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犠牲をテーマ「塩狩峠」苦楽生死、均しく感謝・・・春秋 八葉蓮華

 のろのろと峠を上っていた列車が〈一瞬ガクンと止まったような気がした〉。三浦綾子さんの小説「塩狩峠」の一節。〈次の瞬間、客車は妙に頼りなくゆっくりとあとずさりを始めた〉

 最後尾の客車の連結器がはずれたのだった。逆走していく先には急こう配のカーブが待っている。「大変だ、転覆するぞ!」。恐怖に支配された客車は、しかし停止した。線路上に身を投げ出した男に乗り上げるようにして…

 1909(明治42)年2月28日、北海道・旭川の北にある宗谷本線塩狩峠付近での出来事だ。男は国鉄(現JR)職員の長野政雄。客として乗り合わせて殉職した。29歳だった

 キリスト教徒でもあった。遺言状となった書きものを肌身離さず持っていた。旭川の教会での葬儀で読み上げられた。「余は感謝して凡(すべ)てを神に捧(ささ)ぐ」で始まり、「苦楽生死、均(ひと)しく感謝」で終わる。日記類は「之(これ)を焼棄(しょうき)のこと」とも

 長野がモデルの小説「塩狩峠」は、資料が少ないなか、死後に発行された略伝や証言を基に書かれた。雑誌に連載する前に三浦さんは「犠牲をテーマに書いてみたい」と話していた(新潮文庫「塩狩峠」から)

 10年前に亡くなった三浦さんもキリスト教徒だった。四十数年前に三浦さんの出身地旭川の教会で、長野の部下だった人と知り合い、それがきっかけで小説を書くことになったという。事故からきょうでちょうど100年になる。

春秋 西日本新聞 2009年2月28日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
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目的が何であれ、便乗犯愉快犯であれ「悪質卑劣」暗くほくそ笑む・・・春秋 八葉蓮華

 商品サンプル類の郵送にご利用を、と日本郵便がPRしている厚紙の封筒エクスパックから、あろうことかライフルの銃弾のような金属物が…

 あて先は東京、札幌、長野、福岡の4都市のNHK放送センター・局だった。そんな商品サンプルを注文した職員はもちろんいない。福岡放送局あてのものは警察の調べで実弾とほぼ分かった

 封筒騒ぎの前日に福岡放送局では玄関付近で放火未遂事件も起きている。関連性は不明でも気味が悪い。4カ所への封筒には東京・神田郵便局の同じ日付の消印があり、同封された用紙には「赤報隊」と印字されていた

 「銃弾」と「報道機関」と「赤報隊」。20年ほど前の事件を思い出す。朝日新聞の本社などが連続して襲撃され、阪神支局では記者2人が散弾銃で撃たれて死傷した。犯行声明で「赤報隊」を名乗っていた

 テロ犯は逮捕されないまま時効になったが、「赤報隊」の記憶が薄れることはない。「週刊新潮」はこのほど、「実行犯」を名乗る男性の手記を連載で掲載した。朝日新聞社は「真実性なし」「虚言」と結論づけた検証記事を載せた

 記憶を新たにするなかでの今回の「銃弾」と「赤報隊」だ。目的が何であれ、便乗犯愉快犯であれ、悪質卑劣…と並べるのももどかしい。この種の事件ではいつもそう思う。脅されてひるむ報道機関などあるはずもないのに送りつけ、暗くほくそ笑むのは、ただただ度し難い。

春秋 西日本新聞 2009年2月27日
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「困ったときはお互いさまです」座礁・大破・沈没・・・春秋 八葉蓮華

 明治期半ばに和歌山県・紀伊大島沖で台風に遭って沈没したトルコの軍艦エルトゥールル号について、この欄で何度か書いた。島民による懸命な救助活動などはトルコで今も語り継がれ、日本との友好にまつわる話はくめども尽きない

 現在はトルコの民間研究機関などによる遺品引き揚げ作業が進行中。先日は調理鍋が回収され、公開された。残留物から「沈没前の最後の料理が推定できるかもしれない」と調査団は期待している

 親善使節団ら600人余を乗せたエルトゥールル号が、横浜から帰国の途に就いて間もなく沈没し、69人がなんとか救助されたのは1890年9月のことだった

 その一週間前、鹿児島県・沖永良部島の現・知名町沖でカナダの帆船トゥループ号が台風のため座礁・大破していたことを最近知った。長崎で荷を下ろし米国に向かう途中だった。乗組員22人のうち12人が死亡している

 救助された乗組員は島の民家で手厚く介抱された。着物を作ってやった人もいた。布が島民の2人分は要ったという。帰国する時、船長だった夫を亡くした妻は形見の指輪を出して言った。「何のお礼もできません。これを受け取ってください」

 島の人はこう答えた、と語り継がれている。「夫婦のきずなは永遠のもの。受け取ることはできません。困ったときはお互いさまです」。2年後、カナダ政府からお礼の言葉と品が島に届けられたそうだ。

春秋 西日本新聞 2009年2月26日
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「世界不況」博打に失敗してバブルがはじけたのが現在の姿・・・春秋 八葉蓮華

 「大変だ大変だ!」「どうした八っつぁん、騒々しい」「ご隠居! 株価が最安値を更新したって、えらい騒ぎで…」

 なんだかよく分からないが大変らしい、みたいな会話が市井でも聞かれそうな感じの株安である。ニューヨーク市場で約11年9カ月ぶりの安値をつけ、東京市場ではバブル後の最安値を一時下回った。底が抜けたのか

 米国発の金融危機で始まった今回のについて、なにがしかの総括をしておきたくなる。折よく季刊「環」(藤原書店)が冬号で特集している。その中から片山善博慶大教授(前鳥取県知事)の見立てを紹介する

 「米国の景気を引っ張ってきたのが虚業であったということが1つの教訓」とバッサリ。歯切れが良くて分かりやすい。若い片山さんには失礼ながら世事に通じた長屋のご隠居から教わる熊さん八っつぁんのような気分にさせられる

 矛先は金融工学に向く。コンピューターも使って金融商品を開発したりする学問のことだ。「金融工学といって、あたかも最先端の学問だという印象を与えるけど、しょせん博打(ばくち)を非常に巧妙にやる学問、博打工学なんです」

 博打に失敗してバブルがはじけたのが現在の姿だ。「富の生産や社会貢献、健全な投資が経済の中核にあるべきなのに、そこから離れて博打国家になってしまったことが一番問題」。当の米国を含めて世界共通の教訓にしないと同じ過ちをいずれ繰り返す。

春秋 西日本新聞 2009年2月25日
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「現金自動支払機」頼りにされている日本も泥沼がどこまで続くか・・・春秋 八葉蓮華

 世論や議会などとの「ハネムーン(蜜月)」期間は終わったのだろうか。新政権発足後の「100日間」は批判せずに見守るのが通例とされる米国で、今回はそうもいかない空気が漂う

 オバマ大統領になってまだ1カ月余。支持率は60%台を維持しつつも当初比では低下し、不支持が増加中。就任時の熱狂の中で「熱狂がさめたときが怖い」という声があったのを思い出す。さめ始めるのが早かったのか

 自動車産業の苦境など暗いニュースはこの1カ月もやまなかった。この間、新政権は過去最大規模の景気対策法を成立させた。それでも、目の前にある泥沼がどこまで続くか知れないことへの不安には勝てないようだ

 米国務長官の最初の訪問先に日本が選ばれ、しかも日本の首相が外国のリーダーでは最初にホワイトハウスに招待されたのには、もちろん訳がある。日米同盟重視の表れ、だけで説明しようとするのはかなりのお人よしだ

 景気対策法に必要な巨額資金を、米国は自力ではとても賄えない。国債を大量に発行する。買ってくれる国は限られそう。頼りにされている日本は、在沖縄米海兵隊のグアム移転費用を進んで負担してくれる国でもある

 日本はかつて「現金自動支払機」と呼ばれた。カードは今も自分たちだけが、と米国は思っているふしがある。首脳会談に臨む麻生首相には「そんな日本ではもうないよ」と渡り合う場面なりとも期待したいが…。

春秋 西日本新聞 2009年2月24日
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「人道に対する罪」人間はどこまでも残酷になれる・・・春秋 八葉蓮華

 時の政権が国民を大虐殺した歴史を、カンボジアはそう遠くない過去に持っている。忘れたいが忘れてはいけない過去を裁く特別法廷が、首都プノンペン郊外で始まった

 起訴状に被告名を最初に書かれるべきポル・ポト元首相は11年前に死亡している。1970年代後半に虐殺を行ったポル・ポト政権が崩壊してからだと30年になる。被告席には政治犯収容所の元所長がまず座らされた

 処刑や拷問、強制労働などで命を奪われた人は200万人ともいわれる。当時の人口のおよそ2割に当たる。困難を経てカンボジア政府が国連の協力で特別法廷を設置し、費用の約4割を日本が拠出した

 「人道に対する罪」などで裁かれる。人間の残虐さが暴かれる。それにしても、と思う。人間は一体どこまで残酷になれるのか。具体例を20世紀に限ってもいくつも挙げられるのがつらい

 独裁者の名を冠したものでいえば、スターリンの大粛清、ヒトラーのナチスドイツによるホロコースト、ポル・ポト政権による大虐殺…。カンボジアの犠牲者には知識人が多く含まれた。彼らが持っていた可能性が国ごと破壊された

 近年の高度成長が国の姿を一新させる一方で、30余年の歳月は悪夢を直接は知らない国民を増やした。特別法廷の一番の目的は、人間はどこまでも残酷になれることを示す歴史を自国が持っている、という事実を胸に刻み直す作業にあるのかもしれない。

春秋 西日本新聞 2009年2月23日
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しかって、ほめて、子どものしつけを地域ぐるみ・・・春秋 八葉蓮華

 鹿児島県の甑島(こしきじま)(薩摩川内市)には毎年大みそかの夜、トシドンと呼ばれる神に扮(ふん)した男たちが、小さな子どもがいる家々を訪れる

 鬼のような面をかぶって荒々しく訪れる。怖くて泣く子に「お母さんの言うこと聞いてるか?」「弱い者いじめをしてないか?」などと詰問し、良い子になると約束したら大きな年(とし)餅(もち)を与えて帰っていく

 事前に家を回って親から普段の様子を聞いておくのだ。こんないいこともしているよ、といった話も仕込んで、トシドンにほめさせる。しかって、ほめて、子どものしつけを地域ぐるみで行う

 地域ぐるみのしつけは昔は普通に見られたが次第に失われ、甑島のそれは1977年に国の重要無形民俗文化財に指定された。昨年秋には「雅楽などと一緒にユネスコの無形文化遺産の候補に」という報道もあった

 地域の宝をこの国は各地に持つ。先人の知恵の継承であったり、人そのものであったり、いろいろ。全国を訪ね歩いた「お墨付き!にっぽん遺産―日本人のルーツを探る」をテレビ西日本(福岡市)が作った。放送はきょう午後4時5分からフジ系列で。「食」や「技」もある

 トシドンに話を戻せば、現れた時の怖さは幼い子には残酷な気もする。番組から少しだけ紹介すると、昨年トシドンがやってきた家のおばあちゃんは、おびえて泣く孫を見やりながら言った。「かわいそうだけど、かわいがりすぎるのもダメですから」

春秋 西日本新聞 2009年2月22日
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誰にでも敬意を持って接する精神の大切さ・・・春秋 八葉蓮華

 第1次大戦時のドイツ人捕虜への人道的配慮で知られる板東俘(ふ)虜(りょ)収容所があった徳島県鳴門市の住民たちが、収容所兵舎の復元に取り組み始めた

 捕虜と地元住民たちとの交流は、2006年に映画になって広く知られた。建物の一部が移築・再利用されていたことが最近分かり、元の場所での復元を目指す。代表者は「誰にでも敬意を持って接する精神の大切さを発信したい」と話している

 同じように敬意を持って接した話が第2次大戦でも残されている。1942年、ジャワ島北方のスラバヤ沖海戦でのこと。日本海軍に撃沈されて漂流した英国兵422人が、丸1日が過ぎて生死の境をさまよっていた時…

 通りがかった駆逐艦「雷(いかづち)」が敵艦との遭遇を恐れず全員を救助する。油で汚れた体をきれいにしてやり、食料と衣類を提供した工藤俊作艦長は「あなた方は日本海軍の名誉ある賓客であり、勇敢に戦った」と英語で語りかけた

 日本では知る人もないまま歳月は流れた。救助された1人、元大尉のフォール卿(89)は忘れなかった。外交官を勇退したあと、各方面に当たって恩人の消息を尋ねた。糸を手繰るようにして昨年暮れに墓参がかなった

 近刊「海の武士道」(惠隆之介著、産経新聞出版)に詳しい。墓参後フォールさんは言った。「今でも工藤艦長の姿を思い浮かべることができる」。家族や友人、知人には折に触れて話して聞かせてきたそうだ。

春秋 西日本新聞 2009年2月21日
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大家族はますます昔物語「夫婦と子」世帯の割合も3割を切った・・・春秋 八葉蓮華

 50年以上続く長寿番組「きょうの料理」が、3月30日放送分から様子が少し変わる。材料の目安となる表示を「これまでは4人分だったのを2人分に減らします」とNHKが発表した

 4人分の料理を作る家庭が減ったためだ。2005年の国勢調査によると、一世帯の平均人数は約2.6人に落ち、今後も減ることが予想される。視聴者からも「材料の目安は2人分で」の声が寄せられていたという

 「きょうの料理」は1957年に「5人分」でスタートしている。65年からの「4人分」が半世紀近く続いていた。こんどは一気に半分になる。核家族化に少子化などが加わった日本の今を料理番組も映し出す

 ふと思う。変わることなく続くあれはどうなのだろう。国が政策立案や統計などで使う「標準世帯」のことだ。「夫婦と子ども2人」の核家族を指す。3世代同居の大家族に代わって戦後の標準的な世帯の姿とされてきた

 国立社会保障・人口問題研究所によると、標準世帯を含む「夫婦と子」世帯の割合は3割を切った。「単独」世帯が最多になったらしい。家族の原風景といっていい大家族はますます昔物語になっていく

 本紙漫画「ちびまる子ちゃん」は3世代世帯だ。大家族のせめて雰囲気だけでも、とくに子どもたちに伝えたい。おじいちゃんやおばあちゃんの話を、4コマ漫画とは別に楽しんでもらえる記事が、新聞に少しでも増えるといい。

春秋 西日本新聞 2009年2月20日
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「いちずなエネルギー」人と人とのきずなは、何か大きなものを生み出す・・・春秋 八葉蓮華

 父親が新聞を発行していた、と聞いてから歌手松山千春さんのことに関心があった。どんな新聞だったのかは、ずっと知らないままだった

 松山さんの自伝小説「足寄(あしょろ)より」を基に製作された映画「旅立ち―足寄より」(順次公開中)で、タウン紙だったことを知った。北海道・十勝の足寄町にある古い自宅兼仕事場に「とかち新聞」の看板を掲げていたという

 父が自分で取材し自分で活字を拾って印刷していた。千春青年は配達や集金を手伝った。生活は楽ではなかったが、家族とつくる風景が、北海道産シンガーの輪郭も形づくったようだ

 映画で知ったことがもうひとつある。発掘して育てる人が、当時の北海道にもいたということだ。当時とは1970年代を指す。自分で作り自分で歌う若者を列島各地で輩出した。陰にはたいてい地元ラジオ局のディレクターがいた。福岡が代表的な街だった

 数多くの若者を複数のディレクターが世に送った福岡の場合と違い、北海道の場合は1人の若者と1人のディレクターが、北の自然そのままにゆったりと夢と向き合った。夢がかなった初のコンサートツアー中にそのディレクターは急逝した

 人と人とのきずなは、歌の世界に限らず何か大きなものを生み出す。そんな時代のひとこまを、この映画を見て反すうすることもできる。そろばん勘定とは無縁のいちずなエネルギーが、日本にはあふれていた時代でもあった。

春秋 西日本新聞 2009年2月19日
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「失われた10年」「就任時は人気」反面教師として日本に学ぶ・・・春秋 八葉蓮華

 米国のオバマ大統領は日本について詳しくは知らない。専門家から“講義”を受けたと思われる。講師役にはガイトナー財務長官もいたはずだ

 ガイトナー氏は1990年代初めに東京の米大使館に勤務経験がある。バブル経済の絶頂から崩壊に至る2年間だった。90年代が日本にとって「失われた10年」と呼ばれた理由にも詳しい

 講義の成果を、先週の大統領記者会見に見ることができる。「大胆で迅速な対応」を怠った日本に触れたうえで、過ちは繰り返さない旨を強調した。反面教師として日本に学ぶ。そんな姿勢を米大統領が見せたのは珍しい

 大統領への講師役に近くクリントン国務長官が加わる。16日から日本を訪問中。長官就任後初の外遊先に選んだ同盟国で、「経済は一流だが」といわれたこともある日本の最新の政治風景を目の当たりにした

 危機克服の先頭に立つべき中川財務・金融担当相が醜態をさらして辞任した。世界が注視するローマでのG7後の記者会見で、ろれつが回らなくなって過度の飲酒を疑われ、帰国後は弁明に忙しかった。国民に恥辱を与えた大臣は、麻生首相の盟友だった

 さえない首相も就任当初は人気があったこと、日本の政界は一寸先は闇であること、も国務長官が帰国後に行う大統領への報告に含まれる。昨夜、個別に会談した首相と小沢民主党代表の印象も…。2人のうち大統領はどちらを先に聞きたがるだろう。

春秋 西日本新聞 2009年2月18日
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「地域の人のために」18歳が一斉に旅立つ季節が近づいた・・・春秋 八葉蓮華

 おとといの小欄で「17歳」のことを書いた。きょうは「18歳」。東京で18歳の高校生の消防団員が誕生した。しかも女子高生

 女性の消防団員自体は珍しくない。たとえば消防出初め式で伝統のはしご乗りを女性が披露する光景は今や各地で見られる時代である。それでも「高校生の女性団員誕生」となるとさすがに驚く

 新宿区・四谷消防団の飯星翔子さんと中越玲子さん。共に高校3年生だ。先日、辞令交付式が四谷消防署であった。高校生の団員は都内にも何人かいるが女性は極めて珍しい。大学に進学してももちろん続けるという

 消防団員は非常勤特別職の地方公務員だ。火災や震災などに際して消防署員と一緒に地域防災を担う。18歳から入ることができる。団員は全国90万人弱で最多時の半分以下に減った。会社員や大学生などに参加を呼びかけているところが多い

 女性団員数は年々増加中。10年間で2倍の約1万6000人になった。飯星さんと中越さんのように、小・中学生のころから地域の消防少年団で体験を積んできた人もいる。2人は準指導員として後輩たちの指導にも当たってきた。入団するのは自然な選択だったのだろう

 「勉強して救急救命士になりたい」(中越さん)、「地域の人のために活躍したい」(飯星さん)。頼もしい。2月も半分が過ぎて18歳が一斉に旅立つ季節が近づいた。一通りでない選択は社会を多様に支える。

春秋 西日本新聞 2009年2月17日
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「第2回WBCの開催」スポーツ中継の視聴率ベストテンに入る試合を見たい・・・春秋 八葉蓮華

 日本でテレビ放送が始まって半世紀余。スポーツ中継の視聴率「歴代ベストテン」を、先々週のテレビ朝日・報道ステーションが特集していた

 1964年の東京五輪女子バレーで優勝した「東洋の魔女」たちの決勝戦が66.8%で1位という。2位は、サッカーの日本代表がワールドカップで初勝利を挙げた2002年日韓大会の対ロシア戦の66.1%だった

 1962年に調査を開始したビデオリサーチ社の数字だ。プロレスの力道山対デストロイヤー、ボクシングのファイティング原田の世界戦が60%台で続く。「日の丸飛行隊」の札幌冬季五輪、千代の富士が初優勝した時の大相撲、などが50%台で競り合っている

 そのなかに野球は入っていない。ふだんの人気を思うと意外な気がする。人気で野球を脅かすサッカーは上位に複数入っている。日の丸をつけて試合をする機会がサッカーと野球では違うせいだろう

野球の日本代表が世界を制した2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦は、視聴率43%だった。野球の日の丸チームに対する応援は、回を重ねるほどに盛り上がっていくものと思われる

 第2回WBCの開催が迫った。チャンピオンチームの代表候補選手はきょうから宮崎で合宿する。前回とは本気度が違う米国や宿敵韓国などとの対戦が待ち遠しい。視聴率で野球が初めてベストテンに入る試合を見たいものだ。

春秋 西日本新聞 2009年2月16日
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「17歳になったばかりの笑顔」米ハワイ沖で米原潜に衝突された事故から8年・・・春秋 八葉蓮華

 歌や映画などのタイトルに一番よく出てくる年齢は、おそらく17歳だろう。10代の若者を表す英語のティーンエージャーのなかでもセブンティーンは特別の響きを持つ

 17歳の高校2年生4人が、2001年2月9日(日本時間10日)に異国で帰らぬ人となった。愛媛県立宇和島水産高の実習生だ。米ハワイ沖で米原潜に衝突された実習船・えひめ丸とともに海に消えた。乗組員、教官ら5人も亡くなった

 実習生の水口峻志(たけし)さんの遺体だけが見つかっていない。船内捜索のためいったん引き揚げられた実習船は、いまはハワイから遠く離れた深さ1800メートル以上の海底に眠っている。犠牲者の霊と一緒に

 船内から回収された遺品の中に水口さんのデジタルカメラがあった。復元された写真のうち何枚かは、その年のうちに報道機関に公開された。水口さんが写っていないものに限られた

 事故から8年。慰霊式があったハワイで、父親の龍吉さん(56)は息子が写っている写真などを共同通信に提供した。家族だけの宝にしてきたが「毎年、ハワイで峻志の誕生会を行うなかで、(公開しても)本人が許してくれるのかなと思った」

 船上で誕生日を祝うケーキの前で「誕生日イン・ハワイ、なんちゃって」とおどける姿も収められていた。事故に遭う2日前のことだ。活字では伝えきれないのがもどかしいが、17歳になったばかりの笑顔の、なんと輝いていたことか。

春秋 西日本新聞 2009年2月15日
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世界の不安要因に氷解の兆し、「リンカーン生誕200年」・・・春秋 八葉蓮華

 「世界で一番薄い本は、英国の料理の本、中国の人権史…」。そんなジョークがある。スイスのジョーク集なども挙がる

 美術史で挙げられる米国は、ジョーク集だったら一番厚いかもしれない。米国をダシにしたジョークを含んでの話だ。本の厚みを増すのにジョージ・ブッシュ氏が貢献した。大統領の任期半ばで「再就職」編も生んでいた

 歴史書を扱う出版社の面接で歴史は得意とPRし、壁のリンカーンの肖像画を見ながら社長に言う。「素晴らしい顔をしてますね。共同経営者ですか?」。2005年に出た「世界反米ジョーク集」(早坂隆著、中公新書ラクレ)から要約して紹介した

 「演説」編もあった。米大統領の演説は、次のようにしばしば若者に大切なことを教える。「リンカーン演説は世界中の若者に民主主義を教えた。ブッシュ演説は世界中の若者に勉強の必要性を教えた」

 2002年の一般教書演説でブッシュ大統領は、イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んだ。イランと北朝鮮は政権内の意見で加えられたらしい。当時のイランの大統領は改革派で米国とも関係改善かと思われたが、あの演説で凍り付いた

 世界の不安要因に氷解の兆しが見える。前向き発言のオバマ大統領が期待を抱かせる。リンカーン生誕200年にあたる12日、ゆかりの地でオバマ氏は演説した。この人、米国のジョーク集を厚くすることには多分貢献しない。

春秋 西日本新聞 2009年2月14日
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「漢字ブーム」漢字もいいが、ひらがなもいいよ・・・春秋 八葉蓮華

 ゆげがゆらゆらゆれるゆぶねでゆったり…、と「ゆ」で始まる言葉をひらがなで並べると、なんだか気持ちまでゆったりふっくらしてくる。銭湯でよく見たのれんの「ゆ」の字も懐かしい

 青森県では「『わ』の鉄道」が運行中。第3セクター「青い森鉄道」(本社八戸市)が看板代わりに使っている。「わ」は方言で「わたし」を表す。地域との「輪」の思いも込めた。子どもたちの絵で車内を飾ったりしている

 小説家の中勘助は少年のころ「を」に引かれた。たんすに鉛筆で「を」をたくさん書いた。岩波文庫で人気上位の自伝小説「銀の匙(さじ)」に出てくる。「どこか女の座った形に似ている」という

 いまは漢字ブームだ。書店に行くと、難解な漢字などを教授する新刊本が並んでいる。テレビでは読み書きを競う番組が目立つ。さても日本語は懐が深い。漢字もいいが、ひらがなもいいよ、と言いたくなる

 子どもたちの俳句。〈子うさぎのからだがふわふわわたみたい〉(小学2年生)。「小学生の俳句歳時記」(金子兜太監修、蝸牛新社刊)にあった。次は5年生。〈まりをつくようにあられがとびはねて〉

 俳人飯田龍太は〈ふるきよきころのいろして冬すみれ〉と詠んだ。一滴の漢字も味わい深い。歌人会津八一はひらがなだけの短歌を多く残している。和語の音調の美しさを求めた。〈かすがのにおしてるつきのほがらかにあきのゆふべとなりにけるかも〉

春秋 西日本新聞 2009年2月13日
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公益法人「もうけすぎ」渡りがいたら・・・春秋 八葉蓮華

 ことしの現代学生百人一首(東洋大学主催)では、選外作品ながらこんな短歌にも目が行く。〈携帯でメールを打ってふと思う「私この漢字きっと書けない…」〉

 次は、2月恒例のサラリーマン川柳(第一生命保険主催)の入選作品。〈団(だん)欒(らん)は昔ちゃぶ台今携帯〉。団欒などの難しい字も簡単に打ち出せる。過去の入選作の中には〈忘れ字を文字変換で辞書代わり〉というのもあった

 携帯やパソコンのメールで漢字が飛び交う平成の日本は、漢字を書くのは苦手と言う人を年齢に関係なく増やした。いわれて久しい漢字ブームは、そうした面も加わってのことだろう

 漢字検定の受検者は年間270万人を数える。財団法人・日本漢字能力検定協会(京都)が実施している。検定料は1500-5000円。2007年度は収入が70億円を超え、利益は7億円近くに上った

 「もうけすぎ」と文部科学省が立ち入り検査した。無理もない。税法上の優遇措置を受ける公益法人なのに、検定料を下げるなど公に資することには不熱心だった。昨年暮れに発表した世相漢字〈変〉を地で行った

 理事長や親族が役員を務める企業との多額の取引も報道された。協会主催の携帯・パソコン「変換ミス」コンテストには次のようなケースも寄せられていた-。問い合わせに対し、会社の方針であることを確認して「正しいようです」と打ったつもりが、「但(ただ)し異様です」と出たとか。

春秋 西日本新聞 2009年2月12日
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世の中のさまざまな物事を陰で支えている弱い立場の人たち・・・春秋 八葉蓮華

 昨年の今ごろ本紙投稿欄こだまに、佐賀県内の62歳の男性が、ある授産施設のことを書いておられた。バレンタインデーが近づくと贈り物のチョコレートを入れる袋作りに追われるそうだ

 工賃は「円」ではなく「銭」の世界だが障害者たちはみんな楽しそうに作業をしている、働くことが生きがいだから、と続く投稿は、こう結ばれていた。華やかなバレンタインデーを陰で支えている「弱い人たちのことも知ってほしい」

 世の中のさまざまな物事を陰で支えている弱い立場の人たちについて、私たちはどれくらい知っているだろう。例年バレンタインデーの季節になると、日本人はあまり知らない海外での話を新聞などが決まって報じてきた

 チョコレートの原料カカオの大半は西アフリカ地域が生産している。そこでの産品に児童労働と結び付くものが交じっていたらしい。農園などに1万5000人の児童が売られた、と米国務省が指摘したこともある

 国際労働機関(ILO)も監視の目を向けてきた。チョコレートに限らず、労働力を搾取したりしない「フェア・トレード(公正取引)」と呼ばれる産品を増やす取り組みを各国の市民団体が始めて久しい

 毎年2月に目にした「カカオ生産と児童労働」に関する悲しい記事を、ことしはまだ見ない。良い兆候なのだろうか。そういうことにも考えを巡らせる機会に、バレンタインデーの贈り物がなればと思う。

春秋 西日本新聞 2009年2月11日
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オーロラ観測衛星「かがやき」2週間余が過ぎた今も交信できていない・・・春秋 八葉蓮華

 探査機「はやぶさ」を覚えていますか? 4年前に小惑星イトカワに着陸し岩石の試料採取を試みた。困難に遭いながらも先週エンジンに再点火して地球への帰途に就いた。帰還予定は来年6月

 ガリレオが自作の望遠鏡を夜空に向けて400年になるのを記念した「世界天文年」の今年、日本も探査機などの話題で彩りを添える。役目を終える探査機もあれば、任務に就いたばかりの人工衛星もある

 先月下旬には主衛星「いぶき」のほか6基の小型衛星が一緒に宇宙に旅立った。大阪の町工場の夢を乗せた「まいど1号」、東京の高専の生徒たちが同好会活動で作った「輝(き)汐(せき)」…

 初の公募による相乗り衛星のうち5基の電波は、打ち上げて間もなく確認された。民間企業ソラン(東京)のオーロラ観測衛星「かがやき」だけは、2週間余が過ぎた今も交信できていない

 「かがやき」は難病に苦しむ子らの夢を乗せて飛び立った。260人の手形が衛星のパラシュートに印刷されている。帆のようなパラシュートは、オーロラ観測を終えて軌道を離れるときに開く。地球をバックにした「手形の帆」の写真を、衛星のカメラが子どもたちに届けてくれるはずだが…

 「捜索」協力者は各国にいる。北米航空宇宙防衛司令部の情報では、「かがやき」とみられる衛星が予定軌道上を周回中という(東京新聞)。内外の無線愛好家も電波受信の網を張ってくれているそうだ。

春秋 西日本新聞 2009年2月10日
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あすは満月。杜甫の「春望」国破れて山河在り・・・春秋 八葉蓮華

 3年前に中国から来日し、東京の中学校の日本語教室で学ぶ3年生の男子生徒は、国語の資料集を見て「あれ?」と思ったという。中国で習った詩と2文字違っていた。李白の「静夜思」

 〈牀前看月光 疑是地上霜 挙頭望山月 低頭思故郷〉。寝台の前に差し込む月光を見て、地上の霜かと思った。山上の月を仰ぎ、頭を垂れて故郷を思う。そんな詩だ。中国で習ったのは「看月光」は「明月光」、「望山月」は「望明月」だったそうだ

 共同通信によると、一部の研究者には知られた事実だが、その3年生は研究者に手紙で問い合わせたりし、日本の表記がオリジナルと分かった。中国では詩が大衆化した明代以降、分かりやすく書き換えられたらしい

 脇にそれるが、雑誌「月刊しにか」(大修館書店)が7年前に「日本人の好きな漢詩」を特集した。アンケートによる作品部門の1位は、国破れて山河在り…の杜甫の「春望」だった

 詩人部門で1位に選ばれたのが唐代の李白だ。作品部門でも「静夜思」が5位に入っている。話を戻せば、「看」でないと月光を見つめるニュアンスがなくなり、「山」の字が消えると、月が山の端にかかった情景は浮かびにくい

 〈白髪三千丈〉など大胆な表現でも知られ、「詩仙」とたたえられた李白は、放浪の詩人でもあった。生涯の多くを旅のなかで過ごし、月を友とした。あすは満月。冬の月光は白さを増して降り注ぐ。

春秋 西日本新聞 2009年2月8日
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「詐欺列島」今の世の中には知らずにだまされることがあるから油断ならない・・・春秋 八葉蓮華

 おとといの新聞に「やるやる詐欺」の記事が出ていた。国会で民主党議員が麻生首相を「選挙をやるやると言ってやらない」と批判し、首相が「詐欺というと犯罪ですよ」と気色ばむ1幕があった

 犯罪としての詐欺が報道されない日はない。きのうの新聞には「年金詐取に有罪判決」「寸借詐欺逮捕」が載った。公共放送は毎日、振り込め詐欺・オレオレ詐欺にご用心!と呼びかけている

 古今東西、詐欺と無縁の時代も国もない。現代日本のその方面を書いた本をめくると、言葉巧みに億単位をせしめ、「おぬしもワルよのー」と言わせた詐欺師が列を成して登場する

 1人加わるのか。疑似通貨「円天」で知られた会社の会長らが組織的詐欺の疑いで逮捕された。全国4万人近くから1000億円以上を集めた。宣伝文句は「減らない通貨」と「年利36%」だった

 この手の誘いには乗らない人のほうが多い。そんな人でも、今の世の中には知らずにだまされることがあるから油断ならない。摘発が続く食品偽装表示には詐欺もどきも見受けられる。それやこれやで雰囲気的には詐欺列島

 国会では首相が郵政4分社化体制の見直しに言及し、そもそも民営化に自分は反対だったと述べた。民営化を掲げた総選挙で得た多数議席に立って民営化の是非を蒸し返す、という図に見える。総選挙をしないがゆえの矛盾の、これも1つか。「やるやる詐欺」とまでは言わないが…。

春秋 西日本新聞 2009年2月7日
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回文「よのなかなかなかなのよ」脳のトレーニング・・・春秋 八葉蓮華

 2週間ほど前に「回文」について書いた。職場の同僚が「街中で面白い横断幕を見たよ」と教えてくれた。〈よのなかなかなかなのよ〉と書いてあったそうだ

 上から読んでも下から読んでも同じ読みになる回文は、たとえば小欄で例に挙げた「わたし負けましたわ」のように「わたし」を使ってもいろいろできる。〈わたし、カサ今(け)朝(さ)貸したわ〉〈わたしがコメこがしたわ〉…

 この2つの回文は、3年前に出版された「脳を鍛える さかさことば」(メディアファクトリー)から引いた。著者はイラストレーターの伊藤文人さん。仕事の傍ら書きためた中から300点余を漫画付きで紹介した

 〈値段変だね〉〈近世敗戦記〉〈寝やすい寝椅(い)子(す)やね〉〈監査、よさんか〉。本の題にあるように脳のトレーニングになる。〈セミ歌う店〉。どんな店? 〈夜、絵本吠(ほ)えるよ〉。幼子は泣くよ。〈屋根で寝や〉。寒そう

 「最初は単にことばの遊びにすぎなかったが」と伊藤さん。続けているうちに〈嫁大工 得意は俳句と喰(く)いだめよ〉〈おかしな彼ら、競馬ウマ奪い、蹴(け)られ悲し顔〉などなどドラマ性を帯びていったりしたという。〈もと難民みんな友〉。そんな世界に早くなるといい

 「時には落語のような展開にもなる」そうで、次のようなのもあった。鐘が鳴る、ついているのは…〈鐘つきのキツネか〉。ごんぎつねのオチがついたところで、おあとがよろしいようで。

春秋 西日本新聞 2009年2月6日
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「霞が関の渡り鳥」が絶滅しないと日本に春は来ない・・・春秋 八葉蓮華

 「立春」が過ぎると、旅の支度を始める渡り鳥一家もいるだろう。霞が関一家に目を移せば、わが世の春を謳歌(おうか)してきた「官僚渡り鳥」たちが、「天下り・渡りは一切ご法度」の国会論議に背筋を寒くしている姿が浮かぶ

 おとといの衆院予算委員会で民主党議員が実例に挙げた元水産庁長官は、さしずめ背筋ヒンヤリ組の代表格。渡りがどんなものか知っているつもりでいた人も、目が点になったのではないか

 6団体に「天下り」「渡り」を繰り返している。「適当な人物を、と依頼があったので紹介した」と農水省。ああそうですか、とはいかない。手にしたお金は、退官時の退職金を含め推定約3億2000万円なり

 天下り・渡りの禁止に向けて政府は国家公務員制度改革の工程表を決めた。デッサンの段階だから不透明な部分もあるが、流れはできた。具体的な進め方をめぐって政府機関の人事院が抵抗中、というのが現在の図だ

 人事院を率いる谷公士(まさひと)総裁は、先週、首相主宰の会合への出席を拒否して一躍、有名人になった。温厚そうに見える68歳のこの人のどこにそんなエネルギーが、と思わせるほどの猛烈な抵抗ぶりである

 3年前に総裁になるまでの間、谷氏は郵政事務次官を退官後に同省所管の財団などを渡り歩いた。「ミスター渡り」の声も聞く。抵抗するにはそれなりの理由があるにしろ、「霞が関の渡り鳥」が絶滅しないと日本に春は来ない。

春秋 西日本新聞 2009年2月5日
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市場優先、マネー万能主義者たち「法に触れさえしなければ」の風潮・・・春秋 八葉蓮華

 スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムの年次総会は、いつもと様子が違ったという。「反省の空気も漂った」と外電は伝える

 今世紀に入ってからの世界は、米国発のグローバリズムという名の「市場優先」を受け入れる国を増やした。市場に任せるのが万事うまくいく近道、という考え方を、ダボス会議も発信してきた

 世界を覆う同時不況は米国発の金融危機が引き金となった。ダボスと同種類の反省の空気は各国でも漂う。先の施政方針演説で首相が「市場に委ねればすべてが良くなるというものではない」と言及した日本もそうだ

 日本で市場優先の流れができた時期は、戦後最長とされた景気拡大期と重なる。景気拡大の実感は国民にはほとんどなかった。果実が均等に渡らなかったためだ。利益が一部の人たちに限られたせい、といってもいい

 利益を偏らせた日本は、いまとなっては昔の話だが「時代の寵児(ちょうじ)」と呼ばれた錬金術師を何人も生んだ。「法に触れさえしなければ」の風潮がそれを下支えした。法に触れたとして逮捕された人もいる。その1人、村上世彰被告は1審に続いてきのう二審でも有罪になった

 マネー万能主義者たちが手本にした米国が生む人材は、実は奥が深い。昨年のダボス会議に出席した投資家ソロス氏は、投じた私財が累計で数十億ドルに上る慈善活動家としても知られる。村上被告も罪滅ぼしに少しは見習ってはどうか。

春秋 西日本新聞 2009年2月4日
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「節分」若者の薬物の誘惑の鬼を追い出す・・・春秋 八葉蓮華

 ショッキングなニュースが海外から飛び込んできた。北京夏季五輪の男子競泳で前人未到の8冠を達成した米国のマイケル・フェルプス選手の「大麻疑惑」だ。本人は謝罪の声明を出したという

 フェルプス選手は23歳。若者の薬物汚染と無縁でいられる先進国は今や少ない。日本も例外ではない。昨年は大学生への大麻汚染が各地で明るみに出た。キャンパスで売買した学生もいた

 新たな「汚染域」の1つに、日本では大相撲の世界があった。警察に捕まった若ノ鵬を含む20代の「ロシア出身三力士と大麻」が次々に発覚し、角界を追われたのは記憶に新しい

 せめて日本人力士は無縁であってほしい、との願いはむなしかった。兵庫県出身の25歳の若麒麟が逮捕され、日本相撲協会は今回も解雇を決めた。再生を誓ったばかりの角界の衝撃は計り知れない。繰り返される若手力士の過ちにファンも言葉を失う

 先日の小欄で、朝青龍の気迫を象徴する「鬼の形相」に触れた。モンゴル出身の二横綱に鬼の形相で挑む日本人力士が早く出てきてほしい、とも書いた。若者に巣くいがちな、薬物の誘惑を許す「心のなかの鬼」を退治するほうが先のようだ

 心を鬼にした普段の教育が足りなかったのでは…。そんな反省も角界では交じるだろう。きょうは「節分」、あすは「立春」。追い出すべき鬼と持ちたい鬼があることを、分かっていないと来ない春もある。

春秋 西日本新聞 2009年2月3日
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「女子ジャンプ」この大空に翼をひろげ 飛んでいきたいよ・・・春秋 八葉蓮華

 いま私の願いごとが かなうならば…と歌いだす曲がある。曲名は「翼をください」。いつだったかサッカー日本代表チームの応援歌としても歌われた

 長野冬季五輪でも聴いた。スキーのジャンプ競技に似合う。歌詞にこんな部分がある。「この大空に翼をひろげ 飛んでいきたいよ」。長野五輪では男子の「日の丸飛行隊」が大活躍したことを思い出す

 急斜面を猛スピードで滑り降りてジャンプ台を踏み切った選手は、スキー板をV字形に開いて、飛ぶというよりも正確には落下していく。翼があったらなあ、と選手は一度は思うのではないか

 「落下しているように見えても、浮き上がっていく手応えがあるんです」。そう話すのは山田いずみさん(30)。ジャンプの選手だ。女子にもジャンプ競技があって、日本にも選手がいることを、九州では知る人はたぶん少ない

 北海道生まれの山田さんが小学1年のとき初めて飛んだ距離は数メートルだった。札幌五輪で使われた宮の森のノーマルヒルを中学1年で飛んでいる。日本の女子ジャンプの先駆者といっていい。女子だけの大会はなかったから男子に交じって大会に出た

 大けがをしながら飛び続けた間に女子ジャンプの風景は変わり、国際大会も開かれるようになった。今月18日からチェコで開かれるノルディックスキー世界選手権では初めて正式競技として登場する。翼を…と山田さんも口ずさんでいるだろう。

春秋 西日本新聞 2009年2月2日
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「芸どころ博多」山笠だけじゃなかばってん・・・春秋 八葉蓮華

 「山笠があるけん博多たい」という宣伝文句があった。「山笠だけじゃなかばってん」と博多ンもんはあれこれ付け足す。減ってきた言い方に「芸どころ博多」がある

 伝統の舞と音色は5月の「博多どんたく」や12月の博多座での「博多をどり」などでも披露される。芸を担う芸(げい)妓(ぎ)衆の姿は、1月に行われる十日恵比須大祭の「かち詣(まい)り」でも見ることができる

 かつては2000人以上いたという博多芸妓は今は20人余。博多券番(博多区中洲中島町)で2年前、見習い修業を始めた人が3人いた。券番もここだけとなった博多券番にとって7年ぶりの新人さんだった

 その1人、福岡市で生まれ育った19歳の小桃さん(本名・本多瞳さん)は、小学生のころにテレビで舞(まい)妓(こ)さんを見て、この世界にあこがれたという。親や祖母ほども年が違う人に交じって修業を重ね、芸妓になった

 手ほどきしてきた奴(やっこ)さんは券番を支える今年83歳の大ベテラン。大正生まれの奴さんと平成生まれの小桃さんの、芸が紡ぐ人間模様も絡めてTVQ九州放送(福岡市)のカメラが追った。きょう午後零時25分から「芸妓―受け継がれる博多の舞」で放送される

 舞の師匠(男性)は言う。「教える『かた』に、『ち』をつけて『かたち』にするのは芸妓の器量」。奴さんは言う。「芸に終わりはありません」。奥が深い。「芸妓がおるけん博多たい」と言う人が増えるといい。

春秋 西日本新聞 2009年2月1日
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