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「一筆啓上」ぼくがわらうといのちもにっこり・・・春秋 八葉蓮華

 16年前に福井県・丸岡町(今は坂井市)が始めた日本一短い手紙のコンクール「一筆啓上賞」(5年前から新一筆啓上賞)への累計応募数が100万通を超えた

 あて先はいろいろ変わった。母へ。〈ゴミ箱に「クズ入れ」と書いてあると時々入りたくなります〉(22歳)。夫へ。〈この間、口内炎ができたのを見てもらった時、顔が近づいてドキッとしたわ、久々に〉(28歳)

 息子へ。〈化けていけ。割れていけ。溶けていけ。ギリギリで生きてみろ。そして、人にホレてみろ〉(40歳)。私へ、というのもあった。〈お前の大きな財産の1つは、いじめの痛みを知っていることだ〉(高校2年)

 「いのち」をテーマにした時は12万通が寄せられた。8歳の子は〈ぼくがわらうといのちもにっこり。ぼくといのちが、いい気もち〉とつづった。おばあちゃんは〈初恋の想(おも)いを90歳の恩師に打ち明けて、72歳のいのち華やぎました〉

 テーマにしなくても、いのちへの思いはいつも身近にある。83歳の男性は、戦地で受け取った母からのカナ交じりの手紙が忘れられない。〈がっこさ、えってなエがら、かぐごどわがんなエ。いぎでかえってこいよ〉

 2008年度の大賞5作品が先日発表された。今回のテーマは「夢」。岩手県で農業を営む64歳の男性は、23回忌を迎えた妻にあてて書いた。〈時々お前の夢を見る。子どもたちにも出てやってくれ〉

春秋 西日本新聞 2009年1月31日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
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新常用漢字表に追加される191字からメッセージ・・・春秋 八葉蓮華

 社会生活で使う目安となる常用漢字表に191字を追加する案が、きのうの文化審議会総会で承認された。一般から意見を募って参考にしたあと来年2月に答申する

 1945字の常用漢字表が制定されてやがて30年になる。県名などで使用頻度が高い「岡」「奈」「阪」といった字は入っていなかった。動物名でもよく使われる「熊」や「鹿」ともども新常用漢字表には入る

 動物名といえば、現行の表にあるのは「牛」「馬」「犬」「猫」など。入っていなかった「鶴」「亀」が新たに加わる。「虎」も加わるのに「鷹」が外れたため、プロ野球のホークスファンはがっかりしただろう

 熟語でよく使う字が追加されるのも特徴の1つ。「挨」「拶」、「曖」「昧」などいくつかある。昨今の風潮に照らして「挨拶ぐらいきちんとしろ」「社会のルールを曖昧にするな」といったメッセージを読み取れなくもない

 追加される191字を眺めていると「尻」「拭」にも目が行く。しりをぬぐう、しりぬぐい。直接の意味から転じて、他人の失敗や不始末を処理することを指す。事例を挙げるときりがない

 例がひとつ加わるのかと、国会で始まった新年度予算の論戦を聴きながら思う。歳出徹底削減の大なたが見えてこない。消費税増税などで結局は尻拭いさせられるのでは、と心配になる。新常用漢字表に加わるものには「慄」「塞」「鬱」「闇」もあった。

春秋 西日本新聞 2009年1月30日
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「地域とともに」郷土が生み、育てた人々がくれる喜びや元気・・・春秋 八葉蓮華

 このページの右上欄外に洋数字で示した紙齢が「45000」号の節目を刻んだ今月7日、西日本新聞は紙面を通して誓った。「地域とともに」。これまでも、これからも

 読者の方からは投稿欄や読者室に郵便や電話でたくさんの声をいただいた。励ましが多い。注文も少なくない。132年の発行の歴史に感慨を新たにされた方を含め、声は今も寄せられる

 構え直して言うのもなんだが、石炭や鉄鋼などの生産で日本の産業を引っ張ってきた九州・山口は、明治維新以来さまざまな分野に人を輩出してこの国を動かし、彩ってきた人材供給基地でもある

 郷土の人材が織り成すあれこれを、創刊132年の西日本新聞は紙齢の単位を千から万に増やしながら記録してきた。舞台は政界や経済界だけでは無論ない。文化やスポーツでも人の山脈をなしている

 読者の方々と一緒に胸を張りたい、の思いも込めて、きのう本年度の「西日本スポーツ賞」を3個人2団体に贈った。詳細は贈呈式の記事に譲るとして、北京夏季オリンピックの興奮がよみがえる。サッカーJ1などのハラハラドキドキを思い出す

 昭和30年度の第1回受賞者には、マラソンの広島庫夫氏(旭化成)やプロ野球の中西太氏(西鉄ライオンズ)らの名前がある。郷土が生み、育てた人々がくれる喜びや元気を、地域とともにする。これまでも、これからも…。西日本新聞の変わらぬ願いです。

春秋 西日本新聞 2009年1月29日
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「消費刺激」モノを買わない・・・春秋 八葉蓮華

 米国発の金融危機が引き金となった世界同時不況に対する政府の対応は、国によって差がついた。対策を素早く打ち出した国の1つにオーストラリアがある

 昨年10月に消費刺激策として一時給付金を発表した。年金受給者や低所得層などに1人当たり日本円換算で5万8000-8万1000円、という内容だった。クリスマス前の12月上旬に支給された

 日本の麻生内閣は追加経済対策などを打ち出し、2008年度予算については2次補正案まで用意した。対策の内容は高速道路料金の引き下げなど多岐にわたる。国会での論戦は専ら2兆円規模の定額給付金に向けられた

 経済対策としての給付金は世界的にひとつの流れになりつつある。米国、フランス、イタリアは低所得層などを対象に実施してきた。今回の経済危機への対応策としては、台湾が年明けに配布した商品券も話題になった

 日本の定額給付金はきのうの2次補正予算成立で支給が決まった。評判は今に至るも芳しくない。麻生首相は「生活支援」から「消費刺激」に軌道修正しつつも支給方針は変えなかった。効果によほど自信があるのだろう

 外電によると、オーストラリア南東部のビクトリア州で12月の“売り上げ”が過去最高を記録したものがある。北東部のクイーンズランド州でも前月比で1割増えた。スロットマシンへの賭け金だった。モノを買わないと経済効果は限られる。覚えておこう。

春秋 西日本新聞 2009年1月28日
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善哉此汁「ぜんざい」餅の入ったあずき汁・・・春秋 八葉蓮華

 おととい、京都府京田辺市のお寺で、参拝客に今年の誓いの言葉を奉納してもらった後ぜんざいをふるまう行事があった、とテレビが伝えていた

 「一善を誓う場にしてもらえれば」と酬恩庵一休寺が4年前から始めた。ぜんざいがふるまわれる訳はお寺の名にちなむ。「一休」は一休さんで知られる一休禅師のこと

 この寺で晩年を過ごした一休禅師は、大徳寺の住職から餅(もち)の入ったあずき汁をごちそうになったことがある。その時いわく「善哉此汁(よきかなこのしる)」。以来、餅入りあずき汁を善哉をもじってぜんざいと呼ぶようになったという

 室町時代の禅僧一休宗純は後小松天皇の落胤(らくいん)といわれる。故あって宮中から出された母の考えにより、6歳で僧侶への道を歩み始めた。権威に背を向けた88年の生涯だった。奇行も多く残している。詩や書画などを友として風のように生きた人でもあった

 頓智咄(とんちばなし)は江戸時代に作られたらしい。後世の人たちにも広く慕われたのだろう。一休さんの頓智は現代の子どもたちも知っている。びょうぶ絵の虎退治をめぐる咄を含めてこれからも語り継がれる

 話を戻す。「善哉」はもともと仏典に用いられる語で、善いと感じてほめたたえる意味があるそうだ。一休寺で参拝客が絵馬に書いた誓いは、報道によると「今年こそ親孝行をする」「人にはやさしくする」「怒らない怒らない」…。どれも善きかな、とつぶやく一休禅師を想像する。

春秋 西日本新聞 2009年1月27日
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「鬼の形相」で立ち向かう日本人力士よ早く出てこい・・・春秋 八葉蓮華

 大相撲の世界では時々「鬼」が姿を現す。古くは、体は小さいが猛げいこで鍛えた大きな投げ技で魅了した元横綱の初代若乃花が「土俵の鬼」と呼ばれた

 その甥(おい)にあたる貴乃花は、ひざをひどく痛めて相撲などとても、と思われた横綱同士の優勝決定戦で武蔵丸を投げ飛ばした。勝った瞬間の顔のクローズアップ写真は、「鬼の形相」として今も語り草

 あれからおよそ8年。初場所の土俵で、こんどは朝青龍に「鬼の形相」を見た。三場所連続で休場し、けいこの量も体調も不十分なままに迎えた初日、新聞にも載った立ち合い直前の表情には、鬼気迫るものがあった

 場所前の見方がそうさせた。「1勝2敗で3日目に引退するんじゃない?」といった角界関係者のコメントも報じられた。そこまで言うか、と思ったほどだった。浴びせられた横綱の、煮えたぎったに違いない胸中は察して余りある

 悔しさをバネにした見事な復活というほかない。優勝インタビューを受ける目には光るものがあった。当日券を求める徹夜組の行列など懐かしい光景と一緒に朝青龍は帰ってきた。横綱同士の優勝決定戦に持ち込んだ白鵬も強かった。2人の時代がしばらく続くのだろう

 日本で生まれ育った横綱の土俵姿は、曙、武蔵丸のハワイ勢と綱を張り合って2003年1月まで務めた貴乃花が最後だ。モンゴルの二横綱に「鬼の形相」で立ち向かう日本人力士よ早く出てこい。

春秋 西日本新聞 2009年1月26日
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「回文」長き夜の遠の眠りのみな目覚め波乗り舟の音の良きかな・・・春秋 八葉蓮華

 上から読んでも下から読んでも同じ読み方にする「回(かい)文(ぶん)」遊びは、小さいころに友だちとよくやった。「竹やぶ(竹屋が)焼けた」「ダンスは済んだ」…

 ませてくると「確かに貸した」「わたし負けましたわ」などと進化する。言葉遊びは楽しい。百科事典も回文の項目を立てて「良き月夜」「夏まで待つな」などの例を紹介している

 外国語の例を載せた事典もある。分かりやすいのを1つ引いておく。エデンの園におけるアダムとイブの初対面の会話-。イブが先に「Eve」と自己紹介し、次にアダムが言う。「Madam I,m Adam」

 日本語の場合は五七五や五七五七七の形式を借りることができるから、その分、楽しみ方が増す。数年前に週刊ポスト誌の投稿欄「回文塾」で、こんな作品が賞をもらっていた。「熊野路に 遠き滝音 虹の幕」

 言葉遊びの歴史は古い。回文は平安時代にはすでにあった。往時の歌学書「奥(おう)義(ぎ)抄」に収められた和歌-。「むら草に 草の名はもし そなはらば なぞしも花の 咲くに咲くらむ」。鉛筆ならぬ筆をなめなめして一首ひねる光景を想像するのも楽しい

 元日の小欄で初夢と宝船について書いた。あのときは触れる余裕がなかったが、枕の下の宝船の絵に添える和歌も回文だ。「長き夜の 遠の眠(ねぶ)りの みな目覚め 波乗り舟の 音の良きかな」。宝船だけでなく、お祝いの席などに添えるといいとも聞く。

春秋 西日本新聞 2009年1月25日
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宇宙から“脇役”たちのモノづくりにかける思い・・・春秋 八葉蓮華

 大阪弁川柳コンテストの大賞作品〈まっときや宇宙1号上げまっせ〉をこの欄で紹介して4年になる。待ちわびた人たちの歓声に見送られて宇宙に飛び立った

 「まいど1号」のことだ。モノづくりの街・東大阪市の中小企業集団が、不況で沈みがちな空気を変えたくて技術を持ち寄った。雷予報実現に向けたデータ収集衛星の製作を、市民約2500人が資金面で応援してきた

 きのうH2Aロケット15号機で種子島から打ち上げられた衛星は全部で8つ。温室効果ガスを観測する「いぶき」を“主役”とするなら、「まいど1号」をはじめとする“脇役”たちも味わい深い

 15-22歳の学生がクラブ活動で作り上げた衛星もある。東京都立産業技術高等専門学校の12人の手になる一辺15センチの超小型衛星だ。火薬エンジンや市販モーターによる姿勢制御など独創技術を宇宙で試す

 コストを抑えるため材料には市販の安い物を多く使った。アルミ製の衛星本体は加工が難しく、地元荒川区の中小企業に相談した。「なぜもっと早く言わないんだ」と採算抜きで協力してくれた。衛星名の「輝(き)汐(せき)」は学校周辺の地名・汐入にちなんで中学生が名づけた

 「まいど1号」も「輝汐」もここまで5年かかった。平たんではなかったが、モノづくりにかける思いが夢を切らさなかった。町工場のおっちゃんたちと若者たちの元気を、宇宙からどんどん発信してもらいたい。

春秋 西日本新聞 2009年1月24日
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「宮沢賢治の贈りもの」志に気高さで負けない心・・・春秋 八葉蓮華

 はじめの数行は小学生でも暗唱できるその作品を、宮沢賢治は35歳の1931(昭和6)年、病床で手帳に書き留めた

 夏の日照りのなかを稲作指導に奔走して病気で倒れたのは32歳のときだった。以来、伏せがちとなり37歳で亡くなった。「雨ニモマケズ」が大きな字でつづられた手帳は、トランクの内袋に入っていたという

 手帳と自筆部分を、福岡市内で開催中の「宮沢賢治の贈りもの」展で見ることができる。天神・イムズの三菱地所アルティアムで来月15日まで(高校生以下は無料)。手帳は今月30日以降は精密複製が展示される

 手帳に詩を残す数カ月前、賢治は教え子に手紙で「童話『風の又三郎』を執筆しています」と知らせている。年譜によると、前後して発熱がひどくなり、遺書も書いた。その後に〈雨ニモマケズ/風ニモマケズ〉は書かれた

 …〈アラユルコトヲ/ジブンヲカンジヨウニ入レズニ/ヨクミキキシワカリ/ソシテワスレズ〉〈西ニツカレタ母アレバ/行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ〉〈北ニケンカヤソシヨウガアレバ/ツマラナイカラヤメロトイヒ〉…。子どものころ一生懸命覚えた30行の所々が何かの折によみがえる

 いくつかの時代があり、戦争と廃虚を経て経済の高みを一度は極めた日本人は、賢治の志に気高さで負けない心のかたちを、国のかたちとして一度でも持てただろうか。手帳の前でそんなことも考えた。

春秋 西日本新聞 2009年1月23日
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「多様性」一緒に米国と世界を再生する旅に出かけよう・・・春秋 八葉蓮華

 「米大統領」の3回目。47歳のバラク・オバマ大統領は就任式で「なぜ、あらゆる人種や信条の男女、子どもが、こうして就任式に集うことができるのか」と国民に語りかけた

 「なぜ、60年前なら食堂で食事を差別されたであろう父親を持つ男が、こうしてみなさんの前で宣誓式に臨めるのか」と継いで、こう続けた。「われわれは何者なのか。どれほど長い旅をしてきたのか。その記憶とともに、この日を祝おう」

 祝福の声が米国人以外からも寄せられる第44代大統領としての自身の旅は、米国の希望と困難のどちらを膨らませるだろう。どちらであっても米国初の「黒人大統領」「アフリカ系大統領」として歴史に名を残す

 父は黒人のケニア人で、母は白人の米国人。母の再婚で小学生時代の多くをインドネシアで、10代は故郷ハワイで過ごした。インドネシアではイスラム文化に、故郷では日系や先住民の文化に接した

 時代のキーワード「多様性」はオバマ氏自身をも象徴する。「私と一緒に米国と世界を再生する旅に出かけよう」と呼びかけ、国民の心をわしづかみにした若き大統領の前では、民主党も共和党も、白人も黒人もない

 余談になるかもしれない。米テレビドラマ「ルーツ」が日本でも反響を呼んだのは30年近く前。アフリカからの奴隷の子孫の物語だった。ルーツ探しがはやった。人類のルーツをたどってもアフリカに行き着く。

春秋 西日本新聞 2009年1月22日
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政治への喜怒哀楽が欠乏した目には、まぶしい光景・・・春秋 八葉蓮華

 きのうの続き。米国の第16代大統領リンカーンは、共和党が生んだ最初の大統領でもあった。共和党の歴代大統領はフーバーやアイゼンハワーといった名を経てブッシュ氏に至る

 対する民主党にはF・ルーズベルト、ケネディらが並ぶ。ブッシュ氏の前まで務めたクリントン氏や、第44代オバマ氏への関心の高さを思うと、日本では近年は民主党のほうが人気がありそう

 8年前に米世論調査機関が実施した調査で、米国民が「最も偉大な大統領」に選んだのは“強いアメリカ”を印象づけた共和党のレーガン氏(2004年没)だった。ケネディ、リンカーン、クリントンの順に続いていた

 レーガン氏は元俳優という異色の経歴を持つ。人気を支えた演説時の弁舌と表現力も、なるほどと思わせた。俳優からカリフォルニア州知事に転身したシュワルツェネッガー氏も共和党だ

 ハリウッドは歴史的に政治への関心が強い。転身しないまでも、スターの多くが日ごろから政治スタンスを鮮明にし、大統領選びの盛り上げにも一役買う。スター歌手を含めて、今回もそうだった

 大物歌手・俳優が参加したリンカーン記念堂での祝賀イベントは数十万人を集めた。就任式当日の首都は人口の5倍で埋まる、とも予想された。政権交代がほとんどなかったがゆえの日本的な与党ずれ、野党ずれに慣らされて政治への喜怒哀楽が欠乏した目には、まぶしい光景が続く。

春秋 西日本新聞 2009年1月21日
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「人民の人民による人民のための政治」国民に奉仕した人何人いたろう・・・春秋 八葉蓮華

 1990年代に女性初の米司法長官になったジャネット・レノさんは、若者たちに「たとえ負けても自分を信じて前に進もう」と話したことがある

 敗北は誰にでも訪れる。レノさんも選挙で一度負けた。翌朝目覚めるとベッドの脇に誰かが伝記を置いてくれていたという。「それは効果がありました。リンカーンが最初の選挙に負けたことを知ったのです」(「これから社会に出るきみへ」草思社)

 生涯がさまざまな話で語られる偉人はどの国にもいる。米国ではリンカーンがまず浮かぶ。レノさんが語ったのは大学の卒業式だった。20日に大統領に就任するオバマ氏は、全国民に向けてその名を繰り返し口にする

 上院議員選で敗れた2年後に大統領選で勝ったリンカーンは、就任時には既に分裂していた米国を束ね直そうと奮闘した。指導者としての勝利は、南北戦争中に出した奴隷解放宣言で世界に記憶される

 少年時代は貧しくて小学校にも満足に通っていない。労働者から弁護士になった。若いころ奴隷市場で見た、少女が売られていく光景を忘れなかった。そんな体験が、のちに「人民の人民による人民のための政治」の一節で知られる演説を生む

 米大統領に「君臨」しようとした人は何人もいる。大統領として「奉仕」した人はリンカーンのほかに何人いたろう。ことしは生誕200年。指導者とは何か、を米国だけでなく、世界に問う年になればいい。

春秋 西日本新聞 2009年1月20日
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南西諸島最大の干潟、多様な底生生物が生息し・・・春秋 八葉蓮華

 失いつつある風景を守ろう、なくしたものを取り戻そう、と自然再生推進法ができて6年になる。保全・再生対象には里山や里地などのほか干潟、藻場も含まれている

 議員立法による自然再生推進法の土台となったのが「生物多様性国家戦略」だ。国際条約に基づいて策定され、これまでに二度改定された。政府は干潟と藻場の保全・再生も柱のひとつにしてきた

 最初の改定に際し中央環境審議会はこんなイメージを答申に添えていた。「遠い国から飛来した鳥が、森や干潟でえさをついばみ…」。生物多様性国家戦略と自然再生推進法をもとに政府は「そういう国に日本を変えていく」と国際会議などでPRしてきた

 「日本を手本にしよう」と考えた国があるとする。実際の取り組みを知りたくて2009年の日本を視察に訪れたとする。言ったことと、していることが違うのでガッカリするのではないか

 沖縄県沖縄市の泡瀬干潟(約265ヘクタール)の一部も埋め立てて人工島を建設する工事に、国が先週着手し、埋め立て用の土砂の投入が始まった。埋め立て地は県や市が購入し、ホテルなどを誘致する

 泡瀬干潟は南西諸島最大の干潟だ。多様な底生生物が生息し、藻場の規模は全国有数。那覇地裁は昨秋、干潟保全を求めた住民の訴えに添う判決を下した。それでも工事は進む。海外からの例の視察団は帰国して報告するだろう。「ジャパンは不思議の国」

春秋 西日本新聞 2009年1月19日
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「命を想え」悲しいかな、理屈をつけて奪い続ける・・・春秋 八葉蓮華

 1人の犠牲者も出なかった米ニューヨークでの旅客機不時着事故は、繰り返しになるが、ハドソン川に緊急着水したプロフェッショナルの決断と技量を際立たせた

 パイロットは都会の河川で不時着を実際に訓練をすることはできない。とっさに実行して成功させる。人間ってすごいな、と思う。悲しいかな、地球のどこかでは人間の残酷な面を痛感させる出来事が日々起きる

 パレスチナ自治区ガザに対するイスラエル軍の攻撃はいつまで続くのか。国連などによると死者は1000人を超えた。子どもが300人以上を占める。イスラエル政府の報道官は「戦争で民間人の犠牲は避けられない」と語った

 人間がぎりぎりのところで救える命もあれば、人間が理屈をつけて奪い続ける命もある。両方を報じるここ数日のメディアは、人間にはあらがい難い力で奪われていく命もあることを伝える

 6434人が亡くなった阪神大震災から14年が過ぎた。倒壊家屋の下敷きになった隣人を助け出せなかった自責の念が高じて心に傷を負い、今も心療内科に通う人がいる。独り暮らしの高齢被災者が誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」も絶えない

 人々が命について考える日には「8.15」をはじめ、いろいろある。平成になって「9.11」や「1.17」が加わった。それらは巡ってくるたびに私たちに言う。「命を想(おも)え」と。繰り返し想うことの大切さを胸に刻み直す。

春秋 西日本新聞 2009年1月18日
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「ダブル・バードストライクだ」着水を選んだことを含め、機長の冷静な判断・・・春秋 八葉蓮華

 鳥と構造物の衝突を「バードストライク」と言う。ぶつかる相手が乗り物だと重大な事故になりかねない。航空機が特に怖い。きのう米国で起きた

 ニューヨーク発の旅客機がすぐに飛行不能となり、ハドソン川に緊急着水した。機長は「ダブル・バードストライクだ」と管制に報告している。両翼のエンジンが鳥を巻き込んだようだ。離陸直後に水鳥の群れに遭遇していた

 乗客乗員155人は全員無事だった。着水を選んだことを含め、機長の冷静な判断がなかったら大惨事になるところだった。死を覚悟した乗客もいた、と伝える米メディアの見出しは「奇跡の不時着」

 バードストライクに備え、操縦席の窓などは、ぶつかっても大丈夫な構造になっている。エンジンの防護には限界があり、大型の鳥を吸い込んだりすると危ない。一定の推力は保てるように造られているらしいが…

 海外では墜落死亡事故が数件ある。吸い込むなどしたのはムクドリやガンなど。1995年に米アラスカ州の基地を離陸した輸送機が墜落したときは乗務員24人が死亡している。日本では死傷者が出た例はないという

 それでも日本国内でのバードストライクは年間1000件を超える。全日空がエンジン中央部に鳥よけの目玉マークを描いた時期もあった。効果は限られた。先端技術で自在に飛ぶ航空機と本能のままに飛ぶ野鳥。共生の運航図はコンピューターにもまだ描けない。

春秋 西日本新聞 2009年1月17日
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「あしながおじさん」支える人と恩返しをする人が織り成す風景・・・春秋 八葉蓮華

 児童文学「あしながおじさん」(J・ウェブスター著)が世に出て1世紀が近い。物語に習ったいわゆる“あしなが運動”が最初の歩みを始めてから四十余年が過ぎた

 あしなが育英会(東京)のホームページによると、進学の夢がかなって社会に巣立っていった遺児は6万人以上を数える。定期的に寄付して応援してくれるあしながさんがいなければ、勉強を続けることは難しかった

 「お金持ちの人が同情して援助してくれている」と思う遺児もいたという。そうではないと知ったのは30年近く前のこと。交通遺児育英会の高校奨学生の集いで、あしながさんの入会動機の文章を輪読した

 ある人は「幼いころ貧しくて、上の学校に行けなかった。君が代わりに行って!」と書いていた。「君らくらいのときに娘を亡くした。娘と思って応援します」と書いた人もいる

 そういう言葉に代表される支援者たちの願いは、何年、何十年たっても変わらない。奨学金のお世話になった若者たちは「あしながさんの思いを社会に広めよう」と、社会貢献活動の輪をさまざまな分野に広げてきた

 支える人と恩返しをする人が織り成す風景は、なくしたくないものの1つだ。病気や災害、事故、自殺で父親を失うなどして、高校や大学の奨学金を希望する人は年々急増中。10年で2倍とも聞く増え方に、あしながさんの数が追いつかない。不安を不況が濃くしなければいいが…。

春秋 西日本新聞 2009年1月16日
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歳出の無駄を省く。国の一番の宿題はそれだった・・・春秋 八葉蓮華

 造反者が相次ぐかも、といわれていた。定額給付金に絡む自民党の党内劇だ。“主役”の渡辺喜美氏のほかは目下のところ1人で、その1人も渡辺氏とは別の思いからと分かった。党内にはひと安心の空気が流れた

 2兆円の定額給付金を盛り込んだ本年度補正予算案などの衆院採決における小さな安心が、消費税が絡む新年度予算案などの審議に際しての大きな安心につながるかどうかは、よく分からない

 安心するのは政権党だけ。そういうことになるのだけはごめんだ。世論調査で国民の多数が無駄遣いと指摘する給付金を、決めたことだからと実施し、消費税増税への流れまでできた日には、安心なんて、とてもとても

 歳出の無駄を省く。国の一番の宿題はそれだった。突然の大不況が答案を催促する。答案の最初には「霞が関改革」がくる。巨額の税金を食う天下り構造をなくす。県などと仕事が重なる国の出先機関を整理する…

 霞が関をいびつに太らせたまま「0年後に消費税を上げます」では通らない。どう変えるか絵図面を競うのが、今秋までには必ず行われる総選挙の最大の焦点になる。ならないと日本は沈没していく

 思えば渡辺氏は、昨年夏まで行革担当相として霞が関改革をお茶の間にも訴えた。続投を希望しながら福田改造内閣で外され、麻生内閣で離党した。給付金問題での造反だけで説明しようとしたら、大きな構図を見失いはしないか。

春秋 西日本新聞 2009年1月15日

八葉蓮華 hachiyorenge

巨大な強制収容所 日ごとに残酷さを増す・・・春秋 八葉蓮華

 中東からの報道が日ごとに残酷さを増す。パレスチナ自治区ガザに撃ち込まれるイスラエル軍の砲弾に「非人道兵器」が含まれている可能性が高いという

 人道的な兵器などあるはずもないが、「焼きつくす」とされる白リン弾らしき砲弾が、人口密度の高さが世界有数のガザ難民キャンプ方面でも使われた、と知っても平気でいられる人は一部に限られる

 ニュース映像を見ていると、これがそうか、と思う。空中でさく裂し、枝分かれして白煙を吐きながら落下し、広範囲に降り注ぐ。発する熱は2000度以上といわれる。皮膚に触れると、ただのやけど程度では済まない

 白リン弾は空気と反応して発火、発煙する。国際条約で使用が禁止された兵器ではない。煙幕を張ったり、敵兵を潜伏場所からいぶりだしたりするのに使われてきた。イラク戦争では米軍も使った

 どんな兵器であれ、持つと効果を種々試したくなるもののようだ。核燃料の製造過程で出る「核のごみ」で作った劣化ウラン弾や、子爆弾が不発弾となって対人地雷と化すクラスター爆弾は記憶に新しい。専ら中東で使用される。白リン弾も同じ

 ただでさえ貧困に苦しむガザを、ローマ法王庁は先週「巨大な強制収容所」と語り、そんな状況にしたイスラエル政府を批判した。イスラム過激派掃討を掲げたガザ攻撃は、イスラエルの首相によると「ゴールが近いが、まだ忍耐と決意が必要」だそうだ。

春秋 西日本新聞 2009年1月14日

八葉蓮華 hachiyorenge

世界各地の電波望遠鏡がひとつになる・・・春秋 八葉蓮華

 1609年は日本では慶長14年。関ケ原の戦いを終えて間もない徳川幕府が長期政権の土台を築き始めていた。年表をめくると、オランダ東インド会社が平戸に商館、などとある

 この年、イタリアでは科学者ガリレオ・ガリレイが天体観測を始めている。月面に山や谷やクレーターなどがあるさまをスケッチに描き残した。それを可能にしたのは自分で作った望遠鏡だった

 木星や金星なども観測してコペルニクスの地動説を是認したガリレオは、宗教裁判にかけられて有罪となる。その非を前ローマ法王に続いて現法王ベネディクト16世も認めた、と報道されたのは先月末のことだった

 ガリレオが自作の望遠鏡を初めて夜空に向けて400年。国連や国際天文学連合は今年を「世界天文年」とした。開幕記念式典があさって15日から国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部で行われる

 15、16日には大規模な天体観測も予定されている。日米欧などの主要電波望遠鏡を高速ネットワークで結び、おひつじ座の方向にある天体を共同観測する。参加する電波望遠鏡で一番大きなものは、映画「コンタクト」にも出てきたプエルトリコの直径305メートル

 世界各地の電波望遠鏡がひとつになる今回の観測は、直径が地球規模の電波望遠鏡を人類が持つことを意味するという。ガリレオが知ったら仰天するだろう。ちなみにガリレオが作った望遠鏡の口径は数センチだった。

春秋 西日本新聞 2009年1月13日

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辛いこと、厭なこと、哀しいことに、出会うたび、僕は弱い自分を励ます。前へ。・・・春秋 八葉蓮華

 成人式の会場でだったか、言った人が誰であったか、の記憶はおぼろだが、聴いた内容はよく覚えている。「これからつくる友だちに、詩人を加えなさい。終生の友だちが1人増える」

 古今東西、詩人はあまたいる。選ぶのは悩ましくも楽しい。年を重ねるほどに、こんな詩人もいるよと、書店に行けば詩集の棚から呼びかけてくる。友だちが増えていく。最近も1人加わった

 大木実という詩人のことをそれまで知らなかった。戦後、戦地から帰って埼玉県内の市役所に公務員として27年間勤務し、1996年に82歳で亡くなるまでに16冊の詩集を残した

 7歳で母親に死に別れ、11歳の時には関東大震災で弟と妹を亡くしている。小学校を出たあと電機学校を中退して店員や工員、事務員などの仕事を転々とした。戦争をはさんで得た妻と子を愛する世間一般の暮らしを、平易な言葉でつづり続けた

 昨年秋に編み直された詩集「きみが好きだよ」(童話屋)には、次のような作品もある。〈少年の日読んだ「家なき子」の物語の結びは、こういう言葉で終っている。/―前へ。/僕はこの言葉が好きだ。〉と始まる

 フランス生まれのあの物語の主人公は、くじけそうになっても前だけを見て進む。けなげな少年を詩人は生涯の友とし、詩をこう結んだ。〈辛(つら)いこと、厭(いや)なこと、哀(かな)しいことに、出会うたび、/僕は弱い自分を励ます。/―前へ。〉

春秋 西日本新聞 2009年1月12日

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カラオケ 海外でもそのまま通用する日本語・・・春秋 八葉蓮華

 カミカゼ、パチンコからシンカンセン、コーバンなどまで、海外でもそのまま通用する日本語はいくつもある。カラオケもそのひとつ

 平和的光景を世界中に広げた、としてノーベル賞のパロディー版「イグ・ノーベル賞」の平和賞が、機器を1970年代初めに発明した井上大佑さん(68)に贈られたのは、2004年のことだった

 カラオケは海外でも何かと話題を提供する。こんどは「最も重要と思いつつも最も不快に感じる発明品」アンケートで1位になった。英政府が2500人以上の成人を対象に調べた結果を英紙インディペンデントが報じた

 2位以下には24時間スポーツチャンネル、ゲーム機、携帯電話、目覚まし時計が並ぶ。カラオケが1位になったのは英国的事情からのようだ。機器の多くはパブに置いてあり、音痴の人や酔っぱらいの歌声がひんしゅくを買っている

 「イグ・ノーベル賞」の際には「じっと聞くことを通して忍耐強さが鍛えられる」との授賞の弁もあったが、程度によりけりということか。日本のように防音設備が整った個室が広まれば、カラオケを見る目もたぶん変わってくる

 報じた英紙はカラオケの人気曲も掲載してくれた。ベスト10を見て「ほー」となった。アバの「ダンシング・クイーン」、シナトラの「マイ・ウェイ」のほかプレスリーも2曲入った。懐メロが多い。英国のカラオケファンは年配者が中心なのだろう。


春秋 西日本新聞 2009年1月11日

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正義の味方を気取りなら米国の環境保護を・・・春秋 八葉蓮華

 記憶に新しいところでは、中米カリブ海の海賊に題を取ったハリウッド映画が日本でもヒットした。海賊は昔から活劇映画に欠かせなかった。北欧のバイキングも懐かしい

 子ども向けに100年以上前に欧州で書かれた冒険小説「宝島」や童話劇「ピーター・パン」にも海賊が出てくる。バイキングなどを抜きに中世以降を語るのは難しい欧州ならでは、という気がする

 ピーター・パンの敵役として登場する海賊フック船長を、作者はどこかしら紳士的に描いてもいた。そんな一面を少しは見習ってはどうか、と言いたくなる海賊まがいが現代にいる

 南極海で日本の調査捕鯨船団を追いかけ回している米国の環境保護団体「シー・シェパード」(SS)だ。抗議船で接近して薬品入り瓶を投げ込んだり、船ごと体当たりしたり、やりたい放題。昨年暮れと年明けにも妨害行動が報告された

 「日本はクジラを密漁している。違法行為をやめさせる」とSS側は言う。冗談は休み休みに願いたい。調査捕鯨は国際条約で認められた活動だ。地球環境問題に絡む調査捕鯨を暴力で妨害しておいて、なにが環境保護団体なものか

 現代の海賊といえば南アジアのマラッカ海峡がまず浮かぶ。最近は東アフリカのソマリア沖が危ない。日本の船舶も襲われた。十数カ国が艦船を派遣して警戒中。南極海のSSは正義の味方を気取り、それを支持する空気も一部にあるから始末が悪い。

春秋 西日本新聞 2009年1月10日

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イスラエル建国で中東戦争が始まって61年・・・春秋 八葉蓮華

 「反撃」の空爆で家を失った住民たちが避難中の学校に、こんどは陸上から侵攻した戦車の砲弾が着弾して40数人が死亡、と中東から伝える外電に、かの地で続く暴力の応酬のむごさを思う

 現在の戦場はパレスチナ自治区ガザ地区。イスラム原理主義組織ハマスが支配している。「ハマスが先に攻撃した」とイスラエル軍が侵攻した。半年間続いていた停戦は長い歴史から見れば束(つか)の間で終わった

 イスラエル建国で中東戦争が始まって61年になる。3000年の歴史をたぐって戻ってきたユダヤ人と、追われた人々を含むアラブ系国家などとの戦いの深層は、私たちにはうかがい知れない

 分かっているのはイスラエルが米軍並みの兵器を有しているということだ。無人偵察機の情報を地上部隊と共有しながら進軍中。ハマスはといえば、指導部は地下に潜伏し、ゲリラ戦術で対抗する

 半世紀余を顧みても軍事的にはイスラエルが総じて優位を保ってきた。それでも終わりは見えてこない。米国のベトナム戦争と、期間の長さは別にして、ここまでは似ている。軍事力では測れない力が働くもののようだ

 死者だけが増えていく。報道では死者のほとんどはパレスチナ人。そんな戦争をイスラエルはいつまで続けるつもりだろう。これまで支えてきた米国を国際世論が動かし、就任が近い「チェンジ!」の新大統領に最初の出番を与える、という筋書きはないものか。

春秋 西日本新聞 2009年1月9日

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冬場の乾燥 「うがい、手洗い、マスク」心構えから・・・春秋 八葉蓮華

 なにかと乾きやすい昨今だ。乾いた世相が生む不人情を事件などから拾うときりがない。そんな世相も手伝ってか、この冬は空気も例年以上に乾く。冬場の乾燥を喜ぶのは洗濯物くらいで…

 火災が起きやすいから怖い。列島は昨年末から冬型の気圧配置が強まり、太平洋側を中心にカラカラ状態。火災発生を聞かない日はない。「この火災で…」と死亡の報が続く

 一昨日から昨日にかけても相次いだ。千葉や東京では幼児や園児が、奈良では老夫婦らしい2人が、と痛ましいニュースが交じる。火災での死者数は今年に入って20人を超えた

 乾いた空気は一方でインフルエンザウイルスの出番も用意する。乾燥状態が大好きなのだ。この冬は学校の冬休み前に九州でも学級閉鎖があった。きょうから3学期のところが多い。備えは大丈夫だろうか

 話は飛ぶが、当面最も怖いのは新型インフルエンザだ。国を挙げて対策を急いでいる。1910年代に全世界で数1000万人が死亡した「スペイン風邪」の毒性の原因を特定した、と東大のチームなどが先日発表した。新型インフルエンザの治療薬開発にも役立つという

 対ウイルス戦争がどれほど進化しようと、あるいはどんなウイルスが相手であれ、備えは「うがい、手洗い、マスク」の励行から始まる。火災予防も心構えからと、子ども会を含む夜回りの声を今冬も各地で聞く。「火の用心! マッチ1本火事のもと!」

春秋 西日本新聞 2009年1月8日

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