竜馬と比べられると誰しもかすむが、帯刀の名前は昨年のNHK大河ドラマ「篤姫」などで知る人が増えた。隠れていたエピソードも掘り起こされた、ということのようだ

 竜馬は31歳で、帯刀は34歳で世を去った。夭逝(ようせい)していなければ維新後の国家建設は少し違うものになっていただろう。そんな2人が日本人の人生の一シーンを変える新婚旅行の範を示してくれていた、と思えるところが楽しい。

春秋 西日本新聞 2009年3月29日
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「悪法もまた法なり」法律で認められており・・・春秋 八葉蓮華

 人、運、徳、夢…。眺めがよくなる漢字を並べてみた。それぞれの頭に、ある漢字1字を載せると景色は暗転する。どんな漢字かお分かりですか

 それは「悪」。悪人、悪運、悪徳、悪夢…。悪がつく熟語を挙げれば、ほかにも悪質、悪事、悪党、悪趣味、悪循環などきりがない。わると読ませる悪知恵などもある。具体的な例が日替わりで日本のメディアをにぎわしている

 名言にも出てくる。古代ギリシャの哲学者ソクラテスは言った。「悪法もまた法なり」。言葉で若者たちに害毒を与えたとして公開裁判で死刑判決を受け、自ら毒を飲んで命を絶ったとき、そう言い残した

 時代を超えて使われる。先日、香川県の真鍋武紀知事も使った。国から請求された「直轄事業負担金」について「法律で認められており、悪法もまた法なので支払わざるを得ない」(四国新聞)

 国直轄の公共事業費は地方自治体が一定割合を負担する、と地方財政法は定めている。国土交通省は出先機関が移転する先の改修費約20億円のうち約7億円を香川県に請求した。「庁舎の改修費まで?」の声が上がった

 自治体への国の請求総額は年間1兆円を超える。政府の地方分権改革推進委員会のヒアリングで、大阪府の橋下徹知事は「ぼったくりバーみたいな請求書だ」と批判した。悪態をつきたくなるのも無理はない。悪法にあぐらをかいた悪乗りを国がやめることから改革は始まる。

春秋 西日本新聞 2009年3月28日
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ミサイル防衛(MD)計画、試さずに済むものなら・・・春秋 八葉蓮華

 降りかかる火の粉は払わにゃなるまい、とばかりに防衛大臣は自衛隊に対して「空からの『侵入物』」があった場合は迎撃して破壊するよう命令を出すそうだ

 「侵入物」とは来月4-8日の間に北朝鮮が発射を予定している弾道ミサイルを指す。北朝鮮政府は「人工衛星を運搬するロケット」と主張している。「過去の例に照らせば長距離弾道ミサイル」と国際社会はみている

 長距離弾道ミサイルであれ何であれ、むやみに撃ち落とせるものではない。ミサイルやその一部が「誤って日本領土や領海に落下して被害が出る恐れがある場合」に限っての迎撃命令という

 二段構えらしい。日本海にいるイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が大気圏外で迎撃する。それがダメなら大気圏内に再突入したところを地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で…。報道によると、そんな図だ

 ミサイル防衛(MD)計画と呼ばれている。2004年度から予算化され、1隻千数百億円のイージス艦を含めて着々と配備してきた。11年予定のシステム完成までには1兆円近くかかる

 新兵器を持てば試したくなるのは世の常。ただし、かけたお金に見合う成果が保証されているわけではない。政府筋は「鉄砲の弾を鉄砲で撃つようなもの」とまで言う。危険なゲームが好きな国を相手にあれこれ言うのも詮(せん)ないことだが、試さずに済むものならそれに越したことはない。

春秋 西日本新聞 2009年3月27日
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日本代表WBC2連覇「良き敗者」フェアにプレー・・・春秋 八葉蓮華

 北京五輪女子マラソンで2位になったヌデレバ選手は、自分の前に1人いたことを知らなかった。「全く見えなかった。彼女はうまくやったわ」

 女子柔道のドコス選手は常々「谷本とやるときは勝っても負けても1本で決まる。楽しいし、やりがいがある」と話していた。その谷本歩実選手に、北京五輪63キロ級決勝で投げ技で敗れて言った。「最後に彼女と戦えてよかった」

 「手元の英英辞典で『スポーツマン』を引くと」と、日本テレビ系「NEWS ZERO」のキャスター村尾信尚さんが以前コラムに書いていた。辞典にいわく「フェアにプレーし、グッド・ルーザー(良き敗者)である人」

 ワールド・ベースボール・クラシックでも、「良き敗者」が日本の2連覇の価値をいっそう高めてくれた。日本に敗れて準決勝に進めなかったキューバの監督は「彼らは私たちより上だった」

 決勝戦で9回に同点となる安打を放った韓国の選手は言った。「世界最高、最強のチームを相手にベストを尽くした」。感情むき出しで張り合ってきた関係にさよならするきっかけになれば、と思う

 中継した米スポーツ専門局は「日本と韓国は本物の大試合(クラシック)をした」と報じた。準決勝で日本に敗れた米国の選手の談話もいい。「これからチームに戻って、アジアの野球の強さを伝える」。幾通りもの「良き敗者」を生むにふさわしい日本代表の戦いぶりだった。

春秋 西日本新聞 2009年3月26日
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互いに「そのままそのまま」奇妙な「なぎ」はまだ続きそう・・・春秋 八葉蓮華

 きのうの続き。2009年春の国会を支配する奇妙な「なぎ」を、麻生首相に木枯らしが吹きつけたころに予測できた人が何人いるだろう

 郵政民営化をめぐる発言で小泉元首相を怒らせた際にも聞かれた政権党内の「麻生降ろし」の声は、いつの間にか収まった。解散・総選挙の早期実施を求めてきた民主党のゆさぶりもやんで、与党ペースのようにも見える

 1、2カ月前に海外出張に出た人が戻ってきた、とする。日本を離れたときは確かにあった「政権党の危機感」と「民主党の攻勢」はどうなったの? とミニ浦島太郎の心境になるはずだ

 政界天気図を支配する不思議な「なぎ」を生んだのは、解説を聞かなくても民主党の事情と分かる。小沢代表の資金管理団体の会計責任者(公設第一秘書)が西松建設献金事件に絡んで逮捕されたのが始まりだった

 きのう東京地検は公設第一秘書を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で起訴した。やましいことはないと語ってきた小沢氏は、党内で「党首続投」が大勢となったのを受けて続投の意思を表明した。奇妙な「なぎ」はまだ続きそう

 自民党は小沢氏が「大所高所から」と退いて民主党が若返る展開を恐れている。民主党は「麻生降ろし」が噴き出して首相が代わるのを恐れている。互いに「そのままそのまま」でにらみ合う。かつてない危機に国が直面している中では、いくら春とはいえのどかすぎないか。

春秋 西日本新聞 2009年3月25日
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低空飛行下で波乱なく進む奇妙な「なぎ」寂しい政界風景・・・春秋 八葉蓮華

 地元自治体は首相官邸に国有化を要望した…、と小欄で書いて3年になる。神奈川県大磯町の旧吉田茂邸のことだ。断られたらしく県が公園として整備する計画になっていたことを、一昨日の焼失で知った

 900平方メートル近い母屋が焼け落ちた。120年以上前に建てられた総ひのき造りの数寄屋風建物だった。吉田氏が首相時代に週末を過ごし、退いてからも1967年に亡くなるまで暮らした。「吉田御殿」と呼ばれてきた

 自身は「海千山千楼」と呼んでいた。海千山千の政治家らが出入りしたからだ。戦後史の舞台の1つになった。「大磯詣で」をした人には池田勇人元首相ら「吉田学校」の優等生の名もあった

 国のリーダーのもとに集まった人材が次のリーダーとなっていく。首相を退いたあとも政権政党の「先生」として「講義」を続ける。「吉田政治」の評価、功罪はさておき、「吉田学校」の光景は今となってはまぶしい

 日本建設を担い続けた自民党が往時の人的エネルギーを失い始めて久しい。経済はいいけど政治がネと、やゆされもした。寂しい政界風景は近年極まり、何もできないまま首相を辞める人が続く

 歴史的建造物の焼失という出来事を通して、その主が象徴した政治活力の消失も見えてくる。吉田元首相を祖父とする現首相は、政権半年を支持率10%台の低空飛行下で迎えながらも、国会は波乱なく進む奇妙な「なぎ」に支配されている。

春秋 西日本新聞 2009年3月24日
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旅立ちの季節、別れの季節「卒業式」の歌が流れた・・・春秋 八葉蓮華

 季節はメロディーつきでやってくる。旅立ちの季節、別れの季節でもある3月は列島中に卒業式の歌が流れた。記憶の中の卒業式の歌を浮かべた人もいるだろう

 歌った曲のアンケート結果が時々発表される。「仰げば尊し」を最初に挙げる世代が多い。近年は「旅立ちの日に」を歌うところが増えたようだ。「大地讃頌(さんしょう)」「蛍(ほたる)の光」「贈る言葉」などが続く

 「仰げば尊し」「蛍の光」は昔から歌われてきた。「旅立ちの日に」は、18年前、埼玉県内の中学校の定年が近い校長先生が書いた詩に、音楽担当教諭がメロディーをつけた。「贈る言葉」は-

 フォークグループの海援隊が作って歌った。1979年に放送が始まった人気テレビドラマ「3年B組金八先生」第一シリーズの主題歌として知られる。熱血の金八先生を演じた海援隊の武田鉄矢さんが作詞した

 〈暮れなずむ町の光と影の中、去りゆくあなたへ贈る言葉…〉。去りゆくあなた、は福岡での学生時代に武田さんが恋した女性のことだという。「フラれたときのほろ苦い思い出」と振り返っている(3月15日付の東京新聞連載「東京歌物語」から)

 〈人は悲しみが多いほど、人には優しく出来る〉。歌詞が羽を持ち、旅立つ若者に贈る曲にもなった。過ぎた日を重ねれば目頭が自然に熱くなるのは「仰げば尊し」や「旅立ちの日に」などと同じ。歌は世につれ、という。卒業式の歌も例外ではない。

春秋 西日本新聞 2009年3月23日
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レオナール・フジタ展「押さえると、へこむような」柔らかな絵肌の質感・・・春秋 八葉蓮華

 極東の島国の人がかつて文化先進の地で最初の足跡をしるした際のエピソードには、どの分野の話であれ、後世の人々には心地よく伝わる

 26歳でパリに渡って4年目の1917年、モディリアニの画商だった人の画廊で初めて開いた個展には、ピカソも訪れ、日本から来た男が描いた110点の作品を3時間かけて見ていたという

 名前を覚えられた青年藤田嗣治は、初の個展から2年後、パリ画壇を象徴する「サロン・ドートンヌ展」に出品した6点がすべて入選し、会員に推挙された。入選作はマティスらの作品と同じ部屋に展示された

 生誕120年の2006年に「芸術新潮」4月号が特集した中から引用している。初期の足跡にもう1つ加えるなら、藤田の名前を広く知らしめることになる裸婦像の「乳白色の肌」が絶賛されたのは、サロン・ドートンヌ展初入選から2年後のことだった

 「押さえると、へこむような」柔らかな絵肌の質感…。そんな言葉を、藤田は数多くの乳白色の裸婦像とともに残した。福岡市美術館で開催中の「レオナール・フジタ展」で鑑賞できる。4月19日まで(月曜休館)

 渡仏時から成功が約束されていたわけではない。第1次大戦が起きて日本からの送金は途絶えている。少年時代を熊本で暮らした人には寒さが厳しい冬は、自作を燃やして暖をとる日もあった。と知って種々の作品を目の当たりにすると一層味わい深い。

春秋 西日本新聞 2009年3月22日
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精神的なモヤモヤやイライラも「侍ジャパン」連覇まであと2勝・・・春秋 八葉蓮華

 不平・不満が解消すると気が晴れる。胸につかえていたものが取れるとせいせいする。そんなときの気分を「留飲が下がる、留飲を下げる」と言う

 留飲とはもともとは胃の調子が良くなくて酸性のげっぷが出ることを指す。げっぷそのものや胸焼けなども指した。精神的なモヤモヤやイライラも、たまりすぎると体に良くない

 先々週開幕した野球の国別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本代表チームは韓国代表チームを相手に留飲を二度下げた。その間の経緯を簡単に振り返っておく

 日本はWBC初代チャンピオンながら、韓国との対戦に限っていえば五輪を含めて昨年までは分が悪かった。かなり負け越している。今大会の最初の対戦でモヤモヤを晴らした。14対2の大差での勝利がそう感じさせた

 その後も巡り合わせで日韓の対戦が続いた。連勝した韓国選手は第1回大会で日本に勝ったときと同じようにマウンドに韓国の国旗を立てた。あのときと同様の屈辱を感じた日本選手が、きのうの韓国戦に勝って下げた留飲も小さくなかった

 選手と心をひとつにして応援を続ける人が少なくないだろう。5度目の日韓戦があるとすれば決勝戦だが、ともあれ連覇まであと2勝。勝ち進んでも敗者を思う気持ちだけは忘れまい。連覇を決める日にも、相手がどの国であっても敬意を表してたたえる。そんな「侍ジャパン」を見たい。

春秋 西日本新聞 2009年3月21日
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「石割桜」種独りで岩をも分かつ桜の花を咲かす・・・春秋 八葉蓮華

 若く明るい歌声に 雪崩は消える 花も咲く…。春を呼ぶ歌「青い山脈」。咲くのは「雪割桜(ゆきわりざくら)」と決まっている

 高知県の山里では、まだ雪が降る2月に咲き始めるツバキカンザクラを「雪割桜」と呼ぶという。ことしは例年より2週間ほど早く咲き、先月20日すぎに満開になって多くの観光客が訪れた

 「○割桜」といえば東北の「石割桜(いしわりざくら)」を思い浮かべる人もいるだろう。岩手県盛岡市の盛岡地方裁判所にある。古くは盛岡藩の家老の屋敷だった。エドヒガンザクラが今ごろ芽を膨らませる準備をしているころだ

 大きな庭石の割れ目にエドヒガンの種が飛んできて芽を出したのは350-400年前といわれる。花こう岩を割くようにして幹を太らせてきた。割れ目は現在も少しずつ広がっている、と以前訪ねた時に耳にした。岩をも分かつ桜の生命力を思う

 親と子を裂く話で続ける無粋をお許し願いたい。日本生まれのフィリピン人で埼玉県内在住のカルデロン・のり子さん(13)と、1990年代に不法入国していた両親が強制退去を命じられた件に、昨年秋の小欄で触れた

 のり子さんは日本語しか話せない。日本で両親と暮らせるよう、中学校の仲間たちも街頭署名を集めて嘆願した。親子一緒の在留特別許可は、かなわなかった。娘を独り残して両親は来月帰国する。お堅い石頭でも情の花を咲かすことはできる、というところを国は見せてほしかった。

春秋 西日本新聞 2009年3月20日
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「野焼き」のどかな山里の風物詩の裏にある厳しい現実・・・春秋 八葉蓮華

 先月オーストラリアで発生した大規模な森林火災は、地獄の炎もかくやと思わせた。200人を超えた犠牲者数が恐怖の極みを物語る

 「火がものすごいスピードで襲ってきた」と話す人が少なくなかった。車ごと火に包まれて命を落とした人もいた。逃げようとしたが逃げ切れなかったようだ。強風にあおられた炎が地上をはう速度を想像するのは難しい

 モノが動く速さは「時速○△キロ」で表されることが多い。炎はどうか。推測値として残されている例が、日本では1971年にある。広島県呉市で消防士18人が死亡した林野火災では、「毎秒約15メートル、時速約50キロだった」と伝えられる

 急斜面ではそのくらいのスピードで炎が駆け上がったという。襲われた人が逃れるのはまず不可能だ。林野火災は例年、空気が乾燥して風が強い春先に多い。強風下の発生でなくても、火災に伴う上昇気流が強風を呼び込む

 早春恒例の野焼きも1つ間違うと林野火災と化す。77年に北九州市・平尾台で消防士5人が亡くなっている。一昨日、大分県由布市で悲惨な事故が加わった。野焼きに参加した高齢者4人が斜面中腹などで死亡した

 山の緑を新しくするための野焼きは各地で行われている。山を守る営みも近年は人手が足りずに高齢者が携わらざるを得ないらしい。のどかな山里の風物詩の裏にある厳しい現実を、痛ましい事故で垣間見ることになるとは言葉もない。

春秋 西日本新聞 2009年3月19日
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言われたことができないタイプと、言われたことしかできないタイプ・・・春秋 八葉蓮華

 「パッとしない人間に2種類ある」。米国で出版業界の大立者といわれたサイラス・カーティスは言った。「言われたことができないタイプと、言われたことしかできないタイプだ」

 カーティスが従業員を数多く使って業績を伸ばし始めたのは19世紀末のこと。世紀が二度変わっても「パッとしない2種類のタイプ」の定義は通用する、と思う経営者を、平成不況が増やしたのではないかと想像する

 ある席でそのことを話したら「前者は救いがあるかも」と某社の幹部氏は言った。言われないところで進んでやる人かもしれないから、という。とすれば、言われたことしかできないタイプは当節いよいよ分が悪い

 カーティスの言葉は文春新書「すごい言葉」に収録されている。この本はこれまでも小欄で引用したことがある。出版社で経済誌の創刊などを担当した英語教育研究家の晴山陽一さんが、あまり知られていない「実践的名句」を集めた

 “分類”編には「中年の人々は次の3種類に分けられる」(英国王室医ロード・ドーソン)というのもある。「すなわち、まだまだ若い人。かつては若かったということを忘れてしまった人。そして若かったことが一度もない人」

 分類の変型も紹介しておく-。「君のオフィスではどれくらいの人が働いているんだい?」「半分くらいかな」。トップにこう答えさせる組織は官民を問わず今ごろ再生に忙しい、はずだ。

春秋 西日本新聞 2009年3月18日
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早く列島を駆け上がれ。春色の温かくなれる話題・・・春秋 八葉蓮華

 「枕草子」には「春はあけぼの…」とある。春は夜が明け始めるころが素晴らしい、と感じさせる季節がそこまで来ている

 お寒いニュースが続く2009年にも、春のあけぼのに通じる話題が増え始めてほしいものだ。などと大きく構えずとも、温かくなれる話題は結構ある。きのうの本紙筑豊版にはこんな話が載っていた-

 嘉麻市の60の商店でつくる「かまクローバースタンプ会」が、集めたペットボトルのふた約40万個の売却益をユニセフに託した。途上国で500人分のポリオワクチンを賄える。市内の小学生と中学生が協力してくれた

 以下は共同通信社のニュースサイト「47NEWS」から-。山形県・川西町の玉庭小中の児童生徒が先日、住民と一緒にタオルで校舎内を磨いた(山形新聞)。若い警察官たちが公共施設で始めた「タオルでゴシゴシ」が地域ぐるみに広がった。心も磨くことができる

 山梨県韮崎市からは、武田の里文化振興協会の「落語ワークショップ」で勉強した市民の話題。高校生から60代までの男女7人で、「三寒亭四温」などの高座名で卒業発表会を行った。“前座”を務めた講師の演目は「子ほめ」だった(山梨日日新聞)

 ことしの桜(ソメイヨシノ)の開花宣言第1号は、尋常でない早さで先週福岡市で聞かれた。日本の冬景色があんまり長いので急いだのだろう。早く列島を駆け上がれ。春色の話題をいっぱい持って。

春秋 西日本新聞 2009年3月17日
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「ジョークで読む国際政治」権力者への不満はジョークにくるんで憂さ晴らし・・・春秋 八葉蓮華

 一国の指導者をやゆして留飲を下げるのは、酒の席ならいざ知らず、品という点ではほめられた態度とはいえない

 政治ジョークの出番となる。イタリアのベルルスコーニ氏に登場してもらおう。小切手を換金するために訪れた銀行で。「身分証明書を」「あいにく持ってない。顔を見れば私と分かるだろう」…

 身分証明書を忘れたデル・ピエロ選手は頭と足で見事なボールさばきをして証明しましたよ、と聞かされ、「証明といわれても、くだらないことしか頭に浮かばないな」「それで結構です。証明になりました」

 権力者への不満は鼻のもやもやをチーンとかむのと同様にジョークにくるんでポイとやる。そんな憂さの晴らし方も悪くないな、と「ジョークで読む国際政治」(名越健郎著、新潮新書)を読みながら思った

 ジョークの世界で主役を張るには相応の人気も要る。汚職疑惑などで失った政権を奪回したベルルスコーニ首相もそんな1人だが、舌禍が絶えない。女性蔑視(べっし)が多い。先日も夫人がイタリア出身の仏大統領に「君の妻は私があげた」と耳打ちしてひんしゅくを買った

 下野していたときにベルルスコーニ氏がテロリストに誘拐された、とジョークは言う。首相あての脅迫状にはこうあった。「身代金を1億ユーロ払え。さもないと生かして返すぞ」。この種のものは固有名詞を変えれば応用が利くから他国の指導者・権力者たちも油断がならない。

春秋 西日本新聞 2009年3月16日
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技術の進化は、失いたくない思い出を過去のものにしてしまう・・・春秋 八葉蓮華

 数日前に紹介した今年の現代学生百人一首には次のような入選作品もあった。〈ふと見れば少し前まで使ってたぽつんとそこに公衆電話〉(高2)

 数年前の創作4字熟語の入選作に「荒愁電話」があったのを思い出した。携帯電話が街角の風景を変えた。会話の景色も変える。携帯同士の若者の会話には敬語はまず出てこない。話したい人が出るに決まっているから

 公衆電話は中高生にとっても特別なものだった時代がある。異性の友だちの家に電話すると、たいてい親が出る。「あの、その、○△さんを」。それでも何度か電話するうちに敬語の使い方も自然に覚えた

 話は変わるが、東京の大学などに通う九州出身者が故郷に公衆から電話するときは、ポケットいっぱいの硬貨が必要だった。硬貨の枚数で知る遠い九州との往復には主に寝台特急が使われた。きのうが最終便だった「はやぶさ」「富士」も

 帰省するときは九州にゆっくりと近づき、上京するときはゆっくりと遠ざかった。故郷をかみしめることができた。近づく際の心拍数上昇と遠ざかる際の切ない気持ちを、寝台特急が脚色してくれた

 赤青黄の公衆電話と、九州から消えた青い寝台特急はどこかで記憶が連結する。後を継ぐ文明の利器たちは目的の「相手」と「場所」にサッとつれていく。技術の進化は、失いたくないものまで過去のものにしてしまう。補う知恵も細りがちなのがもどかしい。

春秋 西日本新聞 2009年3月15日
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ロサンゼルスに上陸「かい―の」地球をぐるっと一周する地球マラソン・・・春秋 八葉蓮華

 100キロ程度の距離でびっくりしてはいけないのだそうな。“ウルトラマラソン”のことだ。250キロのギリシャ・スパルタマラソンやアフリカのサハラ砂漠横断マラソンなど、世界にはいろいろあるらしい

 史上最長のマラソンがお目見えした。「アースマラソン」。地球マラソンだ。地球をぐるっと一周するという。挑戦するのがお笑いタレントの間寛平さん、と聞いたときは壮大な笑いのネタかと思ったが…

 わて本気やで、と大阪から千葉まで軽く走り、そこから元マネジャーとヨットで太平洋に出たのが今年元日。先日ロサンゼルスに上陸し、まずは米大陸走破の旅に出る

 寛平さんはギリシャ・スパルタもサハラ横断も経験済み。走る距離の長さでこの人にかなう人はそうはいない。予定では4カ月かけて米大陸を横断したあと大西洋をヨットで渡り、ユーラシア大陸を走って2011年春までには大阪に戻る

 と書くのは簡単だが、自分で走る距離はおよそ2万キロに及ぶ。1日に50キロは走りたいという。4年前に思い立って体をつくってきた。挑戦する気持ちにさせた「60歳」の誕生日を今年7月に迎える

 大阪の出発式では「何年かかっても必ず帰ってきます」と話していた。太平洋を横断中のヨットからの映像では「(風呂に入れないから)かい―の」と得意のギャグで笑わせていた。「アヘアヘ」で地球を一周するのだろう。世の中、明るくしてや―。

春秋 西日本新聞 2009年3月14日
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第2回WBC「番狂わせ」オランダがドミニカ共和国に2度勝って1次ラウンドを突破・・・春秋 八葉蓮華

 野球の起源をたどると18世紀半ばの英国に行き着く。当時の子ども向けの出版物に「ベースボール」という語が出てくる。クリケットから派生した子どもの遊びだった、という(平凡社「世界大百科事典」)

 海を越えて伝わった米国でスポーツとしての姿かたちを整えて現在の人気を得た。欧州では野球は米国のスポーツと思われていて、する人も見て楽しむ人も少ない。2012年のロンドン五輪から野球が消えるのは皮肉

 五輪種目への早期復活が関係者の一番の願いだ。ベースボールと聞いて「何?それ」と言う人を欧州で減らすことが近道といわれる。欧州で生まれた五輪には欧州の意向が反映されやすい

 第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、欧州人におやっと思わせている。オランダがドミニカ共和国に二度勝って1次ラウンドを突破した。ドミニカは大リーグのスター選手でチームを組んで優勝候補だった

 WBC史の初頭を飾る番狂わせは、大リーガーが1人もいない欧州の国によって成し遂げられた。痛快事といっていい。イタリアもカナダに一度勝って驚かせたことと併せ、欧州内の空気が変わる大会になってほしい

 日本も進出を決めた2次ラウンドは来週行われる。日韓とは別の組に入ったオランダも気になる。五輪を横目に応援すれば楽しみ方が増す。「負けるな!ニッポン」に「がんばれ!オランダ」を加えたくなる。

春秋 西日本新聞 2009年3月13日
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卒業証書「授業料の滞納」一歩ずつ大人になっていくたびに・・・春秋 八葉蓮華

 この欄でも毎年紹介している現代学生百人一首(東洋大主催)への応募数は毎年6万前後を数える。小学生から大学生まで幅広い。一番多いのは高校生で、22年目の今回も7割近かった

 〈ピタゴラス笑ってくれても構わない斜辺でコケて滑る私を〉〈悔し泣き肩を叩(たた)いた親友がそっとつぶやく1人で背負うな〉。高校生の入選作を読み返している。〈一歩ずつ大人になっていくたびに母の涙に気付いてしまう〉

 ハイティーンが詠むみそひともじの世界には、私のほかに友だちや家族が出てくる。先生を抜きにしても3年間は語れない。〈チョークの字筆圧あつくて消しにくい伝わってくる教師の情熱〉

 応募は秋に締め切られる。したがって自分の卒業式を詠んだ高校生の作品はない。詠めるものなら〈デジカメのメモリー全部いっぱいですあふれるようなみんなの笑顔で〉のような作品も寄せられるだろう

 悔し涙の卒業式になった18歳がいる。卒業証書をもらえなかったり回収されたりした人が山口、山梨などで相次いだ、と最近報道された。県立高校も含まれる。理由は授業料の滞納。卒業証書はいつから領収書代わりになったのか

 ことしの現代学生百人一首の入選作にはこんなのも。〈ありがとうたった五文字の日本語が100の気持ちを届けてくれる〉。「100の気持ち」を持って受け取り、先生たちも万感を込めて贈る。それが卒業証書というものだろう。

春秋 西日本新聞 2009年3月12日
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「ドナ・ドナ」北朝鮮に連れてこられた彼女自身の境遇を歌っているようでした・・・春秋 八葉蓮華

 人里離れた工作員養成所で初めて会った時のことを、金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員は「李恩恵(リウネ)先生は私の手を取り、(中略)とても人恋しそうだった」と回想している

 李恩恵と呼ばれていた日本人女性と2年近く共同生活をした。日本語などを習った。歌も教わった。気がめいった時や酒に酔った時にいつも聞かされた歌もあったそうだ。「ドナ・ドナ」という歌だ

 ある晴れた日、市場に続く道を荷馬車で子牛が売られていく。そんな歌詞の曲だ。「北朝鮮に連れてこられた彼女自身の境遇を歌っているようでした」(自著「忘れられない女(ひと)―李恩恵先生との20カ月」文芸春秋)

 李恩恵は拉致被害者田口八重子さんと分かっている。東京で働いていた22歳の1978年、幼子2人を託児所に預けたまま姿を消した。故国に残したわが子の誕生日には年齢を指折り数えていたという

 のちに大韓航空機爆破事件を起こす金元工作員が養成所を出たのは83年3月。何かお礼を、と思って贈った風呂敷兼スカーフを振って見送ってくれたのが、田口さんを見た最後になった。「86年に交通事故死した」とする北朝鮮側の説明を信じる人は日本にはいない

 拉致当時1歳だった長男飯塚耕一郎さん(32)は、田口さんの兄と一緒にきょう韓国・釜山で金元工作員と面会する。息子の32歳の誕生日も指折り数えたはずの母親と、日本で“再会”するに至るきっかけになればと思う。

春秋 西日本新聞 2009年3月11日
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「Qちゃーん!」菜の花や月は東に日は西に・・・春秋 八葉蓮華

 花形選手は文字通り花に例えられる。「王や長嶋がヒマワリなら」と野村克也さんは「おれはひっそりと咲く月見草」と現役時代に話していた

 シドニー五輪優勝、国民栄誉賞受賞…、とヒマワリのように輝いた高橋尚子さん(36)が、日曜日の名古屋国際女子マラソンを「ありがとうラン」と銘打って走った。シャツの黄色が、いまの季節だと菜の花を思わせた

 沿道を埋めたファンからは「Qちゃーん!」の声援と拍手がずっと続いた。手を小さく振って応えながら1000回くらい「ありがとう」とつぶやいたそうだ。最後まで笑顔が途切れることはなかった

 この大会を1位で終えた藤永佳子さん(27)が、ゴール直前に見せた大輪の笑顔、ゴール後は控えめに変わった笑顔も印象に残る。レースでは先頭集団から離されかけるたびに顔をゆがめて追いつき、追い抜いた

 長崎県立諫早高校時代に世界選手権5000メートルに出場してから、はや10年になる。故障に泣かされた。もう走れない、と何度も思った。これまで支えてくれたすべての人にありがとうの気持ちを伝えたくて走った初マラソンで、世界選手権の切符をつかんだ

 レースを見た数時間後、福岡市内の海岸まで散歩した。太陽は西に傾き、反対側では雲の切れ間を月が昇り始めていた。まだ明るい空に控えめに昇る丸みを帯びた白い月が、どこか藤永さんの笑顔と重なった。〈菜の花や月は東に日は西に〉(与謝蕪村)

春秋 西日本新聞 2009年3月10日
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「たばこは心臓を狙う銃のようなもの」きょうも元気だ、たばこがうまい・・・春秋 八葉蓮華

 伝えられる種々のニュースの真偽がつかみにくい国のことだから、いちいち驚いたりしていたらきりがないが、それでも今回は「アレレ」となった

 朝鮮中央通信が先月下旬、金正日総書記がたばこを吸っている写真を配信した。たばこ工場を視察したときのものという。健康悪化が報道されたあとの「回復ぶりをアピールするのが狙い」ともいわれる

 右手で持ったたばこをうまそうにくゆらせている、ように見える。日本では「きょうも元気だ、たばこがうまい」という言い方があった。北朝鮮でも同じなのだろうか。いや、そんなはずはない

 総書記が愛煙家として知られたのは過去の話だ。禁煙した、と何年も前に聞いた。再び吸い始めたという話は聞かない。「たばこは心臓を狙う銃のようなもの」と周辺に話したこともあるやに聞く。などと考えれば考えるほど分からなくなる

 脇にそれるが、北朝鮮では「たばこ統制法」が施行されている。本紙ソウル特派員が3年前に「北朝鮮政府は喫煙者の大学入学資格をはく奪するなどの措置に乗りだした」と書いていた。禁煙パイプや禁煙栄養薬を奨励中とも

 なのに「国家ぐるみで偽たばこを密輸出中」(国連薬物犯罪事務所)らしい。日本の銘柄の偽物は日本以外の東アジアで売られてきた。偽札とともに外貨獲得の柱とか。ただでさえ虚実ないまぜなところに「偽○△」が交ざるから、いよいよ分からなくなる。

春秋 西日本新聞 2009年3月9日
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「国策捜査」自民党議員には波及しない、返金する動きが慌ただしい・・・春秋 八葉蓮華

 主語をぼかした報道が時たまある。「自民党首脳は…」「政府高官は…」「政府筋によると…」のたぐいだ。オフレコ扱いの懇談などで得た情報である場合が多い

 情報が独り歩きすると「いったい誰が?」となる。「政府首脳」発言が非核三原則の見直しと受け取られたことが7年前にあった。当時の福田康夫官房長官が「名乗り」出て、見直しと取られたのは真意でないと釈明した

 この数日は「政府高官」発言で揺れている。西松建設の違法献金事件が「自民党議員には波及しない」という趣旨でしゃべった。東京地検の捜査内容に通じているかのようにも聞こえる

 地検は小沢一郎民主党代表の資金管理団体の会計責任者を逮捕している。西松建設側から献金が渡ったとされる先には、複数の自民党議員の資金管理団体名があり、返金する動きが慌ただしい。そんな中での政府高官発言だった

 「いったい誰が?」と当然なる。名前が出たのが官房副長官で、元警察庁長官とくれば何やらにおわぬでもない。ついでながら「政府首脳」と「政府高官」の違いは、福田氏の当時の肩書と比較すればお分かりいただけよう

 高官発言は民主党が「国策捜査」と批判する中でのことでもあった。国内最強の捜査機関としての誇りを持つ東京地検特捜部は一連の発言をどう聞いただろう。オフレコを条件に、自民党側への飛び火を心配する政府首脳・高官がいるかもしれない。

春秋 西日本新聞 2009年3月8日
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ガンバレ九州!郷土意識を自然にかき立てられる・・・春秋 八葉蓮華

 サッカーJリーグがきょう開幕する。九州のチームが比較的多い2部(J2)はことしから3チーム増え、一部(J1)ともども各18チームで優勝を争う

 開幕カードは、J1は「大分対名古屋」、J2はきょうが「福岡対富山」、あしたが「熊本対草津」などと続く。チームには地域名が必ず付くし、地域名で報道されることが多いから、郷土意識を自然にかき立てられる

 本拠地をブロック別で見てみよう。J1は関東勢が半数近くを占めている。関西と東海が続き、九州は大分の1チームだけ。J2は九州が鳥栖、福岡、熊本の3チームを数え、関東に次いで多い

 昨年は、大分がナビスコ杯を制してタイトルの「関門海峡越え」を初めて達成し、リーグ戦でも最後まで優勝を争った。J2では鳥栖がJ1昇格を惜しくも逃している。今季は2年越しの悲願に再び挑戦する年になる

 昨年の福岡を鳥栖などと並べて書けないのがもどかしい。J2での順位を8位まで下げ、J1との距離が年ごとに遠ざかっていく。不協和音が漏れ伝わったし、ファンの歯がみも聞いた。一から出直すほかない。捲土(けんど)重来の手本を見せてもらいたい

 来年の今ごろは「Jリーグチームのある県」が九州で増えているかもしれない。昨年J2に加わった熊本と同じコースで昇格を目指すチームが長崎にもある。それぞれの戦いにどんなドラマが用意されているのだろう。ガンバレ九州!

春秋 西日本新聞 2009年3月7日
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虫たちも冬眠から覚める「啓蟄」心の空気を入れ換えたくて・・・春秋 八葉蓮華

 虫たちも冬眠から覚める啓(けい)蟄(ちつ)が過ぎれば春が近い。屋内で縮こまりがちだったヒトも、心の空気を入れ換えたくて…

 ふらりと旅にも出たくなる。本を友にして、などというのもいい。案内してくれる俳人、歌人、詩人には困らない。趣を変えて例えば「阿(あ)房(ほう)列車」シリーズの小説家内田百〓(〓は「門がまえ」に「月」)(ひゃっけん)あたりもあきさせない

 百〓(〓は「門がまえ」に「月」)が師とした夏目漱石の小説「三四郎」の主人公小川三四郎は、大学に入学するため福岡県行橋から上京した際、門司から海峡連絡船で山口県下関に渡り、東京行の列車に乗った…

 漱石の時代も織り込んだ作家関川夏央さんの「下関、駅と鉄道の物語」を面白く読んだ。無料情報誌「083」の最新第4号に収められている。毎号5万部を東京や大阪でも配布中。福岡市内は一部の書店、アクロス福岡の情報ひろばなどで

 発行元は下関市だ。市外局番から取ったという誌名と同様に、中身も意表を突く。行政のにおいはしない。テーマを決め、下関に引き寄せて特集してきた。「昭和のニホヒ」「芸のDNA」などと続き、配布中の第4号は「鉄道の魔力」

 毎号、巻頭に金子みすゞの詩が出てくる。その故郷は下関から遠くない。鉄道特集号の詩の題は「仔(べえ)牛(こ)」。〈ひい、ふう、みい、よ、ふみ切りで、/みんなして貨車をかずえてた。/いつ、むう、ななつ、八つ目の、/貨車にべえこが乗っていた。…〉。ゴトンゴトンと揺られる旅がしたくなる。

春秋 西日本新聞 2009年3月6日
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「総選挙」どちらがましか、の選択になってしまう・・・春秋 八葉蓮華

 「首相にふさわしい人物」を尋ねる世論調査で民主党代表が現首相を大きく上回るようになっていた。その人が疑惑の目で見られる展開になろうとは、政界はなるほど一寸先は何とやら、である

 小沢一郎民主党代表の公設秘書(資金管理団体の会計責任者)が東京地検特捜部に逮捕された。西松建設から多額の違法献金を受けた、という容疑だ。秘書は否認している。潔白を主張する小沢氏の記者会見は約40分に及んだ

 政権交代が現実味を帯びるなか、多くの国民は民主党代表の「国家再生策」を聞きたいと思っていた。なのに国が直面する問題ではなく自身に降りかかった問題についての説明を聞かされるとは…

 思えば、代表就任時や再任時は別にして、小沢氏が記者会見で縷々(るる)語ったのは一昨年秋に大連立が急きょ浮上、破たんした際の「辞任表明→撤回」以来ではないか。そんな巡り合わせになっているのだろうか

 大連立と辞任騒動のときのことを、民主党の幹部の1人は最近のテレビ番組で「まるで雲の上から『連立だ』『辞めた』と言われたようだった」と回想していたという。雲といえば小沢氏は漫画「浮浪(はぐれ)雲」の愛読者だ

 民主党が有権者からはぐれてしまうことを党幹部は恐れている。敵失に乗じる機会を逸することを恐れる空気が政権党内には当然出る。総選挙がいつ行われるにしろ、どちらがましか、の選択になってしまうことを一番恐れる。

春秋 西日本新聞 2009年3月5日
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「どん底ムード」最後の底が近いと信じて待つほかない・・・春秋 八葉蓮華

 景気は気から、と言う。来る日も来る日も悲観的なニュースを重々しく流しすぎてはいないかと、つい思ったりすることの多い昨今だ

 二段底や三段底は仮にあったとしても、底のない不況などあるはずがない。週明け後の株価下落が象徴するどん底ムードは、何段目かの底が抜けつつあるらしいことを示している。最後の底が近いと信じて待つほかない

 反転して上向く日は遠くない、と感じさせる動きや兆候をつないで伝えることが時々はあっていい。意識的に増やすのもひとつの方法だろう。不況を代表する業種であればなおいい。さしずめ自動車などはうってつけ

 米国の消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」が、2009年型モデルの部門別ベストカーを発表した。10部門のうち8部門を日本車が占めた。5部門で首位のトヨタのほか、ホンダ、日産、マツダの名がある

 地球環境時代が求めるグリーンカー部門の首位はトヨタのハイブリッド車の指定席だ。先月発売されたホンダのハイブリッド車も売れ行きは好調。未来技術でも最先端を行く日本車の、浮上の日が近いことを予感させる

 すそ野が広い自動車産業は地域経済を左右する。九州は自動車生産拠点だから日々実感できる。きのうの本紙(福岡県内)一面トップ記事は「トヨタ九州 派遣1000人直接雇用へ」だった。生産回復に備えた動きという。以上、無理して明るく書いたわけではない。

春秋 西日本新聞 2009年3月4日
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「私は新聞を読まない」「新聞を読む習慣を若いうちに」・・・春秋 八葉蓮華

 「新聞のない政府か政府のない新聞か、どちらを選ぶかと聞かれたら…」。米国独立宣言の起草者トーマス・ジェファソンが外交官時代に言った。「迷わず後者を選ぶ」

 佐藤栄作首相は退陣表明の記者会見で言った。「新聞記者の諸君とは話さないことにしている。偏向的な新聞は嫌いなんだ。帰ってください」。テレビカメラだけを相手に会見室で語り続けた

 “リーダーと新聞”をめぐる景色は国それぞれか。その後の日本には、番記者に「ばかなことを聞くな。ばかって書いとけ!」と言った首相もいた。現在の首相も新聞嫌いのようだ

 先週の衆院予算委員会で野党議員から「一国のトップリーダーが『私は新聞を読まない』と公言することがあっていいのか」と質問され、麻生太郎首相はこう答えた。「新聞には、しばしば偏っている記事が多いように思う」。佐藤元首相の場合と似ている

 「新聞のない政府」を望んだ指導者は、日本に限らず何人もいただろうし今もいる。かのジェファソンも大統領就任後はじつは新聞を毛嫌いする側に回った。指導者と新聞をめぐる景色は古今東西、総じてかくのごとし

 フランスのサルコジ大統領は先ごろ、18歳になる国民に「日刊紙を1年間無料配布する」政策を発表した。「新聞を読む習慣を若いうちに」と言う。大統領の個人的思惑が絡むにしても、異彩の放ちようが頼もしい。わが田に水を引くようで何だが。

春秋 西日本新聞 2009年3月3日
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「副振動」という耳慣れない自然現象・・・春秋 八葉蓮華

 東京ドームを枡(ます)にして、毎秒1回、日夜休まず海水をくみ上げたとする。全部くみ出すにはどれくらいの時間が必要だと思いますか?

 「海のなんでも小事典」(道田豊・東大海洋研究所教授ら共著、講談社ブルーバックス)は、そんな設問から海を語り始めている。答えは約3万5000年、と聞いてあらためて思う、海は広いな大きいな

 水の惑星を覆う海の水はいつも動いている。波浪、潮の満ち干、海流…。深層でのゆったりとした動きもある。海水を動かす力、要因もじつにさまざまだ。風、月の引力、水温、塩分の分布…

 先週は「副振動」という耳慣れない自然現象が繰り返し報道された。干満などによる「主振動」とは別の、気圧の変化などで発生するものを指す。港湾内で振動が増幅されて短時間に海面を昇降させることが珍しくない。今回は九州西岸部、離島でそうなった

 副振動が始まった先週前半は係留中の小型漁船転覆が相次いだ。潮位の激しい昇降が生む激流を想像する。150センチ前後を記録した昇降幅は次第に小さくなったが、昇降自体は週末まで観測された。こんなに続いた年は珍しいという

 副振動が起きやすい港湾は「よく響く楽器」にも例えられる。響き合う港湾内の海水の量は、海全体から見れば耳かき一杯程度もない。それでも何かの拍子につめ跡を残す。予測するのはまだ不可能らしい。海には知られていないことがたくさんある。

春秋 西日本新聞 2009年3月2日
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「現在に過去と未来」きみはいつだってコースを変えられる・・・春秋 八葉蓮華

 米国のロックバンド「ボン・ジョヴィ」の同名のリーダーは、ある大学の卒業式に招かれたとき次のような言葉を贈った(草思社刊「これから社会に出るきみへ」から)

 将来設計を精密に描けていなくても「ちっともかまわないよ。いいか、人生というやつはマラソンなんだ。人生行路がきみをどこへ連れていこうが、きみはいつだってコースを変えられる」。だから図面を引くときは「鉛筆でな」

 米アカデミー賞で短編アニメーション賞を受けた鹿児島出身の加藤久仁生さん(31)は、高校時代はロックバンドでドラムをたたいていた。画家志望を経てアニメ作家になった

 ドラムのスティックを鉛筆に持ちかえたのも象徴的。地球温暖化もテーマに取り込んだ受賞作「つみきのいえ」も鉛筆画だ。手書きの温かさがコンピューターグラフィックス全盛時代にはどこか心地よい。作品中の老人へのまなざしにも通じそう

 「この世に摩擦がないとどうなるか答えよ」と出題した中学の先生がいた。摩擦がないと鉛筆は滑って書けないから答案は白紙が正解だった。翻って思う。摩擦があるから書ける鉛筆は、現在に過去と未来がすれ合って生じる摩擦のたぐいを加藤さんの作品のように柔らかく包み直すことができる

 きょうから3月。卒業式の季節だ。自分の設計図を鉛筆でデッサンしよう。鉛筆のこころで人や社会と向き合おう。鉛筆から教わることはいくつもある。

春秋 西日本新聞 2009年3月1日
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